AZUR et MASA UEKI
Sさんのお誘いで、西麻布に3月1日にオープンしたばかりの「AZUR et MASA UEKI」へ。
マダムとちょっとしたご縁がありまして…そんなこんなで植木シェフが銀座に出していらしたお店にも2度ほどお邪魔したことがあったのです。開店早々に伺える機会に恵まれて、訪問前日からハイテンション
Wine Spectrumの2016年ベストワインメーカーに選出され、世界から最も注目を浴びているワインメーカーのひとりジュリアン・フェイヤード氏のワイナリー「AZUR WINES」のカリフォルニアワインとのコラボレーション、アルコールはそれほど量を欲しない私ですが、この日ばかりは過ごしてしまいそう~
お料理は月替わりのおすすめコースが2種類のみ、入荷する素材とシェフの感性で出来上がるということなのでしょうね。楽しみです~
素敵な外観に、うっとり実は10分ほど遅刻をしてしまっていたのですが、がっちり外観写真をとらせていただいてから入店です
外だけではなく、中もかなりハイセンス
ワインに囲まれた…ここはウェイティングスペース。カーブをイメージして作られたのだそうです。
白ワイン、薄目のピンクのロゼワインが一面に配され、温かな色の照明の中でキラキラ輝いていました。
ここで同行者を待っていたら、どのワインにしようか、これはどんなワインなんだろうかとワクワクして待たされているのも忘れられそう
ダイニングの真ん中には暖炉、お店全体から感じる温かさの象徴のような存在でした
シンプルモダンは見せ方によっては緊張感を与えてしまうけれど…
メインダイニングだけでなく、個室も含めて全てのお部屋に共通して感じたのは「居心地良さそう」という親近感。
個室の中には、エントランスを通らずに入れる“お忍び部屋”も用意されていました。西麻布という立地ならではの心遣いですね
ワインはお料理に合わせて少しずついろいろなものをいただく形でお任せし、食事スタートです
テーブルの上のキャンドルが幻想的な雰囲気…落ち着いて美味しいものを楽しめそうと期待に胸が膨らませながら最初はスパークリングで乾杯
「幸いなる出会い」と名付けられたアミューズ、
これも、飾りではありません。ワインのブドウの木の枝に、ミニサイズのトマトの中にラタトゥイユを詰めたものを飴で張り付けてあるのです。
ワイナリーとのコラボレーションを意識した一品、植木シェフの感性ってやっぱり素敵!と、しょっぱなから心鷲掴みです
単品のアップ、マグロの上には冷凍した卵黄です。
ブドウの木から“収穫した”トマト、飴の甘味とトマトの酸味、ラタトゥイユの塩味…一口でぱくりと口に入れてしまったのが惜しまれるような見た目にも食後感も面白い一品。この後引き感が次への期待を大きくします
ワイナリーの写真をiPadで見せていただいていると、能登115という肉厚で大きなシイタケを利用したお料理。
ワインはSOLACEという白ワインへ。
シェフの出身地が近いということで石川県の食材、そして食材を仕入れている農家さんなどとのネットワークから知った福岡の糸島にあるミツル醬油のパウダーを散らしています。
こだわり満載!シンプルなお皿ですが、華やかなアミューズに負けないインパクトがありました。
5味が一度に味わえる「甘美なる憂鬱」と名付けられたスペシャリテです
このお料理に合わせていただいたのは、Julian Fayard氏のロゼワイン。
いよかん→キャラメリゼしたフォアグラ→そば粉のチュイル→オマールエビの出汁をきかせたショコラシャンテイ(チョコレートムース)、それに車エビが一匹まるごと添えられています。
意外な組み合わせなのですが、と前置きして説明して下さいましたが、本当に意外!でもこれがまた…全てを少しでもいいので一遍に口に入れるのが肝要なのですが、ごちゃまぜになったようでいてひとつひとつの味わいが際立ち、これが甘味なんだな、これが塩味なんだなと実感できるのです。
全体の印象を述べるなら、唯一無二。いままでどこでも味わったことがない、と最初は思い、そして記憶に深く焼き付いて、ふとした時に「あれがまた食べたい」と思わされる印象深いお料理です。
お次は天竜川の稚鮎のフリットに、シャンパンブルーベリーソース。ドライアイスは天竜川の朝焼けをイメージして添えられたのだとか…ふきのとうが川べりに芽吹く、早春の天竜川。靄のかかった川面。そんな風景が思い浮かぶ温前菜でした。
お魚料理の前に、シェフからのサービスでマッシュルームのスープをいただきました。
心にしみる深い味わいこの液体が胃に落ちるまでの間、五感の全てをここに使いたいと思わされました。
派手さは皆無なので、私の腕では素敵な写真に出来ず…申し訳ないくらい味わい深いスープでした
パティエ特製の、自家製ブリオッシュ。登場の仕方が…可愛い、可愛い過ぎる
これにボルディエの海藻バターを添えていただきます。
お口直しのジュレ、能登の湧き水とアジュール(ワイン)に柚子で風味付けをしたものです。
全てのお料理を、ワインが引き立ててくれていることに加えてこういうコラボも入れてくるところがさすが…出だしのブドウの木に引き続き、心憎い一品です。
メイン料理前に、直筆メッセージ。運ばれてきたのはイノシシの藁焼き。
お肉の周りにはイノシシが食べている自然薯、タケノコ、そして山菜。イノシシが駆け回る野山を思い描いてこうした構成にされたとか…天竜川の稚鮎に続き、情景の浮かぶお料理です。
デザートでもその高揚感は続きます。
あまおう、とちおとめ、2種類のイチゴを使った1品目。爽やかに口をリセットしてくれます。
名残のレモングラスを主体としたハーブティーに
山中浩平シェフパティシエ、植木シェフが信頼しているだけあって、お料理に負けない個性的なデザートを出してくださいますね!
プティフール、なんと贅沢な最後まで期待以上、嬉しい裏切りの連続です
お裁縫箱自体がとても貴重なものだとか…すみません、そのあたり余りに興奮していたのでメモが出来ませんでした。えぇ、これを目の前にメモは無理ですとも、何か問題でも?!
敷き詰められているのはアーモンド、平らげていくお客様もいるとのことでしたが…まぁ、ジョークですよね
桜のマカロンをいただいたら…
アタリが出ました~
次回食後酒サービスなのだそうです、実物持って帰ってこなかったけど大丈夫かな⁈(←庶民)
食べ終わって数日が経った今、あの時間を思い出してまず第一に浮かぶのが「自然」という言葉です。
ワインとの組み合わせも「自然」。まずそのワイン自体、AZURのワインは「自然」を意識して作られたものですが、どのお料理に添えられたワインもより一層味わいを深めてくれるようなものでした。AZURと提携しつつも、それだけにこだわらず、料理にあうラインナップを心掛けていらっしゃるところも好印象でした
そしてあの雰囲気、居心地の良さとひと口で片づけてしまっては申し訳のないくらい「自然」体でいられる寛ぎ空間でした
私たちを寛がせてくれるのと同時に、シェフご自身も「自然」体であったように感じました。感性の赴くままに、表現したい世界観を料理という手段で作り上げている、そんな印象です。
だからかな、気付いたらあっという間に4時間も経過していて終電を気にしつつの帰途になったのは
オトナの社交場として、人気が高まりそうな予感…この日も週の初めにも関わらずかなりの賑わいだったので、気になった方はいまのうちに是非。(回し者か?!)
Sさん、お誘いありがとうございました。素晴らしいお料理とワインを味わえたとともに、マダムにも久し振りにお会いできて嬉しかったです
ご馳走様でした~
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする