ゲイビデオモデルからAV女優になった話15
→ゲイビデオモデルからAV女優になった話14
まあ、しかし、それも
そうといえばそうなんですけどね。
初デビュー作というわけでもないし、
女装のクオリティもまだまだだし、
可能性を感じられなかったんでしょう。
で、なんの音沙汰もないまま、
マッサージ店でバイトする日々が
続きます。
僕(でも、なにか活動しないと)
そう思って、自分で仕事見つけて
大阪で芸人さんとかが出る
ちっちゃい舞台で一緒になって大喜利とか
やったりしてました。(なぜ?)
~AV豆知識~
事務所の契約状況は女優さんによって様々。
僕は「自分でとってくる仕事は自分で管理」
「事務所でとってくる仕事は事務所を通して」
という感じだったので1人で動き回れました。
AVメーカーは基本会社としか契約を結ばないので、
フリーで自ら営業してAV出る女優はほぼいません。
(※自分の知り合いに1人いるけど、
その子は会社起こしてやっている)
ちなみにその売れてない時期、一緒に
舞台上がっていた素人さんがいま東京で
ジャンプ作家になってたりもします。
(人生ってわからないねー)
で、SNS等の更新も
かかしてなかったのですが、
ある日こんなことを思い付きます。
僕(そういや、いっつもSNSの
写メって服来て顔のアップとかよく
写してたけど、ぶっちゃけ僕男だから
上半身裸でも問題なくない?)
そんな発想で上半身を脱いだ
写真をツイッターに載せたのです。
それがこちら。
そしたら、これが
顔と身体のギャップがすごいとか
なんとかでバスりまして……。
で、バズったことを電話で
酒井さんに報告したんですよね。
酒井「いいですね。この話題で
もっかい営業かけてみますよ」
といわれて、待つこと一時間くらいで
酒井「撮影決まりました」
と、報告がきたんですねー。
~AV豆知識~
本来あまり良い言葉ではありませんが、
「鳴り物入り」って
聞いたことあるでしょうか?
AVはこの鳴り物入りが
非常に多いです。
たとえば「元芸能人!がAV出演」とか
「元スチュワーデス!が初AV!」とか
聞くじゃないですか? ああいうのが
結構面談の印象で重要らしいですね。
なにも鳴り物がない女の子なら、
メーカーがお金と時間をかけて
作ることもあります。
業界の闇になるんで全部は書きませんが、
一度聞いた「鳴り物作り」ですごいなと
思ったのは、「一年間アダルトショップで
アルバイトとしてAV事務所の女の子を
働かせて、客の間で有名になったころに
『街のあの子がAVデビュー!』って
タイトルで一本撮った」って話ですかね。
僕(バズったから僕も
「ツイッターで話題のあの子」って
鳴り物ができたわけか……)
結果、面談を受けてから
3~4ヶ月経ったあと、落ちた
3社全部から敗者復活合格しました。
そして、やってくるのです……。
初の一般AV撮影デビューが。
酒井さんに連れられて、早朝7時に
東京の初台の現場に連れていかれます。
酒井「薫ちゃんは大阪から来てるから
旅費とかを短縮するために、一週間で
次の面談と撮影まで全部こなすからね」
僕(ハ、ハード……)
※ここでハイパー愚痴タイムなんですが、
事務所は交通費しか出してくんなかったんですよ。
ホテル代とかは撮影のギャラとかから、僕が
自腹切って泊ってました。
出れるだけマシだーのハングリー精神でしたが、
まあ、僕も下手に出てしまっていたなと後悔。
スタジオの分厚い扉を
酒井さんが開きます。
酒井「おはようございまーす!」ガチャ
スタッフ全員「おはようございまーす!」
僕(す、すごい人数……!20人くらいいる……!)
~AV豆知識~
スタッフの人数は現場によって様々ですが、
大きい会社だと大体10~20人くらい
いたりします。
内訳はADが何人かと、カメラマン、
メイクさん(女優の数に応じて)、
音声さん、エキストラ(必要ならば)、
照明さん、監督、プロデューサーなどです。
ゲイビデオしかしらない僕は
エロビデオを作るのに、これだけの
スタッフがいることに感動しました。
酒井「じゃ、大島ちゃんがんばって!」ダッ
僕(え?! マネージャー帰るの?)
~AV豆知識~
AV事務所はどこも少ない
マネージャーの数で女優の
管理をしているので、大体現場には
入れ込みだけして、別の女の子を
また別の現場に送ったりするので、
ずっとその場にはいません。
帰り送ってく事務所もありますが、
うちは入りだけで、帰りの迎えは
ありませんでしたし、そういう
事務所のほうが多い気がします。
なぜなら現場から
帰らない女優はいないけど、
現場に来ない女優はいるから
(ちょっと闇)
円山「あ、どうも。薫ちゃん、
髪の毛伸びたね、そっちのほうがいいよ」
大島「おはようございます!
