少年ジャンプとペイントソフトのメディバンペイントがコラボした、アプリ「ジャンプPAINT」が先日リリースされました。
人気作家の原稿をベースにマンガを描く練習ができて、使い込めば本気の作品も作れちゃう代物。今やスマホでマンガを読むだけでなく、描くことまでできるんですね。
とかなんとか言っても、絵は下手だし、マンガは読む専だよというみなさんこんにちは。今週も「今、面白い無料マンガはコレだ!」のお時間がやってまいりました。
数あるマンガアプリ・Webマンガの中から、読んでおきたい注目作品・マンガニュースをご紹介していきます。
『ぼくらのQ』第1問。何故 人は生きる? 謎の球体が謎を問いかける
今週1本目に紹介するのは、マンガワンで4月末から始まった新連載『ぼくらのQ』。謎が謎を呼ぶ、予測不能のサスペンス&バトルマンガです。
主人公・井口正奈(いぐちしょうな)の前に、突如として現れた謎の球体。その球体は「生命のQ」と称し、正奈に謎を問いかけ始める。
球体はずっと正奈につきまとうものの触ることはできず、球体の声は他人には聞こえない。
存在に疑問を感じながらも、質問に答える正奈。すると球体の「大正解」という返答とともに、正奈はケガを負っても元通りに体が癒える能力を手にする。
ある日、正奈の通う高校に謎の通り魔が入り込み、恐ろしい虐殺を繰り広げ始める。幼馴染の佑香を守るため、その通り魔の前に立ちはだかる正奈。
通り魔の頭上には、正奈のものとよく似た謎の球体が浮かんでいた。
そして、その通り魔は正奈に語り掛ける。おれのは「死のQ」だ、と。
「死のQ」の報酬として得た能力は「風化」。全てのものを風化させ朽ち果てさせる、正奈とは真逆の能力だった……。
”Q”によってチカラを得た人々が繰り広げる、異能バトルものになっていきそうな予感がします。
しかし、ただドッタンバッタン大騒ぎするわけではなく、謎の球体が謎を問いかけてくる構図が実にミステリアスでスリリング。能力者たちは究極の質問の答えを模索しながら戦うというところに、哲学的な深みがあります。
特に、最新話(2017年6月26日時点)の第9話は必見。かなり含みのある抽象的な話なのですが、想像を掻き立てられ、これからもっと面白くなっていくはずと思わずにはいられません。
大注目の新連載ですよ!
ぼくらのQ
掲載アプリ:マンガワン(毎週土曜更新)
ジャンル:異能バトル、サスペンス、ミステリー
作者:市真時系
『血潜り林檎と金魚鉢男』金魚とスク水と昭和の風景。不可思議ホラー奇談
感動する、泣ける、ワクワクする、アツい、怖い……。マンガを読んでいると、いろんな感想が出てくるもの。
しかし時々、何と表現したらいいかわからない、夢の中にいるような不思議な作品と出会うことがあります。今週2本目に紹介する、『血潜り林檎と金魚鉢男』がまさしくそんな作品です。
本作は「電撃コミック ジャパン」で連載されていた作品で、マンガボックスにて限定連載が開始しました。
主人公・葉山昊介(はやまこうすけ)はある日、町中でスクール水着を着た少女・林檎に出会う。彼女は、吸血事件の被害者を救うため「血潜り」をやっているという。
昊介の住む町では、金魚鉢男による吸血事件が多発していた。
頭が金魚鉢になっている「金魚鉢男」。彼は雨上がりに現れ、人の生き血を吸う。そして、彼に血を吸われた人は金魚に変わってしまうのだ。
昊介自信はごくごく平凡な高校生。しかし、金魚鉢男に出会ってしまったことをきっかけに、林檎の「血潜り」に協力することになる……。
「血潜り」とは被害者の血の中に潜って「金魚毒」を取り出すことなのですが、被害者を救うために金魚を”すくう”んですよ。金魚すくいのポイで。
いちおうホラーなのですが、真剣なのかふざけているのか、境界があいまいな描写が多数散りばめられています。でも、不気味さと可笑しさとがかち合わず、絶妙に溶け込んでいるから面白い。
いま自分は何を読んでいるのだろう……と、頭がふわふわとしてくる不思議な空気が漂っています。
第1巻のあとがきに「畳臭い吸血鬼ものがやりたい」と書かれているのですが、たしかに他では絶対読めない奇抜な世界観をもった作品です。
昭和ノスタルジー。夏の蒸し暑さ。ファンタジー。懐かしさも感じさせながら、やっぱりわけがわからない。支離滅裂な夢を見ているかのような世界をお楽しみあれ。
血潜り林檎と金魚鉢男
掲載アプリ:マンガボックス(毎週金曜更新)
ジャンル:ホラー
作者:阿部洋一
『少女Aの悲劇』鬼畜王子と宇宙人少女の運命は!? 感動(?)の最終回
以前、本連載でも紹介したマンガボックスの『少女Aの悲劇』が、最終回を迎えてしまいました。さみしい!
勉強以外のものはゴキブリ以下とすら考えている鬼畜王子・林くん。そんな彼に宇宙人少女・浅川結真が暴言・暴力を浴びせられまくる悲劇の日々を描いたギャグマンガ。
宇宙人の体から発せられるフェロモンが地球人に影響を与え、心を操ってしまうと知った結真。最終回では、林君のためを思い、結真が彼のもとから去ってしまいます。しかし、とある真実が判明し……。
終わってしまうのは残念ですが、綺麗に締めくくられていました。
キャラ萌えや安易なサスペンスに頼らず、なおかつ中身の薄い日常系でない。しっかり「ギャグマンガ」している作品は、実は意外と少ないと思います。
ギャグの切れ味がするどく、お話もきっちり面白かったのに残念でなりません。次回作に期待!
少女Aの悲劇
掲載アプリ:マンガボックス
ジャンル:ギャグ
原作:中村力斗
漫画:あさの
最後にマンガニュースをひとつ。
アニメ『カラダ探し』は7月31日配信開始! 声優は阿澄佳奈さん
アニメ制作会社・Production I.Gのアプリ「タテアニメ」にて、少年ジャンプ+の人気ホラーマンガ『カラダ探し』がアニメ化されることは先日この連載でもお伝えしましたが、その配信日が7月31日と発表されました!
▲「タテアニメ」は縦画面で見るアニメ配信サービス。
声優も発表され、森崎明日香役は阿澄佳奈さん、伊勢高広役は江口拓也さんだそうです。めちゃめちゃ豪華で、かなりの力の入りっぷりを感じます。
夏ですし、ゾクッと涼しくなれそうですね。
今週はここまで! みなさんのマンガライフが充実しますように。また次回~!