ワケありって言ってもほどがあるよ!
こんにちは、大田タケルです。
後ろ姿ですいません、ちょっと向こうのカップルが羨ましくて。
出会いがあるって、素晴らしいですよね。
・まさかの出会い! 保育士さん!
これは、そんな僕が友人のN美さんから奇跡的に保育士、T子ちゃんの女性を紹介してもらった時のことです。
どうやら
T子ちゃんは彼氏と別れてから半年経っても元気がない、
じゃあ新しい出会いをプレゼントしよう!
周りに独り身の男いないかな?
……という流れで、僕に連絡がきたそうです。
「大田さん、頑張ってね! あの子、おとなしいから打ち解けるの大変かもしれないけど……」
「うん。今日はありがとう。確かに大人しそうな子だね。何かアドバイスないかな?」
「ええとね、ベッドの上ではドMらしいわよ」
もっと前段階のアドバイスが欲しかった。
具体的にはベッドの上に行くまでのアドバイスを僕は求めていたのだけど、
というよりベッドの上まで行ったらもうアドバイスはいらないくらいなんだけど、
とにかく、今日は自分ひとりの力でやりきるしかない、という事だけはわかったんだ。
思わぬベッド情報のおかげで気持ちに邪念が含まれてしまったけど、今はとにかく、彼女と仲良くなることだ。
まずはお酒の席で。
「はじめまして、大田といいます」
「あ、あの、はじめまして、M子です」
「可愛いイヤリングだね」
「元カレに買ってもらったの」
「へえー、どうりでよく似合ってる」
引きずってるなー。
元カレからもらった装飾品を身に着けて、新しい出会いの場にくるってどんな心理なんだろ。前向きなのか後ろ向きなのか。
でもまっ、イヤリングくらいは可愛いもんだよね!
本当にお気に入りの品かもしれないし、気を取り直して何か会話をしよう!
「その指輪可愛いね!」
「あっ、これも元カレに買ってもらったの!」
左手の薬指!! もう!!
こいつダメだ!
即座に帰宅したかったのですが、紹介してくれたN美さんの顔を潰すワケにもいかないので、とりあえず映画を観にいく約束を取り付けた僕。
後日、待ち合わせ場所にきた彼女の左手薬指には変わらず指輪が装備されたままだったので、その日依頼彼女とは連絡をとっていません。
憧れの保育士さんだったのに……!
あの状態からどうやってベッドまで行けば良かったのか、今でもわかりません。
※『シフトホイク』。その日はもちろん、彼女達のシフトに合わせました。