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ゲイビデオモデルからAV女優になった話30

→ゲイビデオモデルからAV女優になった話29

 

 

 

 

1話から読む場合はこちら

 

 

 

 

 

 

というわけで、監督にも

認められて、ある程度は僕の企画で

撮影が進むことに。

 

 

 

 

その間、僕は大阪の自宅に戻り、

数日後またマネージャーから

撮影日詰め詰めのスケジュールをもらい、

再び東京へトンボ帰りとなったのです。

 

 

 

 

その中には当然このクラファンAVの

撮影予定も組まれていました。

 

 

 

 

 

そして当日いつものように

まだ日の昇らない早朝にマネージャーと

待ち合わせて現場へ向かいます。

 

 

 

 

 

その道中マネージャーが

こんなことを言うんです。

 

 

 

 

酒井「あ、大島ちゃん、これ

監督から前届いてた台本ッス」

 

 

 

 

僕(あ、そういえば僕の企画書から

台本書き直すって言ってたな……

まあ、AVの台本だし、いつもみたいに

導入シーンだけとかだろ)

 

 

 

 

酒井「はい、これ台本」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブログ70

 (既視感……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕「……」

 

 

 

 

酒井「いやぁ~、AVでこんな

マジな台本初めて見たッスよ。なんか

本物のドラマみたいでワクワクしますね!」

 

 

 

 

僕「マネージャー……」プルプル…

 

 

 

 

 

酒井「ん?」

 

 

 

 

僕「これ……

いつ届いてました?」プルプル…

 

 

 

 

酒井「3日前ッスよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

はよ言えやぁぁぁぁああ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

……とはいえず、

黙って受け取りました。

 

 

 

いや、よっぽど言いたかったですけど、

大阪-東京間で数日前に届いた台本を

郵送して……って考えるとたしかに

微妙だなとは思ってしまったので。

(とはいえ、データで送るとか

色々あるだろとは思ってる)

 

 

 

 

~AV豆知識~

ここでマネージャーだけに責任を

押し付けるのもアレなので、僕と

マネージャー双方の落ち度を

解説すると、2人とも「AVで

そんなに長い台本があるわけない」と

思い込んでいたことが原因です。

 

前に書いたとおり、AVはセリフや

ストーリーよりセックスの流れを

止めないことを重視するので、基本的に

セリフがあるとしてもセックス前の

シチュエーションまでがほとんど。

 

あとは大体の流れに沿って男優も

女優もアドリブで対応します。

 

ただ今回は僕の企画がかなり

ドラマ仕立てだったからか、セックス中の

セリフもがっつり書いてありました。

 

 

 

 

 

 僕(移動の電車内で

せめていくつかセリフを

頭に入れないと……)

 

 

 

 

 

と、読んだりするものの

そんなにすぐにはセリフは

入ってきません。

 

 

 

 

酒井「おっ、着きましたよー」←のん気

 

 

 

 

僕(くっ……あとは

メイク中とかに読むしかないか)

 

 

 

 

~現場~

 

 

 

僕「おはようございます!」

 

 

 

スタッフ一同「おはようございまーす!」

 

 

 

酒井「じゃ、大島ちゃん、俺

次の女優の入れ込みがあるから!」びゅーん

 

 

 

 

監督「大島さん、おはよう」

 

 

 

僕「あ、監督! おはようございます!」

 

 

 

監督「うん! それで、まあ、撮影前に

色々ありはしたけど、撮影が始まったら

その……一応俺の指示にはしっかり従って

動いてもらいたいんだけど、大丈夫?」

 

 

 

僕(あちゃー……僕この前の打ち合わせ

すごい剣幕だったからなぁ(苦笑)

台本も企画通りだったし、撮影が始まったら

あくまで女優と監督の関係だし、

もちろんここはちゃんと返答しないと)

 

 

 

 

僕「はい! もちろんです!

必要なことはなんでも言ってください!

