ゲイビデオモデルからAV女優になった話28
→ゲイビデオモデルからAV女優になった話27
専属前には他にも
こんな企画がありました。
AVのクラウドファンディング
こちらはAVメーカーさんから
話をもらったんですが、
僕プロデュースのAVを撮るという
企画でした。
※この回は僕の印象が下がろうが
どうなろうが構わないので、裏話を
ガンガンしていきます。
なので、監督名は伏せさせていただき、
女優さんについても、引退された方なので
イニシャルのみとさせていただきます。
本気で調べればネットなので出てきますが、
コメント欄などに女優さんや監督さんの名前を
書いた場合は承認をしないのでお願いします。
さて、色々な撮影がある中で、
ある日マネージャーから
面談に向かう電車でこう言われました。
酒井「今度の作品は
クラウドファンディングでやるんですよ」
僕「くらう……なんですか?」
※この当時は僕に限らず、
クラウドファンディングについて
世間的にもそこまで認知されていませんでした。
しかも、いまでこそ当たり前になりましたが、
クラファンは新し過ぎて、商取引法に
引っかかるんじゃないか疑惑もあり、
ちょっと胡散臭い扱いをされていたんですね。
それなのにAV業界がいち早くクラファンサイトを
立ち上げたのは、以前のパチンコの宣伝と同じく、
元々グレーな業界だから、変な話グレーなものを
利用しても印象が悪くならないということにありました。
酒井「支援者からお金を集めて、企画が成立したら
撮影をして、金額に応じたリターンを返すんです」
酒井「AVの場合は大体DVDを送るとかですかね。
まあ、いわば予約販売みたいなもんですよ」
僕「なるほどー」
そして、面談をする会社に到着しました。
ライター「……で、サイトのほうの文章は
私が基本的に中心になってやりますので……」
僕「ははあ……」
ライター「クラウドファンディングは
やはり、立案者の熱意が大事なので
大島さんの発信力なら
すぐ資金は集まりますよ」
僕(『立案者』って僕のことか……?)
ライター「で、彼が監督を
務めるWさんなんですが……」
ライター「熟女との共演も問題ないですよね?」
僕「は、はい……
(ん? 僕が立案者なのに、
企画も監督も僕が選べないのか……?)」
マネージャーを見ても、
ニコニコしているだけで何の補足もありません。
ライター「では、後日サイトで掲載しますので、
是非その際はSNS等でご宣伝を」
僕「わ、わかりました……」
と、まったく要領を得ないまま、
その日は帰ることになったのです。
~後日~
大阪の自宅にて。
Prrrrr…..
ガチャ
僕「はい、もしもし」
酒井「あ、大島さん、お疲れさまッス。
先日のクラファンのサイト更新されたんで
チャチャッとツイッターで宣伝しといてください」
僕「あ、わかりました。
URLをLINEで送ってください」
しばらくすると、アドレスが送られてきました。
僕(一応、内容見とくか……)
パソコンを立ち上げます。
僕(ええと、どれどれ……
「華麗に変身したボクのち〇ぽが、
攻め上手なお姉さまから……」と……)
僕は思わず叫びました。
そこには僕的に看過できない
言葉が並んでいたからです。
まずサイト上の僕の一人称が
全部「私」で書いてあったこと。
僕「ライターさんが文章書くとは
聞いていたけど、まさか僕が
喋っている体で文章起こすなんて……」
僕「しかも『僕が考えるふたなり物』
って書いてある……」
※前にも書きましたが、
僕は基本的に面談などで必ず
「ニューハーフ」などの文言は書かないように
お願いしていました。
実はいまでこそAVのパッケージに
「男の娘」「女装男子」と書いた物が
普通にありますが、当時はメーカーが
避ける言葉でした。
当時は
「女装男子=レベルの低いニューハーフ」と
見られる傾向があり、AVが売れないと
されていたんですね。
そこを僕はあくまで
男だということをむしろ強調することを
自分のブランディングとしていたんです。
だから、「僕」という一人称にも
こだわりがあったのですが、そこを
監督とライターは「男要素」を
隠した表現にしたかったのでしょう。
僕「ふたなりと男の娘モノは全然
別ジャンルなのに、それすらも
わかってない人が僕の口調で文章
書いてるのか……」
さらにそのサイトでは
「お姉さまに攻められる」と
もうすでにKさんという
女優さんで決まっている節の
言葉も書いてあるのです。
僕「こんなの
ただ僕の名前を使ってお金集める
よくある企画物AVじゃないか」
僕はマネージャーに文句を
言おうと思い、電話を取りました。
僕「待てよ……」
しかし、そのとき
デビュー前に男優Nさんから
言われた、あの言葉を思い出したのです。
僕「……」
僕はさっきの内容を
マネージャーに伝えました。
酒井「じゃあ、ちょっと
メーカーさんに相談しますね」
僕「お願いします」ピッ
数分後、再度電話がかかってきました。
Prrrrrr…….
