外食
買い物が味気なくなったと言われます。
昔は、食材ごとの専門店が立ち並ぶ商店街があって、お店の人とやりとりしながら…というのが「買い物」でしたが、最近はスーパーへ行ってたくさんのものが並ぶ中から好きなものを選んで籠に入れ、レジでお金を払うだけ。
なんでも一箇所で揃って便利と言えば便利ですが、始まりから終わりまで、うまくやれば(下手すれば?)一言も発しなくても完結します。
外食も、どんどんある意味便利に、ある意味味気なくなってきている気がします。
ある日の回転寿司に行きました。お店は大混雑なのに、とても静かで、活気があるかと言われたら決してそうは言えません。
来店の時の「いらっしゃいませ」の声掛けは元気なのですが、あとはお客さんは手元のタッチパネルで注文し、運んだ時に「マグロです」、「ハマチです」と説明の言葉が発せられるのみ。お会計のためのお皿の勘定、会計…お店側とお客さんの交わす言葉はわずかです。
お客さん同士の会話以外は余りない、となると活気というには…だったのです。
それに、流れているものもわずか…立派な回転レーンがあるものの、流れているのは寿司の説明の写真と、おしんこやジュース、デザートなどの寿司以外の乾きにくいものばかりで、寿司自体は少ないのです。となると、ここから取ろうという気がまずしません。飾りにしては高いな~などと思ってしまいました
寿司やと言えば、カウンターでのおやじさんとの会話が楽しみ。というのは上級者向けですが、回転寿司でもその昔は「マグロお願いします」などと握って欲しいものをお願いする声や、何が売り切れたといった掛け声なども聞こえたものでした。
それが全てなくなるというのは、ちょっと味気ないかもしれません。確かに、内気な人でも好きなものが食べたいものがお願いできますし、握りたてが来ますし…使う側としてはいいことずくめなのでしょうが。
家のご飯では味わえないものを求めてひとは外食をします。求めるのはもちろん「プロの作った料理」ではありますが、「賑やかさ」もそのひとつなのではないでしょうか。
全自動で席への誘導から、注文、会計まで全てやることは可能かもしれません、が…それをしないのには防犯や品質管理だけではない理由があるような…