え、あ……ありがとうございます!」ペコ
円山「うんうん、ちゃんとすっぴんで
来てくれたね。じゃあ、メイクさんとこ
案内するね」
大島(メイクさん……!)
~メイク室~
メイク担当「あ、おはようございまーす」
僕「お、おはようございます……」
メイク担当「では、こちら座ってくださーい」
僕(プ、プロのメイクさん……!)ワクワク
~AV豆知識~
AV現場のメイクさんと、たとえば
テレビ局のメイクさんに違いは
ありません。どちらも美容学校等を
出ていたり、師匠に弟子入りしたり
しています。
なんなら、AVも芸能人のメイクも
両方やってる人だっています。
(人によっては絶対にAV現場は
入らないという人もいますが……)
やはりメイクさんは女性が多く、
男性のメイクさんは珍しいです。
(男性はオネェの人もやっぱ多い)
~2時間後~
メイクさん「はーい、完成でーす」
僕(プロってすごい……!)
円山「お、メイク終わったねー。
じゃあ、パッケージ写真撮るから
こっち来てー」
僕「は、はいっ!」
カメラマン「よろしくねー!」
円山「で、こんな感じのポーズと
こんな感じのポーズの三種類くらい
撮りたいんだけど……」
といって、円山さんが
スマホで見せてくれたのは
同人誌の表紙でした。
~AV豆知識~
AVのパッケージも本の表紙も
縦長の構図で文字が入ってるので、
パロディーとかでもなく、同人誌とか
エロマンガの画像見せられて、
ポーズ指定されることはよくありました。
人間と絵なので、
まったく同じには
ならないですけどね。
AVも同人誌も見る人は
「あれ? このAVあの表紙に似てる!」
って気づくものもあるかもしれませんね。
僕(えっと、こうしてスカートをめくって
勃起したおちんちんを突き出す感じで……)
カメラマン「勃起は仕込みにする?」
僕「あ、大丈夫です。すぐに勃たせます」
円山「すぐに……?」
~十秒後~
僕「はい、大丈夫です」ジャキーン
カメラマン「え……」
円山「え……」
~AV豆知識~
男の娘モノ、ニューハーフモノでは
勃起したおちんちんが写ってる
パッケージ写真が多いです。
まあ、それが見たい人が
買いますからね。
僕は自力で勃たせてましたが、
女性ホルモンなどで勃起が弱い
ニューハーフさんなどは、
ディルドーを付ける場合もあります。
どのみちモザイクの下では
わかりませんからね。
僕がわざわざ本当に勃たせていたのは、
ただの意地です。
とはいえ……。
~30分経過~
カメラマン「はーい、いいね、
かわいいよー。もっと口角あげてー。
いいね、セクシー」パシャ、パシャ
僕「……」←ポーズ中
~1時間経過~
カメラマン「どうですか?」
円山「うんうん、いいんだけど、
ちょっともう少しあおり気味でも
抑えといて」
僕「……」←ポーズ中
2時間勃起維持
~AV豆知識~
これは男の娘モノに限らず、
AVのパケ撮りは2時間くらいは
余裕でやります。
どんだけ中身をしっかり作っても、
買う人はパッケージの表しか
見てないことが多く、むしろ
パッケージが全てみたいなとこあります。
円山さんはプロデューサーなのですが、
プロデューサーは作品の売れ行きの責任を
担ってるので、パケ撮影には必ず参加します。
そのあと本編は監督に任せて
帰る人も多いですね。
円山「うん、大体撮れてるね。
薫ちゃんお疲れ様」
僕「ふぅ……おつかれさまです」
円山「じゃあ、次は本編の撮影ね。
監督紹介するよ」
んー、これは名前伏せますが、
このとき監督をしたのはS1など
新人AV女優を綺麗に撮ることで有名な
元男優でもあるSさんでした。
円山「女優さん入られまーす!」
スタッフA「女優さん入られまーす」
スタッフB「女優さん入られまーす」
僕(女優……えへへ///)テレ
S「どうも、よろしくー」
僕「はい、よろしくお願いいたします」
S「さっそく質問があるんだけど……」
僕「?」
僕「え、あはは……じゃあ、
超かわいくで……」
S「オーケー。『超かわいく』入りまーす」
スタッフA「超かわいく入りまーす」
スタッフB「超かわいく入りまーす」
……。
はい
僕(あはは……たぶん毎回いってんだろうな)
S「さて、じゃあ、
撮っていこうかな。
男優さんもう来てる?」
スタッフA「来てまーす」
僕「今日の男優さん誰ですか?」
S「ん? ああ……」
S「森林原人くんだよ」
出た
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