ゲイビデオモデルからAV女優になった話36
→ゲイビデオモデルからAV女優になった話35
さて、専属に備えて、
年末からは撮影を控えていたとはいえ、
以前に書いた通り、AV女優の仕事は
撮影だけとは限りません。
この当時はいわゆる「AKB商法」的な
売り方というのが、AV業界でも取り入れられていて、
DVDを発売したら、ほとんど必ずイベントも
同時に開催するというような感じになっていました。
あれだけDVDを発売したから、
当然それだけイベントも入っています。
発売イベントは基本ノーギャラであることが多いので、
女優さんによってはリリイベを嫌がる人もいます。
ただやってくれると、その分
DVDが売れるので、メーカーもセル店も
「この子のAVを売ろう!」
という気にさせられるわけです。
もちろんDVDが売れる方法は、
それだけではないんですけどね……。
では、さっそく
超業界裏話
いってみましょう。
雑誌「男の娘時代」井戸隆明編集長のAVと、
ハマジムのAVが2本同時発売ということで
折り合いがついたのち、僕はとある依頼を受けて、
都内某所に呼び出されました。
~都内某所~
マネージャー「あ、大島ちゃん、来ましたよ」
僕「?」
アキヒト「やあ、薫ちゃん、ごめんね、
呼び出しちゃって」
マネージャー「じゃ、薫ちゃん、
今日はアキヒトさんが車で
送ってくれるらしいから俺はここで!」
僕「あ、はい……」
アキヒト「じゃ、さっそく行こうか」
僕「はい」
そう言って、僕はアキヒトさんが
運転するバンに乗り込みました。
~車内~
アキヒト「マネージャーさんから
今日なにするか、話聞いてる?」
僕「なんか『ラ○タラの店長会議に
行ってくれ』としか言われてなくて……」
アキヒト「そーそー! 要は
いまから薫ちゃんのAVの営業に
行くんだけど、普通は一店舗、一店舗
営業の人がDVDを売り込みに行くでしょ?」
僕「はい」
アキヒト「でも、月に一回だけ
ラ〇タラの全店舗の店長が集まって会議をする
『ラム〇ラ店長会議』ってのがあるわけ」
僕「へえー」
アキヒト「そこにたまに発売するAVの
主演女優さんを連れて行って、直接紹介して
AVを宣伝することがあるんだよね」
僕「ほへー」
(プレゼンみたいな感じかー)
~AV豆知識~
ラムタラって東京住まいの方は、
とても馴染のあるセルビデオ店だと思うんですが、
お恥ずかしながら、関西出身の僕は
実はあまり知らなかったんですよね。
(どちらかというと 、信長書店……)
しかし、関東でいえば、AV買うなら
やっぱりラムタ〇! だから、AVメーカーの
営業周りでラ〇タラ、つまりロイ電器関連は
外せないわけです(それだけで売り上げが
ドンと変わってしまう……)
ちなみに、〇ムタラは店舗が多いだけでなく、
各店舗の売上も他のセル店を凌ぐそうで、
その秘密はまたいずれ……。
アキヒト「はい、到着ー」
~都内某所~
僕(こ、ここが
ラ〇タラ店長会議の場……)
僕(なんていうか……)
僕(なんかもっとデッカい
自社ビルみたいなの想像してた……)
アキヒト「じゃ、さっそく行くよ……
心の準備は大丈夫?」
僕(うん? なんかアキヒトさん
変に神妙な顔してるな……)
ガチャ
アキヒト「失礼します」
男性「はい」
アキヒト「あ、ハマジムのアキヒトです。
今日は大島薫さんと新作DVDのご挨拶で来ました。
15時でお伺いするとお伝えしていたのですが……」
男性「あー、はい、少々会議が押してまして、
そこにおかけになってお待ちいただけますか?
準備ができ次第、お呼びいたしますので」
アキヒト「はい。かしこりました」
僕(なんか光通信で営業マンやってた
時代を思い出すなー)
そうして、僕らが待っていると、
また同じ男性が現れました。
男性「準備ができましたので、
こちらにどうぞ」
中に通されます。
~会議室~
アキヒト「失礼します」
アキヒトさんが机に持参した
段ボールを下ろし、DVDを片手に
店長さんらへ説明を始めます。
僕(てか……)
アキヒト「では、大島薫さん、どうぞ」
僕「あ、はい……」
僕「大島薫です! よろしくお願いします!」
店長達「……」シーン
僕「僕は大阪に住んでいて、
男の娘AV女優になるために、
この業界に飛び込んできました!」
僕「……で、23歳のときにふと思ったんですよね。
あ、女装がしたいなーって、だから、
AV女優になったんですけど……」
店長達「……」シーン
僕(うーん、反応がイマイチだなぁ……
なんか笑いとりたいな……)←大阪の血
僕(よーし……)
店長達「……」シーン
店長A「………プッ」
店長B「クスッ」
僕(お……?)
僕(やった……!)
隣を見ると、
アキヒトさんも嬉しそうに
頷いています。
僕(よぉーし、畳みかけるぞー)
薫「よろしくお願いします!」ペコリ
僕が頭を下げると、
店長さんたちからは
拍手が起こりました。
アキヒトさんが
僕の背中を誇らしげに
叩きました。
~会議室裏~
男性「では、このあと
DVD特典の撮影に移るまで、
もう少々こちらでお待ちください」
アキヒト「はい! ありがとうございます!」
係りの男性が出ていくと、アキヒトさんは
ようやく肩の荷が下りたのか饒舌に
僕に語りかけ始めました。
アキヒト「薫ちゃんやったね! 完璧だよ!!」
僕「え? ホントですか⁈」
アキヒト「うん、うんっ!
ラムタラの店長会議で、
あんな喋る子見たことないもん!」
~AV豆知識~
※実はラムタラの店長会議で、
こうしてAV女優さんが呼ばれて、
自分のAVを宣伝するって結構あるそうです。
ですが、アキヒトさん曰く、
あの雰囲気なので、女優さんによっては
上手く喋れずに
こうなってしまう人もいるそうです。
僕(そりゃあの雰囲気じゃなあ……)
で、僕がなんでそうならなかったかというと、
僕ですね、いつかAV事務所所属当時、3社
面接受けて3社全部落ちた話したじゃないですか?
で、仕事がないから事務所と交渉して、大阪の
ライブハウスで芸人さんとかと混じって、
大喜利大会とかに出てたりしたんですよね。
まあ、全然無名の時代にアウェイの環境で
喋ったりするのは鍛えられていたので、
それが良かったのかもしれません。
とにかく僕のアキヒトさんとの
ラムタラ営業は大成功に終わったのでした。
~十分後~
店長A「はい、じゃあ、チェキ撮りまーす!
うちは24枚でお願いしまーす!」
僕「はーい!」
アキヒト「ありがとうございます!」
店長B「こっちもお願いしまーす!
うちは32枚でーす!」
僕「はい!」
アキヒト「ありがとうございます!」
~AV豆知識~
※これは何をやっているかというと、
DVDに付ける特典用チェキの撮影です。
1個につき1枚付けるので、その数は
そのままその店舗の入荷数になります。
つまりたくさん撮るところは、それだけ
僕を買ってくれて、それだけAVが店で
売れると思ってくれたということです。
さて、チェキ撮影が終わるころには
すっかり辺りも暗くなっていて、帰りは
アキヒトさんの車で送っていってもらいました。
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