僕「はい」ピッ
酒井「えっとぉー、そのー
大島さん的にはアレっすかね?
撮影を辞めて欲しいわけじゃないんスよね?」
僕「はい。ただ内容も企画も全部
僕が考えているように見えているのに
僕の意見がなにも反映されてないのが
嫌なんです」
酒井「ちなみに、女優さんと共演するのも
NGスか? 先方はそこだけは変えて欲しく
ないっていってるんスけど……」
迷いました。
僕「はぁ……そこさえ譲れば
あとは僕が決めていいんですか?」
酒井「そこはー、そのー……
なんといいますか、今度大島ちゃんが
撮影で東京来たときに、改めて打ち合わせを
して、確認しようかなと思いまして、それまでは
一旦企画はストップしておきますんで!」
僕「わかりました……」
と、こんなフワッとした状態で電話は終わり、
話は後日に持ち越しになります。
ちなみにサイトの指摘した文言は
修正され、いまでも見られますが、
「大島さんからご指摘があったため」
という謝罪文が掲載されており、
クラファンなのに本人から指摘が入ったという
ちょっとわけわからないものになっています。
僕「次の東京行きまで……か」
電話を切った僕は1つ作戦を考えていました。
~後日~
事務所にて。
ライター「いやあ……まあ、その……
このたびはなんといいますか、ご迷惑を……」
僕「謝って欲しいとかではないんです。
僕はファンの方々に『僕が作りたいもの』と
いって、丸っきり嘘の作品を撮るために
お金を集めさせられたことが嫌なんです」
ライター「いや、嘘というか……
ねぇ? 監督」
監督「もちろん、大島さんの意見は
聞こうとは思っていたんですけどね……」
僕「聞く前に内容
決まってるじゃないですか!」
ライター「……」
監督「……」
ほんでマネージャーなんも喋らんのな!
※このあたりから
僕はマネージャーに不信感を
抱き始めます。
サイトの件も含めて
「大島薫が事前にちゃんと確認しろよ」と
思った方もいるかもしれませんが、正直
このときはマネージャーを結構信用していて
まさか僕にとってマイナスになる仕事を持って
来るわけはないだろうと思っていたんですね。
というか、イチ女優の若造にここまで
怒られて、ライターさんも監督さんも
気分は良くなかっただろうなとちょっと
申し訳なくも思っています。
監督「あのー……そのぉ……
それで、女優さんとの共演自体は
NGではないんですかね?」
僕「本当はそれも勝手に
決めて欲しくなかったですけどね」
監督「いやー、その、これがナシに
なっちゃうと、女優さんにもすでに
オファーしちゃってますし……」
すでにオファーしているという言葉にも
カチンと来ましたが、たしかにそれで
女優さんの仕事がなくなるのはかわいそうです。
ここで僕のブラック企業時代の
営業スキルが顔を覗かせました。
僕「まぁ……もうサイトにも出てますし、
それさえ呑めば、あとは僕の企画で
やってくれるんですね……?」
監督「ああ、それはもちろん……!」
僕「わかりました……」
ライター「いやー、よかった!」パンッ
ライター「じゃあ、まあ、ね、大島さんも
企画とかやったことないでしょうから、
後日監督さんとマネージャーさんを通じて、
やりとりをしてもらって……」
僕「必要ありません」
ライター「え……?」
このまま監督の意見を挟んだら、
なし崩し的に結局違う作品を
撮られると感じました。
ライター「いや、でも、企画書とかも……」
監督「!!」
ライター「!!」
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