よろしくお願いします!」

 

 

 

監督「よろしくね!」

 

 

 

 

 

※よく勘違いされる方がいるんですが、

男優Nさんの言葉のように、

「プロとして自分の仕事を選ぶ大切さ」を

僕は大事にしていますが、かといって

受けた仕事については、大前提

「女優である」ということを意識していました。

 

要は「こんな役や設定はやりたくない」と

思っていたとしても、仕事を受けたのであれば

女優として監督の求める映像を提供するのが

仕事という意味です。

 

一見当たり前に見えますが、特に男の娘や

ニューハーフAV女優さんでこれが抜けている人が

多く、まあ、その辺りは別の話で

詳しく書こうと思います。

 

 

 

 

 

~メイクルーム~

 

 

メイクルームに着くと、

すでにKさんもいて、

メイクが始まっていました。

 

 

※繰り返しになりますがKさんは

引退されているので、具体名は書きません。

 

イメージしやすいように、

当時30前半くらいの女優さんだったことだけ

お伝えしておきます。

 

 

 

 

僕「あ、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

K「よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

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僕(今日はメイクさん2人か……豪華だな)

 

 

 

 

 

~AV豆知識~

このように複数の女優さんが出る場合は

メイクさんが2人以上付くこともありますが、

時間を上手く調節して、1人のメイクさんで

2人を順番にメイクする場合もあります。

 

費用を抑えた現場では何人も呼べないのですが、

さすがに3人、4人と女優さんがいる現場だと

1人で回すのは不可能になってくるので……。

 

 

 

 

 

 

メイク「じゃ、メイクしていきますね。

台本に男装シーンがあるって書いてるけど、

メイクはどうする?」

 

 

 

僕(そうか、メイクのイメージも

僕が伝えるんだよな。うーん……

男装って言っても、めちゃくちゃ

シーンによって女装と切り替えるし、

男性がエロ目的で見るわけだから、

男っぽくし過ぎないほうがいいな

 

 

 

僕「一応中性的には見せたいので、

メイクはしてて、髪型とか衣装で

男っぽく見せる感じで…

 

 

 

 

メイク「オッケー。じゃあ、

やっていきまーす」

 

 

 

 

 

僕(よーし、この間に台本を

すこしでも覚えるぞー!)

 

 

 

 

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……無理!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、無理でしたね。

 

 

 

メイクさんってメイク時間が長いと

監督とかから「手際が悪い」と思われたりするので、

僕のせいでメイクの進行を遅らせるわけにも行かず、

メイク中も台本を覚えることはほとんどできませんでした。

 

 

 

 

メイク「はーい、じゃあ、ヘアセットでーす」

 

 

 

 

僕(はぁ……せめて

髪やってもらってる間で

なんとかしよう……)

 

 

 

 

メイク「最初のシーンは女装みたいだから、

髪は普通に梳かしちゃうね」

 

 

 

 

僕「はい」

 

 

 

 

 

 

 しばらくして……

 

 

 

監督「大島さん終わった?」

 

 

 

 

メイク「はい」

 

 

 

 

監督「オッケー。Kさんはまだだよね。

じゃあ、Kさんできる前に、別室で

大島さんのモノローグだけ先撮ろうか」

 

 

 

 

僕「わかりました」

 

 

 

 

 

 

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~AV豆知識~

映像に合わせて心理描写などを女優が語る

モノローグシーンの音は、このように撮ります。

 

映像も撮ってますが、この音だけを

あとで撮る映像に重ねます。

 

映画やドラマでもよく見る光景です。

 

 

 

 

僕(ふぅ……モノローグの音に

映像使わないから、台本読んでいいし、

このシーンはなんとかなったな……)

 

 

 

 

僕(Kさんがメイクしている

いまの内にできるだけ台本を…)

 

 

 

 

 

K「監督、私もメイク終わりましたー」

 

 

 

 

監督「お、じゃあ、2人揃ったし、

最初のシーン撮っちゃおっか」

 

 

 

 

僕(無理かー……)

 

 

 

 

そして、スタジオへ移動。

 

 

 

 

 

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僕(うわ、すごい人。20人以上

スタッフいる現場久しぶりだな……)

 

 

 

 

