ゲイビデオモデルからAV女優になった話31
→ゲイビデオモデルからAV女優になった話30
さて、続いては
専属前にやったお仕事の中で
ちょっと特殊だったものをご紹介します。
それは
エロ本の撮影
ある日、マネージャーから
僕宛てに人が訪ねてくると
電話で連絡が入りました。
僕「え? こっちに来るんですか?
普段なら僕らが面談に行くのに」
酒井「なんかの映像見て、
大島ちゃんのことえらく
気に入ったみたいだよ」
僕「へえー……なんて
名前の雑誌ですか?」
酒井「男の娘時代」
僕「え……?」←ここで意識が一瞬飛ぶ
~6年前のある日~
本屋にて。
大島薫18歳(高校在学中)
僕(あー、最近小説も
漫画も飽きてきちゃったなー。
かといって、ゲームは1本が高いしなー)
そんなことを思いながら、
店内をうろついていると、とある
コーナーに目が止まる。
(田舎の個人図書店、普通にエロ本を平積みにする)
僕(えぇぇぇええええ!!!!)
僕(男の娘って言葉
外で使うの犯罪じゃないのぉぉ!!)←
※当時「男の娘」という言葉は
新し過ぎてネットや同人界隈でしか
使われていないマニアックな単語でした。
僕(えっと……)キョロキョロ
僕(ちょっとだけ立ち読みを…)
僕(ふぉぉぉおぉぉ!!!!
すごい! いままでニューハーフの
エロ本はよくあったけど、ここに
出てる人たち胸はぺったんこだし、
ちんちんは大きいし、それなのに
男の人とセックスしてるし、
すごい……なにより、)
僕(ちんちんは大きいし!)
~回想終わり~
酒井「大島ちゃん? もしもーし」
僕「え? あ、すみません。
あの、それって『男の娘倶楽部』の
間違いじゃないですか?」
酒井「えー? たしかに
男の娘時代って言ってたけどなぁ…」
僕(違う雑誌なのかなぁ…)
僕「わかりました。僕も〇日に
事務所に行けばいいんですね?」
酒井「うん、いつもの
応接室で会ってもらうから」
と、まあ、こんな感じで
いつもとは逆に僕たちが事務所で
会社の人を待つ形になりました。
~当日~
僕が応接室で待っていると、
マネージャーがエロ本の会社の人を
案内しながら入ってきました。
酒井「どうぞどうぞ。あ、
大島ちゃんこちらの方が
今回ご依頼をいただいた井戸さんです」
僕(なんだか
大学生みたいな雰囲気の人だな……)
※実際は井戸さん当時33歳
※このとき井戸さんも僕も
当然知りもしませんが、これから
僕らは長い付き合いになります。
(変な意味ではなく)
酒井「ま、
立ち話もなんですから、
座ってください」
そう促され、全員が
椅子に座ると、井戸さんは
自分のカバンからいくつかの
エロ本を取り出して、机に
並べ始めました。
井戸「これがウチで
作っているエロ本なんだけど」
僕「あ!!」
それはどう見ても
僕が愛読していた男の娘倶楽部と
同じシリーズの表紙でした。
ですが、名前は男の娘時代に
変わっていたのです。
僕「あ、あのあの、この本って
昔違う名前じゃなかったですか?!」
井戸「ああ、よく知ってるね。それは
俺が昔いた会社で作ってた本だよ。いまは
名前を変えて、自分の会社で作ってるんだ」
僕「そうだったんだ…」
いつからか
書店で見かけなくなっていたので、
僕は勝手に廃刊になったのだと
思っていたのです。
井戸「知ってると話は早いんだけd――」
僕「ありがとうございまぁす!!!!」
井戸「……え?」
僕は神作品の産みの親に出会って
限界オタクみたいになってました。
井戸「あはは……そんなに
好きなら今日持ってきた雑誌
全部参考資料で渡すつもりだったから
持ってかえって大丈夫だよ」
僕「いいんですか?!」
井戸「うん、で、撮影の件だけど」
僕「やります、やります!!
グラビアページでも、取材記事でも
男の娘時代に出られるなら
カラーページじゃなくても構いません!」
井戸「君で一冊全部作りたいんだよ」
僕「はい! 一冊全部……って」
はい?
僕「え? いや、ちょっとちょっと、
僕読んでたから知ってますけど、この本って
素人やプロ限らず、色んな男の娘が出てくるのが
いつものスタイルですよね? いままで
1人だけで一冊やるなんてありました?」
井戸「ないよ」
僕「……もしかして、
雑誌って意外と数万円で作れるとか……?」
井戸「一応会社がやってる事業だからね。
失敗したら相当なリスクだよ」
僕「いや、え、本気ですか?
いままでいっぱいかわいい男の娘や
女装男子を撮ってきて、本当に
そんな大勝負を僕でやっていいんですか?」
井戸「勝算がなかったら俺もやらないよ(苦笑)
うちはエロ本の会社だけど、雑誌の付録DVDで
映像も撮っている兼ね合いで、AVの
流通のツテもあってね」
井戸「エロ本だけじゃたしかに
売上としては弱いかもしれない。だから、
エロ本の撮影と同時に映像も撮って、
別売りのAVの売上と合わせれば
十分やるだけの価値は出るよ」
僕はマネージャーのほうを
チラリと見ました。
酒井「ま、うちはカラミの数と
日程がギャラに見合っていれば、
なにを何本撮ろうが同じだから構わないですよ」
僕「でも……」
僕はイチファンだっただけに、
その雑誌が求めるクオリティーに
答えられるか不安でした。
井戸「……」
井戸「俺実はさ、ここに来る前に
君がネットで話題になったとき、
気になって大阪のイベントを
見に行ったことがあるんだよ」
僕「え?!」
あのAVの面接に落ちまくってたころです。
僕(あのとき僕を撮ろうとした
メーカーなんか1つもなかったのに……)
井戸「舞台で芸人と大喜利してさ、
いまできること見つけて、自分で
自分をセルフプロデュースして、
とうとう専属女優の声までかかった」
井戸「俺は君を見たときから、この企画を
通すために今日まで試行錯誤してきた。
君が専属になるまであと数か月、これを
実現するチャンスはもういましかないんだよ」
井戸「それに俺はなにより、
君なら絶対に売れると確信しているからね」
僕「い、井戸さん……」ジーン
井戸「俺が一番そう感じたのは、
あのときの映像だったな……」
僕(あ、話し続くんだ……)
井戸「1度海外サイトのエロ動画に
出てたことがあるでしょ?」
僕「ああ、シー〇ールジャパンの……」
井戸「あのとき男優が君を抱きながら、
『ほら、カメラで撮られてるよ。
どんな気持ちなの?』って聞いたの覚えてる?」
僕「ありましたね……
(面と向かって振り返られると
恥ずかしいな……)」
井戸「そのとき君はこう言ったんだよ」
井戸「最高だったよね……」
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