某有名ブラック企業に就職して新人研修合宿に行った話10
研修用ビデオが終わりました。
軍曹「よーし、じゃあ、ビデオはここまでで
次は俺からこの会社の経営理念とか、そういったところを
教えてくから、ホワイトボード見て」
ノートを開きます。
軍曹「先ほどのビデオにもあった通り、我が社は
営業会社であるから、まず第一に――」
～一時間後～
軍曹「――というわけだから、まずは『成果主義』
社訓の『我々は結果のみを評価します』に繋がる…わけ……」
バン！！！！
また軍曹が机を殴りました。
薫「？！（今度はなんだよ）」
軍曹「おい、キミ。二列目のキミだよ」
今度差されたのは、メモを取って
真面目に聴いていた、気の弱そうな男性でした。
男性「は、はい……」
軍曹「……いま、何してた？」
男性「あ、えっと、メ、メモを、とっていました……」
軍曹「メモぉ？！ あのさあ！
いまこっちが説明してんだよ！
メモなんか取ってたら注意が分散すんだろーがよ！！」
男性「は、はい……！」
教官「聞くときゃ集中して聞けよ！！
メモなんか後で取りゃいいんだからさあ！？」
いや、ベッキーが
ノートとペン持ってこいって言ったんじゃん
このときボクらは、最初に軍曹の言った、
『いま自分が何を学ぶことを要求されているのか、その真意を考えろ』
と言った意味を、ようやく理解し始めました。
つまり、
『いまから理不尽なことでお前らを弾圧するから、仕事なので耐えろ』
という意味だったのです。
薫（絶対当てられたくねぇ……）
ボクは軍曹から
目を離さないようにしました。
もし、何らかの隙を見せれば
皆の前で要らぬ叱責を受けることとなります。
薫（ええっと、さっき軍曹が怒ったのは……）
薫（下を向かない……）
薫（話してるときはメモを取らない……）
バン！！！！
再び軍曹が大きく机を叩きました。
薫（ええっ？！ また？？？？？）
軍曹「おい、キミィ！！」
軍曹が指したところを見ると、
少し小太りの女性が座っていました。
薫（え？ あの子なんかしたか？）
軍曹がその女の子に詰め寄ります。
軍曹「……キミさぁ、眠いの？」
女の子「い、いえ、眠くないです」
軍曹「じゃあさ、もっとしっかり目開けててくれる？！」
軍曹「キミさぁ、寝てるか起きてるかわかんないんだよ！」
軍曹「キミの顔見てると、こっちまで眠くなってくるからさ！！」
( ﾟдﾟ )
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