メイクさんといい、このスタッフの数といい、

クラウドファンディングで集めたお金を

存分に使っているようです。

 

 

 

光を絞り、深夜の保健室を

模したセットの前で監督が

内容を説明します。

 

 

 

 

監督「じゃあ、短いシーンだけど

最初に大島さんが男優にフェラをしていて、

それをKさんが眺めているシーン。Kさんは

まだ顔を映さずに不敵に笑う口元のみが

映るように撮ります」

 

 

 

 

監督「じゃ、フェラのシーンは多少

時間かかるから、インサートで入る

Kさんのパーツ撮影先に済ませよっか」

 

 

 

 

K「わかりましたー」

 

 

 

 

ADさんが床にバミったテープを基準に

Kさんが立ち位置に付き、カメラマンが

Kさんの口元にカメラを近づけます。

 

 

 

 

監督がモニターを見ながら

声を張り上げます。

 

 

 

 

監督「いくよー」

 

 

 

 

 

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なぜかいきなりヨダレを

垂らすKさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「え、いまのなに?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たしかに

 

 

 

 

 

 

 

僕(そんな演出なかったもんな……)

 

 

 

 

 

そう思い、Kさんのほうを見ると、

 

 

 

 

 

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監督「あはは(苦笑)さすが、ヨダレプレイに

定評のあるベテラン女優Kだね」

 

 

 

 

僕(そうなんだ……)

 

 

 

 

 

~AV豆知識~

たまにこういう特殊体質の人もいます。

 

ヨダレが出やすいって日常生活では

大変だとは思うのですが、AVでは

結構重宝するだろうなとは正直思います。

 

AVでは、ヨダレを垂らす演技をすることが

非常に多いので。

 

痴女モノで男優さんのアドリブで

「ツバ飲ませて」とか言われることもあるんですが、

本当にツバって急に出そうと思っても出ないんですよね。

 

 

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と、まあ、そんなこんなで

Kさんの撮影は終わり、僕の

フェラシーンを撮りました。

 

 

 

監督「はい、カットー。じゃ、次は

廊下で男子生徒と男装の大島さんが

話しているシーン撮るんで、大島さん

髪型と衣装変えてきてくれる?」

 

 

 

 

僕「はい(出ずっぱりだな……

さっきのシーンが前後半逆なら、僕が

いくらか台本読む時間もあるんだけど……)」

 

 

 

~AV豆知識~

前も書きましたが、僕の時代はすでに

「AVにお金をかけられない」時代に

なりつつありました。

 

2日撮り、3日撮りなんかできないので

ギチギチにタイムスケジュールを埋めます。

 

今回の企画は僕がいないシーンが

ほぼないので、そりゃ僕が休める時間は

当然ないですよね。

 

 

 

 

 

そんなこんなでメイクルームに帰り、

メイクさんに髪型の相談です。

 

 

 

 

メイク「男装時の髪型はどうするの?」

 

 

 

 

企画では最初は髪も短く、

調教されるうちに伸びてくる設定です。

 

 

 

 

ウィッグとかでは

なかなか再現が難しいでしょう。

 

 

 

 

僕「あ、それなら……」

 

 

 

 

んで、それを僕は、こんな感じで

対応しようとしていました。

 

 

 

 

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そういうヘアアレンジを

見たことがあったのです。

 

 

 

 

 

メイク「ふむふむ……

ちょっとやってみますねー」

 

 

 

 

メイク「ん……難しいな……

あれ? ここじゃ外れるか……?」

 

 

 

 

 

で、できたのがこちら。

 

 

 

 

 

 

 

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僕(あれー? 思ったより長い)

 

 

 

 

僕「これ、耳の後ろの毛は

仕舞えないですか?」

 

 

 

 

メイク「いやー、ちょっと厳しいね。

キミ、エクステしてるでしょ?」

 

 

 

 

僕「はい」

 

 

 

 

メイク「根本で固定されていて、

そこが太くなってるから、

ヘアピン弾いちゃうんだよね。

これが限界」

 

 

 

 

僕(そうなるのかぁ……)

