【後編の後編の前編】23歳の必然
☆ 後編の中編
退職をしたい3ヶ月前になったので、職場の一番上に退職届を持っていきました。
僕、フリーランスになります。
「花村君、キミは本当に頭が良くないね」
そうですね。
僕は『会社』では、本当にダメなやつだと思います・・・
「何処へ行っても同じだよ、キミみたいな子を雇ってくれるところは無いし、また就職したいって言っても、キミみたいな子は難しいぞ」
そこから、僕が辞める噂はすぐに広まり、後輩2人から「花村さん、頑張ってください!」って言ってもらえました。
しかし、翌日・・・
僕がトイレ(大)の個室に入っているとき、トイレ(小)に来た後輩2人。
「花村さん、ありゃ、泣いて帰ってくるだろうね」
「いっつも上から怒られているのに、上手くいくわけないだろ」
僕が倉庫で在庫チェックをしているとき、その横にある喫煙所から先輩2人の声が聞こえました・・・
「あいつ、新入社員のころ、自律神経がやられて、精神薬を飲んでたそうっすよ」
「だから、ちょっとおかしいのか」
そして、いつも生意気な後輩から、
「花村さんっていつも中途半端じゃないですか?フリーになる覚悟とか本当は無いんでしょ?」
僕は・・・
自分の机の引き出しから、スイミングの子どもたちと撮った大切な写真を出しました。
そして、後輩の目の前で・・・
ビ リ ッ ! ビ リ ッ !
十字に破きました。
これ、捨てといてくれるかな?
「あ・・・はい・・・すみません・・・」
問題ないよ。ありがとう。
僕は自分の震える手を後ろに隠しながら、吹っ切れた何かに気づき・・・
ああ、そうか、もう戻れないんだ。
と、そこではじめて覚悟が決まったのだと思います。
つづく
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