ウォーキングデッド、プリズンブレイク、BONES、LOST……。ドラマと言えば、最近は何かと海外ドラマが取り上げられがち。
でも、私は言いたい。日本のドラマだって面白い作品がたくさんある、と。
そこで『hulu』で見られる日本の「連続ドラマ」から、おすすめを4本選出しました! 「家政婦のミタ」や「勇者ヨシヒコ」など有名どころはあえて除外して、もっと多くの人に知ってほしい”隠れた名作”をピックアップ。
新ドラマのチェックは毎シーズン欠かさない連ドラ大好きな筆者が、各作品の見どころをご紹介させていただきます。
わたしを離さないで(2016年・TBS系)
作品概要
全10話
原作:カズオ・イシグロ
脚本:森下佳子(代表作:JIN-仁-、MR.BRAIN、など)
出演:綾瀬はるか、三浦春馬、水川あさみ
試聴URL:http://www.hulu.jp/never-let-me-go
あらすじ:
山の中にある「陽光学苑」で、世間から隔離されながら育てられた恭子(綾瀬はるか)、友彦(三浦春馬)、美和(水川あさみ)。
この学園にいる子どもたちには、”特別な使命”がある。彼らは臓器提供を行うために造られた「提供者」と呼ばれるクローン。臓器の摘出が終われば、死を待つしかないのであった。
その事実を知らされた恭子たちは、自らの将来に絶望し戸惑う。彼女たちはただ死をまつしかないのか……。
原作は映画化もされているイギリスの同名小説(原題:Never Let Me Go)。
このドラマは、決して”わかりやすい”作品ではありません。最初は物語の全容が見えず、霧の中を進んでいるかのように展開していきます。
そして次第に明らかになっていく彼らの運命。絶望的で、儚く、哀しいストーリーは、他の作品にはない色を放っています。
特筆すべきは第8話。主人公・恭子の友人・美和にフォーカスが当たる回です。
第1話からずっと、恭子の邪魔をする悪女として描かれている美和。その彼女の想いが洪水のように溢れ出してきます。号泣必至。美和を演じる水川あさみさんの演技が素晴らしく、きっと圧倒されるでしょう。
世界設定こそSFですが、その本質は生、死、愛をテーマに扱った重厚なヒューマンドラマ。生きる意味を我々に問いかけてきます。
ちなみに、こういうヘビーなテーマの作品が好きなら、同じく綾瀬はるかさんが主演している「白夜行」もオススメ。
重苦しい話は苦手! ハッピーなやつ頂戴! という方は、「ホタルノヒカリ」の超絶可愛い綾瀬はるかさんに癒やされてください。
どちらも『hulu』で配信中です。
パンとスープとネコ日和(2013年・WOWOW)
作品概要
全4話
監督:松本佳奈
原作:群ようこ(代表作:かもめ食堂)
脚本:カーゴパンツ
出演:小林聡美、伽奈、もたいまさこ
視聴URL:http://www.hulu.jp/breadsoupand-a-cat-day
あらすじ:
母の突然の死、そして勤め先での急な人事異動が重なり、母の営んでいた食堂をやっていく決心をしたアキコ(小林聡美)。
店内を改装してオープンしたのは、サンドイッチとスープだけのシンプルで小さなお店。様々な人がお店を訪れ、あたたかな人間模様が繰り広げられる……。
小林聡美さんが食堂を経営という設定で、真っ先に思い浮かぶのは映画「かもめ食堂」。
そう、本作は原作者、スタッフ、キャストが「かもめ食堂」と共通している点が多く、「めがね」「プール」などに並ぶ、かもめ食堂シリーズのひとつと呼べる作品です。
同シリーズおなじみの顔、もたいまさこさんも出演しているのですが、小林聡美さんと並んでいると、どうしてこうもホッとしてしまうのでしょう。
大きな事件が起こるわけでもなく、ゆったりと進むストーリー。でも中身がないわけではなく、日常の中にある大切なものを気づかせてくれるセリフが端々にあるから惹きこまれます。
「かもめ食堂」ではシナモンロールやおにぎりが印象的でしたが、本作にも美味しそうな料理がたくさん出てきます。ドラマ公式サイトではレシピが見られる充実っぷり。
お店で出されるサンドイッチとスープもいいのですが、アキコが夜中に一人で晩酌しているシーンもまた美味しそうで、観ているとお腹が「ぐ~」と…… 。
温かな太陽の光が似合うインテリアも実に綺麗で、ヴィジュアル面でも満足させてくれます。絶対ムリだとわかっているけどいつかこんな暮らしをしてみたい。そんな夢をいっときだけ味わわせてくれるでしょう。
実はこの作品の他にも、WOWOWはいいドラマをたくさん作っているんです。民放に比べるとどうしても日の目を浴びづらいですが……。『hulu』にはそんなWOWOW作品がたくさん揃っています。
