後輩OLがとうとう彼氏にフラれたということで、
どうやらその反省会に呼びつけられたようです、僕。
「ついにフラれちゃった……」
まさかこんな暗い会話になるとは知らなかった。
ハチミツかけて食べるタイプのピザとか注文しちゃった。
なんて名前だっけ、あのピザ……。
「ダイエットうまくできなかったのが良くなかった」
そもそもダイエットしてなかったろ、お前……。
【後輩がフラれた要因一覧】
・ダイエット失敗 ※そもそもダイエットをしていない
・仕事を頑張るのも失敗 ※度重なる遅刻で減給
・自立失敗 ※彼氏の家に居候状態
フォローすべき点が全くない、
それに彼女の堕落した様は僕も知っていたので、このような場に呼びつけられても困る。
「やっぱり私ってダメな女なんだよ」
……。
「そんなことないよ」って言いたくない……。
フォローする流れではあるんだけど、
同情する余地があまりにも見当たらないといいますか、
どちらかというと破局したにも関わらず彼女の面倒を見続ける羽目になった彼氏の方に同情してる。
・誰も「そんなことないよ」と言わない。
なんなんだ、こいつ等……。
普通、女子ってこういう流れではウソでも「そんなことないよ」って言うだろ。
なんでダンマリ決め込んでるんだ。
とりあえず形だけでも慰めとけよ。
「大田さん、なんとか言って下さいよ冷たいなぁ」
本人から直接要求がきちゃった。
なんだコイツ、
僕が落ち込んでる時は指さして笑ってたクセに……。
しかし皆、ビックリするくらい口を開かないな。
僕の向かいに座ってるK子ちゃんなんて、業務成績で表彰された時は何て頼もしいヤツなんだと感心したのに、今はその面影がまったくない。まるで新入社員だ。
面倒だけど、この場では唯一の男だし、もう僕は退職している身とはいえ年上だし、
とにかく何か言葉を発してみるか。
僕「これからどうするの?」
・その瞬間、空気が変わった。
皆に旋律が走った。
これは女性のカンってすごいと言うか、
僕が鈍いのか。
「フラれた彼氏の家にいつまでもいられないし、誰かしばらく泊めてくれませんか?」
これかー!
変に同情の言葉をかけようものなら、彼女の面倒を見る羽目になりかねない。
こいつら、そこまで見越した上で口を閉ざしてやがったのか!
「もう大田さんでもいいから、泊めてくれませんかね」
彼女がそう言った時、店員さんが僕のピザを運んできた。
だから、僕は先輩として彼女にこう言ってやったのさ。
「考えが甘いんじゃないかな、ゴルゴンゾーラだけに」
一同「……」
クスリともしねえよコイツら……。
※『ALIVE』で自分の記録をしっかりつけていれば、彼女も少しは自身の日々を反省するのではないだろうか。