「世界のタレント達」
ここ3ヶ月の間にスペイン、日本、アルゼンチンに滞在し各国の16歳~19歳までの選手たちの試合を100試合以上見てきた。
バルサ、レアルマドリッド、エスパニョール、柏レイソル、京都サンガ、ヴィッセル神戸、ボカジュニオル、リーベルプレート、エストゥディアンテス等のプロクラブの試合を観てきた。
日本にいる時に常に聞かれる質問は「日本とスペインの育成年代の違いは何か?」
前回のブログにも書いたし、何度も言ってきている答えだけど、本当に思っている以上に違いは無い。
日本とスペインの違いが無いと言っているのでは無くて、日本と世界の違いが無いと言いたい。
まず、どの国のプロクラブにもサッカーが十分に出来て選手を育てられる環境がある。
質の良いグランド、快適に生活が出来る寮、そして良い指導者達がいて選手を育てる準備が出来ている。
世界のサッカーを引っ張っているバルサ、スペイン代表、ボカジュニオル、レアルマドリッドと言ったクラブのフィロソフィーの影響を受けて、世界のほとんどのチームが似たようなフィロソフィーのサッカーを展開している。
ボールを自分達で大事に保持し、後方でしっかりと作りながら落ち着いて攻撃をしかけるポゼッションサッカー。
世界の育成年代にはこの様な共通点があるのに、果たして違いはどこにあるのだろうか?
違いはタレントの数と、トップチームに上がるスピードの違いにある。
日本にもタレントはいるが、その数は他に比べると少ない。
例えば、日本でもタレントと言える選手は毎年1人は出ている。
2シーズン前にガンバのトップチームで主力となった宇佐美。
チームのスタメンで10番を着けるマリノスの小野裕二。
来年は今年ユースで活躍したヴィッセル神戸の松村亮もトップチームで頭角を表せれるだろう。
これは日本からもタレントが生まれている事を証明している。
しかし、この例をスペインで例えればこの2倍の数の選手の名前が挙がってくるだろうし、更にアルゼンチンになれば3倍もしくは4倍 になるだろう。
タレントは強豪国からしか生まれないわけでは無く、世界中のどの国にもいるはずだ。
しかしタレントの数が多いか少ないかはその国のサッカー熱、サッカー文化、更に運よって生まれてくる数は変わってくる。
タレントの数だけで見ればスペインよりもアルゼンチンの方がタレントの数は多かった。
タレントの数を増やそうと思っても増やせるわけではない。
日本でもこれからサッカー人口が増えればもちろん、増える可能性は多いだろう。
トップチームに上がるスピードの違いというのは、定着させると言う事。
日本はここで全てを失っている気がしてならない。
このポイントに置いては世界と劣っているし、出てきているタレントを育てきれていない。
才能ある若手の選手をトップチ ームに上げるのも遅いし、よくあるのはトップチームに上げても、なかなか信頼せずにせっかく上がったのにプレーする機会がほとんどなくその才能を伸ばせず失ってしまう。
トップチームに上がってもただの一員で練習と練習試合だけをこなす・・・それこそせっかく自分達のチームに生まれた金の卵を壊してしまっている。
選手は全力で試合に出て、数をこなしていく事によって成長する。
スペイン、アルゼンチンでは決して起こらない現象だ。
若手の選手をトップチームに上げると言うことは、その選手に賭けて使うから上げる。
使えないならば、上げるべきではない!!!!
今週から日本に行くから、また皆に会えるのを楽しみにしてるよ!