ジャンルはミステリー・サスペンス系の作品が多め。中にはAV業界を扱った、地上波では絶対NGな「モザイクジャパン」という個性的なドラマも。
35歳の高校生(2013年・日本テレビ系)
作品概要
全11話
脚本:山浦雅大、高橋悠也
出演:米倉涼子、溝端淳平、片瀬那奈、菅田将暉、広瀬アリス、山崎賢人
視聴URL:http://www.hulu.jp/no-dropping-out-back-to-school-at-35
あらすじ:
全日制の川浜市立国木田高校。いじめ、不登校、スクールカースト、様々な問題が溢れる3年A組に現れたのは、35歳の編入生・馬場亜矢子(米倉涼子)。
なぜ高校をやり直すことにしたのか。謎多き彼女は破天荒なやり方で生徒・教師と向き合い、学校にはびこる闇をぶち壊していく……。
35歳で高校生という設定自体はぶっ飛んでいますが、中身自体は「GTO」の流れを汲む王道学園ドラマです。
本作で注目したいのは、物語よりも”キャスト”。今、第一線で活躍している若手俳優さんたちが多数出演しているんです。
「便所飯」に「リストカット」と重い役を演じた広瀬アリスさん、カースト1軍のリーダー的存在に菅田将暉さん、影のある謎多き生徒に山﨑賢人さん、米倉涼子さんの少女時代役が松岡茉優さん。
その他にも野村周平さん、新川優愛さん、高杉真宙さん、森川葵さん……って、豪華すぎ! 今はもうこんなに集められないでしょう。みなさんフレッシュで、これだけで楽しめます。
この人気俳優の排出っぷりは仲間由紀恵さんの「ごくせん」を彷彿させますね。俳優・女優好きとしては、これだから学園ドラマは見逃せません。
ちなみに個人的な統計では、「米倉涼子さん主演ドラマはハズレがなく安定している」と結果が出ています。さすが「私、失敗しないので」。
残念ながら『hulu』で「ドクターX」は観られないのですが、「米倉涼子×松本清張3部作」である「黒革の手帖」「けものみち」「わるいやつら」が揃っているのは着目すべきポイントです。
彼女の悪女役は必見! 強い女が活躍するドラマって面白いですよね。
銭ゲバ(2009年・日本テレビ系)
出典:hulu「銭ゲバ」
作品概要
全9話
脚本:岡田惠和(代表作:ビーチボーイズ、最後から二番目の恋、など)
出演:松山ケンイチ、ミムラ、木南晴夏、宮川大輔
視聴URL:http://www.hulu.jp/zenigeba
あらすじ:
貧しく不幸な少年時代を送ったがゆえに、「銭ゲバ」となった蒲郡風太郎(松山ケンイチ)。
彼は温和な青年を演じ、三國造船の社長令嬢・三國緑(ミムラ)に取り入り、金も名誉も全てを手に入れようとする。金の力を使い、悪事に手を染め、それでもなお手に入らないものとは……。
本作の魅力は、金を巡る登場人物たちの生々しい感情のぶつかりあい。
主人公の風太郎は次々に悪事に手を染めていきますが、その根底にあるのは「幸せを手にしたい」という想い。優しい顔と悪の顔、2つの間で揺れる風太郎を、鬼気迫る演技で見せてくれる松山ケンイチさんからは目を離せません。
そんな彼を迎え撃つは社長令嬢役のミムラさん。特に第6話、マカロン(お金持ちの食べ物)を前にしての対決は必見です! (ネタバレになるので、話したいけど話せないのが口惜しい……)
ドラマフリークとしては、名言が多いところも注目ポイント。「銭ズラ!」「金持ちの食べ物ズラ!」「貧乏人っていやね。お金持ちに生まれてよかったわ」などなど、明日から使いたいネタフレーズがいっぱいです。
出典:hulu「家なき子」
なお、銭ゲバが主人公と言えば伝説のドラマ「家なき子」を忘れてはいけません。
脚本家・野島伸司さん原案だけあって、そのドロッドロなストーリーは今見ても色褪せません。過激すぎて今は地上波で放送できなさそう……。90年代スゴイ。
「同情するなら金をくれ」はもちろん、「怪獣なんだよ! カネゴンなんだよ!」「人間なんて起きて半畳寝て一畳」など、こちらも声に出して読みたい名言が多数飛び出してくる作品ですね。
日本の連ドラだって名作がたくさん。もっと観よう!
日本の連ドラは海外ドラマと違い、10話前後でスッキリ完結するのがいいところ。休日にイッキ見するにはちょうどいいボリュームです。
今回はあえて外していますが、「モテキ」「Mother」「女王の教室」「ケイゾク」などなど……、超有名作品が鉄板で面白いのは言うまでもありません。
ぜひとも日本の連ドラをもっと観ましょう!
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