 

 

 

 

 

 

~AV豆知識~

 

というか、映画の撮影もしたこと

あるんで、現場豆知識ですけど、

台本や計画ではこうする予定だったが、

当日実際やってみて全然イメージ通りに

ならないということはよくあります。

 

これに限らず、写真撮影なんかでも

スタッフでリハしたのに、当日

実際の俳優さんではそんな体勢とれないと

発覚したり、用意した衣装が入らないから

別の物に急遽変更もあるあるです。

 

僕はこのとき完全に狙い通りに

なりませんでしたが、ここから急に

ウィッグを用意するわけにもいかず、

このまま撮影をすることとなりました。

 

 

 

 

 

僕「監督できましたー」

 

 

 

 

 

監督「おっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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僕「ええっ! これ、セットですよね?!

え、リアル窓じゃないですよね?」

 

 

 

 

 

監督「今日は照明さんがいるからね」

 

 

 

 

僕(照明さんすごっ)

 

 

 

 

~AV豆知識~

今回の撮影はドラマ形式で何日も

経過したり、昼や夜のシーンが出てくるので

照明さんがいましたが、AV業界で初めて

プロの照明さん見たので、その技術に驚いたものです。

 

本当にさっきまで昼間だった教室のセットを、

夕方に変えたり、昼に変えたり……しかも、

朝なのか、昼なのかがわかるくらいちゃんと

リアルな日光の差を出したりするんですよ。

 

ただし……

 

 

 

 

監督「照明さん、

ここの柱の陰、もうちょっと

こっちにできたりしません?」

 

 

 

 

 

照明「ああん?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブログ83

 

 

 

 

 

 

 

監督「え、あ、いや、困るんで

そのままでいいです……」

 

 

 

 

 

僕(ええ……照明>監督なの……)

 

 

 

 

~AV豆知識~

まあ、人によるっちゃ人によるんですが、

照明さんだけでなく本業として

カメラマンやられている人とか

雇われてる身でも歴が長くなればなるほど

職人さんみたいなものですから、監督に

こう言えちゃう人も出てきます……。

 

 

 

 

 

で、準備が整いまして……

 

 

 

 

 

監督「じゃ、同級生役の男優さんそこ立って、

大島さんはそこで、で、Kさんが向こうから

歩いてくる……と。大丈夫ね、みんな。

はい、ヨーイ……」

 

 

 

 

 

僕(ええと、セリフは……

『なに言ってんだよ。

バッカじゃねーの、お前』と

『お、俺は別に……』

 

 

 

監督「スタート!」

 

 

 

 

男優「俺昨日2回もオナニーしちゃったよ」

 

 

 

 

僕「なに言ってんだよ。

バッカじゃねーの、お前w」

 

 

 

男優「ホントだって。……あ」

 

 

 

 

K「……」スタスタ

 

 

 

 

男優「K先生綺麗だよな……

お前もそう思うだろ?」

 

 

 

僕「え?

……あ、お、俺は別に……」

 

 

 

 

監督「はい、カットー。

じゃ、次のシーン撮るから

大島さんは女装に着替えてきて」

 

 

 

僕(ふぅ……今回は短いシーンだから

セリフなんとかなったけど、ここからの

シーンのセリフはキツいな……)

 

 

 

 

僕(ていうか、なんで女装シーンと

男装シーンまとめて撮らないんだろ……

毎回髪型変える時間がもったいないんじゃ……)

 

 

 

 

 

メイク「下ろしたり、まとめたり

面倒ね。ウィッグのほうが

良かったんじゃない?」カチャカチャ

 

 

 

僕(たしかに)

 

 

 

 

 

※と、この当時は思いましたが、

たぶん僕の髪型を変えるより、照明を

いちいち弄るほうが大変だという

判断だったんでしょうね。

 

まあ、ただウィッグをいちいち着脱するのも

髪型を直す手間があるので、どの方法が

良かったかはなんともいえません。

 

 

 

 

監督「大島さん、これ

例のやつ既存の物を組み合わせて

作ってみたんだけど……」

 

