長沙、到着
上海でのメールのやり取りに今回の通訳さんから、「空港に迎えに行きます」との連絡があった。
誠に正しい日本語で、きっと高度な日本語の教育を受けた方と察する。
そこで、僕は小粋なアメリカンジョークのつもりで自分の格好を説明した。
金色のスーツに真っ赤なネクタイ、と(笑)
安心したのか単に寝不足なのか、またしても長沙へ向かう飛行機の中で爆睡。
到着して、CAさんに揺り起こされてもそこがどこであるかわからないくらい深く寝た。
まったく働かない頭で、寝ぼけ眼を擦りながら到着ゲートへと向かう。
たくさんの人が迎えに来ていたけど、通訳さんが持っているはずの「K-1大成様」と書かれたボードが見当たらない。
まぁ、少し遅れているんだろう、なくらいに考えていた。
眠気が去らずウツラウツラと、喫茶店の前のベンチに腰掛けて迎えを待っていた。
ボーっと、ここ数日の移動、名古屋から大阪、そして長沙。
遠かったなぁ、と。
ふと気が付くと小一時間は過ぎている。
あれ?まだ来ないのかな。
少し不安になってWi-Fiを繋いでみた。
たくさんのメールが来ていて、全てお迎えの方。
どこですか?もう着いてますか?迷子になっていますか?
あ、いや喫茶店の前にいますが、とその場所を写真に撮って送る。
と、すぐに向こうの方からかわいい顔をした女の子がこちらに向かってくる。
間近まで来て、大成さんですか?と。
はい、と応える。大学で日本語を学ぶ通訳さんで、まだ二十歳を過ぎたばかり。
正しい日本語で、ちょっと怒り気味に大成さん!金色のスーツに真っ赤なネクタイって言ったじゃないですか!
あぁ、忘れていた。小粋なアメリカンジョークを(笑)
雨上がりの長沙は大阪よりもかなり寒かった。
ご機嫌ナナメな通訳さんとタクシーを拾って、街中を抜けて郊外にあるセミナー施設へと向かう。
全くもう、大成さんのせいで一時間は遅くなっちゃったじゃないですか!
そんな小言をまくしたてる通訳さんに、
それがジョークだったことも言えず、ましてやお腹が空いていることも、
まさかビールが飲みたいなんて言えるはずもなく会場へ向かう。
結局、何もお腹に入れないままチェックインとなってしまった。
通訳さんはガシガシと大股で別の部屋へと向かい、僕はフロントからすこし離れた個別の部屋へとポーターさんと向かう。
道すがら、コンビニはあるか?ビールはあるか?と話しかけると、コンビニは明日の朝に開く、と謎の答え。
コンビニなのに?と、少しだけ思うけど、まぁいいか。
ビールはそこの自動販売機にあるよ、と教えてくれた。
しょうがない。食べ物は諦めてビールで腹を満たそう。
その自動販売機は、昔の観光地にあったような購入したい商品の番号を押してお金を入れると、
商品が押し出されて取り出し口に落ちてくる、ちょっとレトロな感じの販売機。
その販売機、1メートル50センチはあろうかという、中段くらいにあるビール。
いや、この高さから落としたら泡立たないかと心配になるが、とりあえず買ってみる。
グーっと後ろから押し出されたビールは見事に1メートルほど落下して、景気の良い音をたてた。
なんとなく想像はしていたけどあまりにもその通りで、開けた瞬間の泡立ちを考えると少し悲しくなってしまった。
この先に部屋はあるよ、と中途半端なサービスのポーターさんが教えてくれた真っ暗な廊下を進む。
部屋に入ると何故か10畳ほどの部屋が二つ。手前の部屋にはドカンと麻雀卓が置かれ、奥の部屋にはセミダブルほどのベッドが置かれていた。
長い旅で疲れてはいたが、シャワーも浴びたいしやらねばならないこともある。
素っ裸になって、たった三日分しか持ってきていない着替えの洗濯を済ませると、そのままシャワーを浴びた。
どこを探しても無いシャンプーをあきらめて、洗濯に使った石鹸で頭を洗う。
ゴシゴシと、いつまでも泡立たない石鹸を頭にこすりつけて洗った。
きっとビールは泡だらけなのに、と少し腹立たしく思いながら(笑)
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