スペインと日本の違い
前回のブログでバルサの下部組織の試合を観に行っている事について書いたけど今回は僕が感じる日本とスペインの高校生年代での違いについて書こうと思う。
前回書いたようにスペインにはトップクラスの選手達がいる。
日本にもいないわけでは無いが、その数を比べるとやはり日本はまだ少ない。
しかし、それ以外において実力の差が大きくあるかというとその差はほとんど感じない。
日本にも良いサッカーをするユースのチームはすごく増えている。
チームのサッカーレベルでいったらほとんど差はない。
ただ、スペインのユースやJrユースの試合を見ていて日本と違いを感じる事は試合のリズムだったり、激しさ、そして選手が勝とうとする全面的な姿勢の部分だ。
まず、試合のリズムが違う。それはやはり試合の激しさや、アグレッシブな事が関連している。
もちろん、こっちは9月にシーズンが始まったばかりでどのチームも勝ち点差がそこまで開いていないしシーズン開幕のやる気に満ち溢れているのもあるが、勝利に対する貪欲さを全面に出している。
街クラブでもプロクラブと引きを取らない戦いをするレベルを持ったチームもあるし、それが対バルサになれば金星をねらって必死に戦う。
一つ一つのリーグ戦に重みを持って全てを出しきろうという姿勢がスペインのクラブからは感じられる。
そして環境。
ユースの試合でも観客が入り、ヤジを飛ばす。
自然と選手たちは試合のプレッシャーの中で戦う雰囲気にもなっている。
ただ、こういった激しさ、勝利に対する気持ちを日本の選手が持っていないと言いたいわけではない。
私が一番感じるのは自然とそういった環境にならない所に置かれているということ。
まず激しさに関して影響が大きいのは審判の笛の吹き方にある。
スペイン、ヨーロッパのサッカーはコンタクトが許されるが、日本では簡単なチャージでも笛を吹いてしまう。
その流れから自然と激しいプレーを選手達が出来なくなってしまっている。
そして笛を吹く回数が多い事により、流れも止まってしまう。
勝利に対する気持ちに関しては、勝つ事よりも育成にこだわりすぎる事により、負けている展開でも自分達のスタイルを変えて勝利を勝ち取りに行くのが見られない気がする。
自分達のフィロソフィーを持つ事はもちろん大切だが、勝つ事も育成の一部だと言う事を忘れてはいけない。
日本の監督を見ていると、負けている展開でベンチから大声で指示を出し、選手を鼓舞する監督を見かけることは少ない。
更に、指示を出し戦い方を変えて勝利を狙いに行く展開を見る事も少ない。
チームの先導に立ち、到達地点に導くのが指導者の務めだ。
監督が全身から勝ちに行く姿勢を選手に見せれば選手は自然とその方向に向かって行く。
将来選手達がプロになった時に求められる全ては結果 だ。
だから、育成年代から選手に勝ち方を身に付けさせるのも育成年代の指導者の仕事。勝利も育成の一部である事は忘れてはいけない。
もちろん勝ちだけにこだわってはいけないが、試合の流れによってはスタイルを変える事が必要だと私は感じる。
決してスペインとの違いが日本の審判、監督が悪いからと否定しているわけではない事は理解して欲しい。
あくまでも一つの要因であって、これから時間と共に改善されていくに違いない。
それ以外にも、まだまだ要因はある。
例えば、以前書いたクラブユースの様な大会の日程や試合時間にしてもそうだ。
この様な問題は今すぐに変えれる事ではないし、これから時間と共に改善されていくに違いない。
そう言った、環境になった時、日本からは更に世界に通用する選手が今以上に出てくるし、日本のサッカーが世界と肩を並べて戦える国になってくるはずだと確信を持っている。
日本というのはそれだけの可能性を秘めた国だからね。