 

 

僕「わ! ありがとうございます!」

 

 

 

これが何かといいますと……。

 

 

 

 

~打ち合わせ時の回想~

 

 

監督「で、このイメージにある

貞操帯って、あんまり見ない感じだけど

こんなの売ってるの?」

 

 

 

僕「いや、実際にはないんです。ただ

よくある貞操帯って勃起すらできないように

なっていて、それじゃ絵的にエロくないんで

 

普通に売っている錠前と、コックリングで

作れないかなって……どのみちそれが実際に

貞操帯として機能してなくても、モザイクの中で

わからなくなると思いますし……」

 

 

 

 

 

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~回想終わり~

 

 

 

 

監督「これ付けられる?」

 

 

 

 

 

僕「ちょっと待ってください……」カチャカチャ

 

 

 

 

僕「うん! バッチリです!

ありがとうございます!」

 

 

 

 

監督「そう、良かった。じゃあ、

次は保健室で責められるシーンね」

 

 

 

 

 

と、思ってたんですが、実際

撮影が始まってみると……。

 

 

 

 

 

K「ほらぁ、乳首気持ち良いでしょぉ」

 

 

 

 

僕「あっ……先生ぇ……!」

 

 

 

 

僕(マズいな……貞操帯が

ズリ落ちそうだ……)

 

 

 

 

まあ、当然ですよね。勃起した状態でも

装着できるということは、リングの大きさを

勃起時に合わせるわけで、もし萎えたら

サイズが合わなくなって簡単に外れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕(絵的なこと考えすぎて、実用性のない

道具にし過ぎてしまった……)

 

 

 

 

 

 

ま、ただ勃起していれば問題ないので、

なんとか騙し騙し手で押さえたりして

このシーンも終わりました。

 

 

 

 

 

監督「ようやく本編だね。じゃあ、

大島さんはまた男装に戻って別室で撮るよー。

みんな女教師の部屋のセッティング

よろしくねー」

 

 

 

 

一同「はーい」

 

 

 

 

大島(うぅ……ここからの

セリフはうろ覚えでは

どうにもならんぞ……)

 

 

 

 

 

しかし、撮影は待ってくれません。

 

 

 

 

ドラマパートはいいんです。

 

 

 

 

K「お茶入れてくるから待ってて」

 

 

 

 

僕「は、はい……」

 

 

 

 

監督「カット。じゃ、さっきのとこ

大島さんの表情を反対側から抜くから

2人とももう一度同じ演技してね」

 

 

 

 

僕(よし、カメラと監督が準備してる

いまのうちに台本を……)

 

 

 

 

~AV豆知識~

ドラマや映画でもそうですが、

これが舞台などでの演技との違いですね。

 

カットがあるので(しかも、日本のドラマは

極めてカットが多い)、ちょっとしたセリフなら

その場で台本を見ることができます。

 

(プロの俳優さんには現場で台本を

見ないことをポリシーにしている人も

いるみたいですが……)

 

 

 

 

監督「じゃあ、そろそろ足コキの

シーンなんだけど――」

 

 

 

 

僕「――あの、監督」

 

 

 

 

監督「ん?」

 

 

 

ここで見栄を張っても

作品が悪くなるだけです。

 

 

 

正直に話して、監督に

確認しようと思いました。

 

 

 

 

僕「すみません、僕、今日この

台本もらって、セリフが曖昧なんですけど、

カラミが始まったらそこからは

流れで話していいんですよね?」

 

 

 

 

僕(というか、Kさんも今日の今日で

覚えているはずないから、

それしかないよね……)

 

 

 

 

監督「ああ、いいよ」

 

 

 

 

僕(ふぅ……なんだ、よかった……)

 

 

 

 

 

K「……」

 

 

 

 

監督「じゃあ、次のシーンいくよー。

大島さんがパンストを嗅いでて、

合図したらKさんが入って来て、

問い詰めてから足コキまでの流れ、

カット割らないからねー。ヨーイ、スタート!」

 

 

 

 

僕「ああ……先生ぇ……」スンスン

 

 

 

 

監督「いいよぉ……そのまま

パンスト舐めちゃおう」

↑この声はあとで編集で消す

 

 

 

僕(舐める……?)

