女装が母親にバレた話2
おばさんの後ろにはあろうことか
母親が立っていました。
母親「……」
どどどどどどうしましょう!!?!!
心の準備がまったくできていません。
母親「……」
ななな何か言わないと……!!!?!?
母親「……中に入ったら?」
ボク「う、うん……」
あれ?
意外と普通だ……。
一体どういうことでしょう。
ボクの予想では真っ先に女装の件について
突っ込まれることを想定していたのですが・……。
とりあえず、ボクは中に入ることにしました。
~リビング~
母親「……で、最近仕事のほうはどうなの?」
ボク「あ、ああ……マッサージ店でまだ働いてるよ」
母親「そう、あなたもいい年なんだから定職につかないとね」
ボク「うん、でも、前の会社の件もあるし、再就職は
慎重に選びたいなって思って……」
母親「そうね。でも、あなたは一応外国籍なんだから
家のこととか、税金のこととかだけはちゃんとしなさいね」
ボク「うん、わかってるよ……」
普通だ……。
やはりボクが過剰に心配し過ぎたのでしょうか。
母親からは女装を疑っている雰囲気など
微塵も感じません。
ボク(いやいや、意外とボクの男装が
完璧なのか……? ふっふっふ、なんだ意外と余裕じゃないか)
このまま何のトラブルも
起きなければ、なんとか今日は乗り切れます。
と、そこで妹を連れて
子ども部屋で遊んでいた父が戻ってきました。
父「けいー。ゆい(妹)を連れてきたよー」
ボク「ゆい!」
ボクは勢いあまって飛び上がってしまいました。
ゆいは幼くしてブラジルへ両親と旅立ってしまった妹です。
年齢が15歳離れていて、ボクからすると妹というよりかは
娘のような感覚でとてもかわいがっていました。
いつも幼稚園に迎えに行くと、
ボクの後ろを付いてきたかわいい妹。
ブラジルへ旅立つ前日
「お兄ちゃんと離れたくない」と大泣きした妹。
そんな妹もいまや7歳(現在は9歳)。
きっとあのころと変わらず、かわいく成長していることでしょう。
さあ、そのかわいらしい姿をいまここで──
妹「え、お兄ちゃん髪の毛長くない?(ドン引き)」
……え?
……。
うるせーなーおい←
……おっと、ボクとしたことが
大好きな妹に対してとんだ暴言を吐いてしまいました。
しかし、これは予想外でした。
日本を出た当時、5歳だった妹に
ここまで自我が芽生えているとは……。
ここはお兄ちゃんとしてガツンと
言ってやらねばなりません。
あくまで冷静に。
大人な態度で。
ボク「……に、日本ではこういうのが流行ってるんだよ……」
妹「ふーん。変なの」
コノヤロォォォオオオオオ!!!
い、いかんいかん。大事な妹になんて態度を……
母親「ゆい、国が違えば文化も違うんだから
あんまりお兄ちゃんを困らせちゃダメよ」
妹「はーい」
あれ?
お母さんが助け船を出した……?
妹は興味をなくしたようにリビングでアニメを観ています。
なぜでしょうか?
ボクは母親の妙な落ち着きようが気になりました。
しかし、ひとまず妹の追求を逃れることができたのです。
よしとしましょう。
結局その日は伯母やボクら家族で食事をしたり、
妹と遊んだりして何事もなく一日を過ごしました。
結局この前の電話の件は
ボクの取り越し苦労だったのでしょうか。
両親が日本を再び旅立ち
数日後、一通のメールがボクの元に届きます。
ボク「母親からだ……」
送信日:20xx/x/xx
送信者:母親
送信先:大島 薫
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けいへ
この前は忙しい中
時間を作って会ってくれてありがとう。
元気そうなあなたを見て、お父さんも
お母さんも、ゆいも安心しました。
ところで
あなた女装してる?
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