イタリア・ミラノ紀行 その3
早すぎた。
予約時間の二時間前じゃ、早すぎだ。
しかも換金しようと思ったお金を忘れてしまった。
まぁ往復だけならなんとかなるか、10ユーロで(笑)
とりあえず歩いて回れるところに行ってみよう。
圧倒されたよ、その重厚さに。
至るところにある由緒正しそうな教会は、
木造文化の日本とは全く違う、石の文化だな。
と、フレンドリーな笑顔で近づいて来る黒人さん。
あなた日本人?中国人?韓国人?
脚を止めて俺は日本人だよ、と答えると
オー、オーサカ?トウキョウ?
うん、東京に近いところ。
なんて話していると、俺の右手を取ってミサンガを巻こうとする。
俺は買わないよ、そう断ると
ダイジョウブ、コレ私金イラナイ。
まぁ、それならいいか。
なんて思っていたら、
デモ、アフリカノタメニ金ヲクレ、と。
お前、話が違うだろって怒ると、
バラバラと二人の黒人が駆け寄ってきて、金を払えと詰め寄る。
アフリカの為に金を払えと。
こりゃヤバそうだ、って思った。
おもむろにポケットにあった小銭を投げつけるように渡すと、
こんなもん100円もしねーだろ!
この小銭で千円はあるからとっとけ!
って怒鳴って、クルリと人の多そうなところへと急いで歩き出す。
追いすがろうとする黒人に、更に日本語で怒鳴ってやった。
ぶっ飛ばされてーのか、コノヤロー!
周りの観光客が、ナンダナンダといった感じで集まり始めると、
ソイツらはソソクサと帰っていった。
いやいや、
逆ギレ風でなんとか乗り切ったけど、
ビビったぜ。脇の甘さを猛反省。
そんなこんなで予約の時間になったので「最後の晩餐」を見に行く。
スゴいな。
これは、何て言うか陳腐な言葉じゃ伝わらない位スゴい。
とにかく見ることが出来て良かった。
キッチリと15分で追い出されたので隣の教会へ。
神様にもお礼を言います。
さぁ、帰ろう。
そう思った時、背筋の凍るようなこと思い出した。
そう言えばあの黒人に、いやアフリカに払ったこのミサンガ代、
有り金全部だった。
焦った。
地図を見るとホテルまでは約8キロ。
ミーティングまでは一時間弱。
走るか。
そう覚悟を決めて、携帯とカメラをポケットにしまう。
あれ?小銭が一枚だけ残ってる。
取り出してみると、
なんと2ユーロのコインが一枚。
あぁ、神様の思し召しだ。
ホテルには約束の時間5分前についた。
あぁ、ヨープさんのハゲ頭みたらなんだか安心して、力が抜けちゃった。
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