 

 

 

 

僕「せんせぇ……」ペロペロ

↑指示には従う

 

 

 

 

 

~AV豆知識~

ここ企画書には嗅ぐと書いてありましたが、

急遽監督の演出で舐めることになりました。

 

結構ドラマなどの演出でも

「普通の人そんなことする?!」って

演技のシーンあったりしますが、映像的に

わかりやすくするためだったりもあるので、

好みですが、僕はあからさまな演出は

ギャグみたいになって苦手でした。

 

 

 

 

 

監督「いいねぇ……こりゃあ

変態だぁ……さあ、そこに

先生が入ってくる……ッ!」

 

 

 

 

 

 

K「なにをしているの?」

 

 

 

 

 

僕(たしかここのセリフは

「あ、せ、先生……!」)

 

 

 

 

僕「あ、せ、先生……!」

 

 

 

 

K「いま手に隠したものを見せなさい」

 

 

 

僕(で、次はパンストを見せて……)

 

 

 

K「これでなにをしていたの?」

 

 

 

僕(で、次は

「ニオイを嗅いでました……」だっけ)

 

 

 

 

僕「ニオイを嗅いでました……」

 

 

 

 

 

K「それだけ?」

 

 

 

僕(アレ? なんかKさんやたらと

セリフ覚えてるな……えっと、たしか

「……オナニーしてました」だっけ)

 

 

 

 

僕「……オナニーしてました」

 

 

 

 

そのとき

 

僕(あ、違っ……1回

黙り込むんだっ……)

 

と、気付き、思わず

Kさんの顔を見てしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブログ85

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、Kさんは僕よりもベテランです。

 

 

 

 

すぐにアドリブで、

 

K「それだけじゃないでしょ!」

 

と入れてきます。

 

 

 

 

僕「えっと……あ、

舐めてもいました……!」

↑アドリブ

 

 

 

 

K「見せてみなさい」

 

 

 

 

僕(あ、元の台本の流れに戻った……)

 

 

 

 

僕「えっと……こ、こうやって……」

 

 

 

 

僕(ていうか、Kさん……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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と、ここからアドリブでやろうとする僕と、

がんばって台本に戻そうとするKさんで

頭パニックになりながら、なんとか

カラミが終わりました。

 

 

 

 

 

監督「はい、カットー。じゃ、

シャワー浴びたら二人とも

メイク直しね」

 

 

 

 

僕「はい」

K「はい」

 

 

 

 

僕「Kさん、すみません……」コソコソ

 

 

 

 

K「ん?」

 

 

 

 

僕「台本に合わせてもらってるのに

僕が対応できなくて……」

 

 

 

 

K「大丈夫。私もアドリブで返すし」

 

 

 

 

僕「でも、Kさんも今日

台本もらったんですよね。どうやって

セリフ覚えたんですか?」

 

 

 

K「え? 私は3日前にもらったよ。

セリフが多い現場だって事前に

わかっているときは、マネージャーに

言って早めに台本もらうの」

 

 

 

 

僕(えぇ~~~???)

 

 

 

 

 

僕(僕も次からそうしよう)

 

 

 

 

 

 

~AV豆知識~

と思い、その後マネージャーに

伝えたのですが、本当に

これだけ長文の台本はその後

AV業界にいる間に見ることは

ありませんでした。

 

なにか一つ現場で学んでも、それを

活かす場に出くわさないことも

多々あります。

 

なんにしろ台本しっかり覚えて

きてくださったKさんには

申し訳なかったなと思います。

 

 

 

 

そんなこんなで、色々

撮影が終わりまして、ようやく

ラストシーンを撮影する段階になって

さらなるトラブルが起こるのです……。

 

 

 

それは……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブログ87

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強烈な眠気!

 

 

 

 

 

 

 

 

このとき時間は深夜2時を迎えており、

僕の朝からの稼働時間は20時間

越えていました!

