コーランの流れる国へ その18
昼御飯にキャバブを食べる。
「何食べる?」って聞かれてもキャバブしか知らないし、ウマイし。
イランに来て昼食と夜飯のキャバブ率はほぼ100%だ。
プックりと出た下っ腹と、きっと体臭もイラニアンに近づいているに違いない。
イランでは驚くほど日本語が通じる。
中高年の男性は来日経験のある人が多いからかもしれない。
下手くそな英語よりよっぽど通じるんだな、これが。
友達と釣りの話になった。
俺は子どもの頃から釣りを愛していると言ったら、山に行こうという話になった。
どうやら日本語の話せる友達が山にいるらしい。
釣りも出来るのか?と聞いたら、ウンだかウウンだかわからない、曖昧な頷き。
またもテヘランタワーの横を通りすぎて、ハイウェイを飛ばすこと三時間。
ビルが無くなり山が迫ってくる。
何故か千葉の山々が脳裏によみがえる。
ふと、「ふるさと」を口ずさんでみた。
兎追ひし彼の山♪小鮒釣りし彼の川♪
少しだけ、あの千葉に帰りたくなってしまった。
すげぇ!
トンネルを抜けると、山!
褐色の山、山、山!
あれ?木が無い。
水分、無くない?
川も湖も影も形も無いし。
兎も小鮒もいねーだろ
!
当然、魚釣りも無し(泣)
あげく、
迎えに出で来た友達の友達は髭をジョリジョリと擦り付けると、
俺の日本語での挨拶に困ったような笑顔を浮かべた。
そして、「ミソラーメン」と「サイタマ」しか覚えていないことを謝っていた。
そう言えばミソラーメン食いたいなって、強烈な想いが込み上げてくる。
往復六時間、滞在時間五分。
郷愁のみを誘う旅だった(笑
)
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