8月も後半戦! 学生のみなさんは宿題をもう終わらせましたか? 社会人の方々はお盆休みモードから頭を切り替えられましたか?
というわけで今週もはじまりました「今、面白い無料マンガはコレだ!」。本連載は夏も休まずお届け! 数あるマンガアプリ・Webマンガの中から、読んでおきたい注目作品・マンガニュースを紹介していきます。
『バスタード』いったい何のために、少年は手を血で染める
怖いのは幽霊でもなく、モンスターでもなく、人の中に潜む狂気。
今週1本目に紹介するのは、XOYで連載中のサスペンスホラー『バスタード』です。

街で相次ぐ女性を狙った誘拐・行方不明事件。その犯人は主人公の少年・圭だった。
その日も唯一の肉親である父親のいない間に、自宅にやってきた家庭教師を殺めてしまう。

圭の父親は、困っている人やトラブルを見逃せない「いい人」。
しかし、そんな父親の姿を見る圭の目はとても冷たく、「偽善者」と吐き捨てる。

人を殺すとき、被害者に父親の姿を重ねる圭。なぜ圭は父親をそこまで憎むのか。そして、なぜ人を殺めるのか。この家に潜む悪意とは……。
ぜひとも第3話までイッキに読み進めてください。そこには鳥肌のたつような展開が……。もうそこからは、先が気になってノンストップで読み進めてしまうでしょう。
スリリングな父子の葛藤。背筋の凍るような恐怖を味わってください。
バスタード
掲載アプリ:XOY(毎週水曜更新)
ジャンル:ホラー、サスペンス
作者:Carnby、Okome
『ぶっきんぐ』当たり前にあったものがなくなる時代。きっと本屋に行きたくなる
時代の移り変わってどんどん便利になっていく中で、消えていくものもあります。その一つが「書店」。特に大型でない”町の本屋さん”は、あまり見かけなくなってきました。
今週2本目に紹介するのはマンガワンの新連載、本が売れない厳しい時代を描いた『ぶっきんぐ』です。

2006年。ネット通販などの影響によって、全国の書店は3日に1軒のペースで閉店し、減り続けていた。
しかし、美大を卒業後し人生絶賛迷子中の大國かの子には、そんなことを心配している余裕などない。
芸術家という夢を追い求める一方、周りは社会人として働きはじめ、かの子は自分のやっていることに疑問を持ち始めていた。

ある日、かの子は町の本屋さんで万引きの現場を目撃する。そして反射的に万引き犯を捕まえるために走り出す。
「町の書店なんて古い」と言われる本屋さん。「いつまでも夢見てたってしょうがない」と言われたかの子。時代遅れと揶揄される状況を自分と重ねていたのだった……。

その事件をきっかけに、かの子は老舗小型書店・光林堂で働くことになる。いまいちやる気のない店長。本屋には逆境の時代。かの子の書店員ライフはいかに!?
本屋さんの楽しい一面ではなく、苦しく辛い面を主題にしているのが新鮮な作品。
小型書店ならではの苦労を知ると、もっと本屋さんに足を運ぼうかなという気分になってきます。ネット通販がいくら便利でも、本屋さんに行ったときのワクワクは唯一無二ですからね。
かの子の成長物語も気になるポイント。現実を突きつけられる中で、熱い想いを貫き通せるのでしょうか。
ぶっきんぐ
掲載アプリ:マンガワン(毎週日曜更新)
ジャンル:ドラマ
作者:美代 マチ子
『夜ヲ東ニ』暗闇を彷徨い「朝」を求める。フルカラーだからこそできる世界表現
今週最後に紹介するのは、少年ジャンプ+の読切作品『夜ヲ東ニ』です。
紙のマンガ雑誌と違い、カラー表現を自由にできるのがマンガアプリ・Webマンガの特徴。本作はそのメリットが最大限に活かされています。

常に「夜」という暗闇に包まれた世界。ある男が「朝」を求めて旅をしていた。ある日、彼は「遺物」と呼ばれる銃を持った少女と出会い……。
色々話をしたいですが、ネタバレになってしまうのであらすじ説明はここまで! 土の匂いが漂ってくるような世界観がシブいです。
魅力は光の描き方。色の絶妙な変化によって場面が綺麗に描き分けられています。光を描くことで、逆に暗闇も浮彫りになってくるのもとても印象的。
広がりを感じるエンディングはとても味わい深く、続きが読みたくて仕方がありません! 連載希望!!
夜ヲ東ニ
掲載アプリ:少年ジャンプ+
ジャンル:SF
作者:アンギャマン
今週はここまで! みなさんのマンガライフが充実しますように。また次回~!