 

 

 

 

 

そう、ドラマ物の撮影は

とにかく時間がかかる!

 

 

 

 

~AV豆知識~

さっきのシーンでもありましたが、

ドラマパートなんかは、Aが話した

セリフをもう1回B目線で撮り直したり

するので、単純に5分の映像を撮るのに

2倍の時間を必ず要します。

 

もちろん立ち位置が変わるたびに

セッティングも変わるので、その時間を

考慮すればもっとかかるわけです。

 

普通のAV現場ではスタジオの延長代を

払いたくない会社が、必ずテッペンまでに

撮り終えるように大急ぎで撮影するんですが、

テッペン超えたから後日……とはなりません。

 

もう1日スタジオを借りて、スタッフも

1日分追加で雇って撮るより、延長代

払ったほうが安上がりだからです。

 

スタジオは延長料金出ますが、

スタッフ、女優、男優、監督は

これ以上ギャラは出ません。

 

撮り切るまでがAV撮影なのです。

 

 

 

 

 

 

僕(マズいな……集中しようにも

意識が勝手に持っていかれる……)

 

 

 

 

~AV豆知識~

これがなにもしないで

20時間起きたり、徹夜するなら

ワケないんですけど、AV撮影は

本当に体力使うんです。

 

何回もシャワー浴びるし、メイクのときは

座りっぱなしだし、加えて僕の場合、常に

どこかのシーンにはいるので、「大島さん、

次の撮影は休憩で」なんてパートが

1つもないんですよ。

 

 

 

 

 

 

僕「いかんいかん。プロだろ、起きろ……」

 

 

 

 

 

スタッフ「男優のRさん入られまーす!」

 

 

 

R「どうもー」

 

 

 

僕「Rさーん! お久しぶりでーす」

 

 

 

 

さて、このRさんはどんな人で、

なぜこの現場に抜擢されたのかというと

こういった流れがありました。

 

 

 

 

~打ち合わせ時の回想~

 

 

監督「で、この最後に出てくる

男優さんですけど、誰か

希望あります?」

 

 

 

僕「Rさんが

良いんじゃないかと思ってます」

 

 

 

 

監督「R? いや、まあ、

俺知り合いですけど……またなんで?」

 

 

 

 

僕「この前現場でご一緒したんですけど、

背も高いし勃ちもいいんで、企画書の

『屈強な男』ってイメージに合うかなって」

 

※マッチョなAV男優さんは

背が低いことが多い

 

 

 

 

監督「ふーん……」

 

 

 

 

~回想終わり~

 

 

 

 

 

※なんでイニシャルかというと、

ちょっとこのあとご本人にとって

不名誉になりそうな内容が

出てくるからです。

 

ちなみに、Rさんが現場に到着したのは

夕方18時くらいで、本来はその辺りで

ラストシーンを撮影する予定だったと

思われますが、伸びに伸びてRさんも

8時間くらい待たされています。

 

 

 

監督「じゃ、ラストシーン。

みんな次最後だから、気合入れて

チャッチャと終わらせようね!」

 

 

 

撮影開始。

 

 

 

 

僕「だ、誰ですか……その人」

 

 

 

K「私のお友達よ。今日は

この人にアナタを女にしてもらうの」

 

 

 

R「……」

 

 

 

と、そんな下りがあり……、

 

 

 

 

K「ほら、早く咥えなさい!」

 

 

 

僕「い、いやだよぉ」ペロペロ

 

 

 

R「……」

 

 

 

僕(あれ……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんかRさん……

前より勃ち悪くなってない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K「さあ、そろそろ挿れるわよ」

 

 

 

 

僕「いやだっ! 先生やめさせてぇ!」

 

 

 

 

R「……」ナエ~

 

 

 

 

監督「ん? ちょっとカット。

あら、Rくん萎えてるね。

それじゃ入らないでしょ? 勃ち待ち入る?」

 

 

 

 

R「……すみません」

 

 

 

 

僕(まさか……)

 

 

 

僕「あ、じゃあ、僕

サポートします!」

 

 

 

