飢餓感
こんばんは。池田です。
Twitterにも少し書いたのですが、来週、ちょっとした旅に出ようと思っています。
ふと、昔はよく一人旅したなーと思い出しまして。
ヒッチハイクでどこまでいけるか!みたいな旅とか。
一銭も持たずに出たので、基本は野宿。
その内大嵐に見舞われ、どうしようもなくなって、見ず知らずの御宅のインターホンを鳴らす。
「すいません、今晩泊めてもらえませんか?雨風が凌げればそれでいいので」
有難くも、快く招き入れて下さり、更には食事をご馳走になり、お風呂を頂き、ふかふかの布団まで用意して頂きました。
雨風が凌げる事、布団がある事、人と話す事、当たり前のように思っていた事に感動し、暖かい気持ちになり、布団の中でちょっと泣きました。
そんな出逢いの助けもあり、また翌朝に、ありがとうございましたと旅に出る。
その先に、とんでもない程美しい景色や、感動に出会えたり。
あの時の経験は、今の自分にとって凄く大切な思い出になっています。
最近は、有難い事に色んなお仕事をさせて頂き、あの頃には無かった沢山の出会いや、感動を経験しています。
プライベートでももちろん、実に充実した毎日を過ごして。
だけど。
何だか最近、あの頃の気持ちを忘れてしまっているのではないか。と。
前も見えず、右も左も分からず、何に心を燃やせばいいのかも分からず。
只々、がむしゃらに踠いて踠いて、ここから抜け出さなければと暴れ、しかし、抜け出したい”ここ”が何なのかも知らず、抜け出した先に何があるのかも分からない。
でも、それでも、何かと戦ってたような。
あのどうしようもない飢餓感や闘志が、今の自分には欠けているように感じました。
だから、すんでの所でうまく歯車が噛み合わない。
あと指先一ミリの踏ん張りがきかない。そんなように思うのです。
これではダメだ。もっともっと鋭く研ぎ澄まさないと。守りに入ったらお終いだ。
極限までギリギリに研ぎ澄まして、鋭く、鋭く、もっと。
その上で、あの頃知らなかった、思いもよらなかった知識を与えてやる。
鋭く研ぎ澄まされていて、鋭利で、だけど優しく。丸い。矛盾しているようで、しかし理想的。
そんな強みがいま欲しい。
だから今回の旅は、癒しとか、リラックスとか、リフレッシュとか、そんなんじゃなくて、もっとガツンと自分の頭を殴るような数日を過ごしたいと思っています。
たかだか数日で何が変わるのかは分からないけれども、だとしても、何かを求める衝動のような物が、今の自分には必要だと思い。
11月の舞台、ベイビーさんでは、きっとそんなギリギリの所で踏ん張れる力が必要だと思っていて。
沢山、我慢しなければいけないだろうな、とも思います。
だけど、どれだけ自分が自分を捨てられるか、守りに入らないかで、作品に厚みや、丸み、鋭さを持たせる事が出来るのでは。と感じました。
初心を思い出し、かつ新たな経験値を踏まえ、今までの自分に出来なかった表現をお見せ出来れば、と思っています。
それほど、この作品には魅力があり、伝えたい事が沢山あるのです。
まだ少し先にはなりますが、表現者としての新たな一面を目指し、日々努力して行きますので、是非、楽しみにして頂ければ、と思います。
行こうか、行くまいか、悩んでいる方がいらっしゃいましたら、この機会に是非とも一歩前へ踏み出して頂ければ、嬉しく思います。
これから先も、一人の役者として精進して行きますが、この作品がまた新たなスタートと言えるよう、惜しみなく努力して参ります。
まずは今日を、明日を、全力で過ごす事を目標に。
頑張ります。
ベイビーさん〜あるいは笑う曲馬団について
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