アゼルバイジャン その1
どこ、それ?
その国の名を聞いて、
少なくとも俺には場所もイメージもわかなかった。
旧ソビエト連邦、アゼルバイジャン共和国。
ロシアのナショナルフラッグ、アエロフロートでモスクワを経由して行く。
驚くほど乗り継ぎがスムーズだったのは、一昔前までは国内線だったからなのかもしれない。
まるで電車でも乗り換えるように首都バクーに到着した。
俺の仕事はケイワンの競技運営。
そもそも格闘技イベントってとてもお金のかかるものだし、
それを観に来る人達の生活レベルだってある程度高くなければ成立しないものだ。
目に写る街は、俺たちの世代が植え付けられた共産圏のイメージとは程遠い。
日本製やヨーロッパの高級車がそこらじゅうを走りまわり、
ピンクや緑色の蛍光灯が夜も昼も光り続けていて、なんだかバブルの匂いがした。
城壁都市と呼ばれるバクーには、
カスピ海に沿った世界遺産のシルヴアンシャー宮殿がある。
大昔の遺跡の横にはヨーロッパっぽい建物があって、
その向こうにはガラス張りの近代的なビルが建ち並んでいた。
ごちゃ混ぜだな(笑)