※【サポート】萎えた男優と

女優を二人っきりにさせて、

勃起を手伝うこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブログ88

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

R「撮影できます!」ギンギン

 

 

 

 

僕(やっぱりか……)

 

 

 

 

~AV豆知識~

これは男優さんにもよるんですけど、

前にサポートのときに「好きだよ」とか

言うと、すぐに勃起する人が多いって

話をしましたが、逆をいうと、演技でも

嫌がっていると萎えちゃう人も多いんです。

 

AVって「嫌がってても最後は感じちゃう」的な

作品結構あるじゃないですか? アレとは違って

たまにリアル路線レイプ物とかもあって、それは

最初から最後まで女の子が嫌がった演技を

するんですけど、そのカラミできる男優さん

少ないんですよね。

 

いわゆる

「かわいそうなのはヌケない」

という人がいっぱいいるということ。

 

で、僕が「この人勃ち良いな」と思ったRさんと

初めて会った現場って、わりとイチャイチャ系の

内容だったんですよ。

 

ところが、今回は僕が嫌がる演技をする

現場だったので、途端にRさんは勃たなくなって

しまった、と。

 

※もちろん待機してた疲れとかもあると思います。

 

 

 

 

監督「じゃ、撮影再開ね」

 

 

 

僕(とはいえ、撮影が始まったら

演技は続けないと……)

 

 

 

僕「い、いやぁ……」

 

 

 

R「……」ズブリ

 

 

 

僕(うっ……なんとか

入ったけど、Rさん如実に萎えてる……)

 

 

 

と、まあ、それでも

Rさんもプロなので、

その後はカラミを続け、ようやく

大ラスの「先生に膝枕されながら

男性にアナルを掘られて射精する」

というシーンに移行します。

 

 

 

 

Kさんが頃合いを見て、

僕の頭のほうに移動します。

 

 

 

 

 

僕「あっ、な、なんか変だよぉ……」

 

 

 

K「大丈夫、大丈夫」

 

 

 

R「ふんっ……! ふんっ……!」パンパン

 

 

 

K「さ、先生が見ててあげる」

 

 

 

そういって、Kさんが

僕の頭を膝に乗せた瞬間……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ちゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

―――薫ちゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブログ89

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブログ90

 

 

 

 

 

僕「はっ、だ、大丈夫です!」

 

 

 

 

 

このときは本当に恥ずかしさと

申し訳なさでいっぱいでした。

 

 

 

いや、しっかりしろよと思われると

思うんですが、カラミの際に身体を

起こしてたりするときは別に大丈夫なんです。

 

 

 

 

ただAVって横になるシーンがあるんですけど、

このとき本当にもう瞼が開けていられなくって、

「寝る」というよりかは「気絶」するように

意識がなくなるんですよね。

 

 

 

 

プラス、経験ある人わかると思うんですけど、

セックス中って適度な揺れ+人肌の温度で

ほど良く寝心地が良いんですよね。

 

 

 

 

はい、

 

 

 

 

 

 

 

言い訳です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「は、ははは……しっかりね。

じゃ、撮影続けるよ」

↑たぶん一瞬寝たことに気づいてる

 

 

 

 

僕「は、はい……!」

 

 

 

 

 

……と、その後はなんとか

気合で乗り切り、無事ラストシーンも

撮影がおわりました。

 

 

 

 

 

もう本当にしんどくてしんどくて、

最後監督のところに行って、

 

 

 

 

 ブログ91

 

 

 

 

 

と挨拶したほどです。

 

 

 

 

 

 

後にこのAVはクラファン参加者に

配布、その後店頭でも発売され……

 

 

 

 

 

 

鬼ほど売れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

後にAV辞めたあと、監督と

お会いする機会もあったのですが、

この件について

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブログ92

 

 

 

 

 

 

 

 

と言われましたとさ。

 

 

 

 

 

 

←続きます

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大島 薫(おおしまかおる)

大島 薫(おおしまかおる)
所属事務所:フリーランス
身長・体重:165cm・53kg
生年月日:1989年6月7日

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