お休み(ベガス初日)
パートタイム教授、奥田健次です(>_<)
ミネアポリスでの学会での仕事も終わり、今はバケーション in Las Vegas です。
ベガスはアメリカ砂漠のど真ん中。
空港からはリムジンでお迎え&レッドカーペット、部屋代は何泊しても無料という招待客としてかれこれ10年。今回はウエルカムフルーツ付き。あ、食事代も事前にコンプ(無料)にしてくれました。酒も飲まないから、まあ知れてる額ですけどね。そろそろ別のカジノにしようかなと思っていたところ、おもてなしが格上げされているのでこのまま。
なんでこういう扱いになったかというと、かれこれ11年、12年前くらいか。
ブラックジャックテーブルで、面白がってわざと基本戦略から外れたプログレッシブな賭け方をしたのね。周りのベテラン客からは「兄ちゃん、そりゃやっちゃだめだよ」と言われるんですが、おれは「知ってるよ、気が狂ってる方法やねん」と言いつつ継続。そしたらね。まあ、たまたまでしょうけれども、スプリット、スプリット、スプリット、ダブルダウン、ダブルダウン、ダブルダウン、ダブルダウンとね。ちょっと珍しく激しい展開が連続しまして。それ、全部に勝利したんですわ。
そしたら、200ドルくらいだったのが1時間弱で3,000ドルに膨れあがってね。テーブルが後ろのギャラリーまでめちゃくちゃ盛り上がったんよね。注目されすぎて嫌やなと思って、ちょっと休憩しようとストップして両替してテーブルを去ったところ、背の高い白人さんに声をかけられたのよ。しかも日本語で。
瞬間、ちょっと何か「いかさましたわけじゃないのに、バックヤードに連れて行かれてしばかれるのかな、映画のワンシーンみたいに」と焦って、日本語で声をかけられてもこちらは英語で話し続けました。「私は日本人のカジノホストをやってます」と名刺を出してきた。用件を聞いてみたら、「スバラシイ、ナイスプレーでした」「今後、私にeメールをくれれば、何泊しても無料ですから、また来て下さい」とのこと。そういうことならと安心して、日本語で会話しました。
そこからのご縁(?)で、学会出張を終えた休養日にはスタッフらを連れて来てます。
ギャンブル?
日本ではやりませんよ。時間の無駄だし。
ベガスはゲーム? 仕事の一環として来てます。あとはショッピング。タバコと酒と女はナッシング。あくまでゲームとショッピングだけ。
他には、やっぱり映画の舞台になる場所でしょ。仕事柄、印象に残っているのは『レインマン』ですよ。自閉症というかサバン症候群のダスティン・ホフマンが、ブラックジャックでカウンティングをやっちゃって大もうけしちゃうシーンね。凡人の弟、若きトム・クルーズの驚きの演技ったら(^^)
ベガスにいると、こっちがしようと思わなくても、自然に映画のワンシーンのような場面に出くわします。こっちは意識していないので、まあカジノの雰囲気がそうさせるんでしょう。
でも、今はあの頃のようなプログレッシブすぎる方法は滅多に使いませんよ。あくまでベーシックストラテジーという、統計的に最も勝率の高い方略に従っています。もちろん、ある程度は数学的な技術を補助的に使用してますよ。
日テレさんも成田空港までじゃなくて、そのまま学会発表にも同行して、その後こうやってカジノまで追いかけてきたら面白かったのにさ。
そんなわけで人生を賭けたような真似はしませんがね。数学的な知識と技能でもって、場を盛り上げることでカジノ側も喜んでくれるのであれば、そりゃまあ一種のエンターテイメントでしょ。
この10年間でね、カジノホストも日本人担当ではなく、アメリカ人担当のホストと交渉することにしました。ホストによって、ホスピタリティーというかサービスが全然ちがうもん。もちろん、格下げされたら他のカジノに移ります。そんなものですよ、この業界っていうのは。
客室に届けられたウェルカムフルーツ、ドリンク、チーズ&クラッカー etc.
まあ、雰囲気だけでも豪遊でしょ。豪遊の前にプチが付きますがね。
部屋でついつい仕事をしてしまうのですが、ある程度、そりゃ映画のワンシーンのようにど派手にゲームしないとね。それを見込んでの招待なので、ブラックジャックテーブルに座るのも仕事みたいなもんですな。「座りたい」、じゃなくて「最低でも1日3-4時間は座らねば」ですもんね。
こっちは数字に集中しているのに、いらんことを話しかけられる。「どこから来たんですか?」「日本」「仕事ですか?」「両方」「何の仕事やってるんですか?」「教授だよ、パートタイムの」「何の教授?」「心理学だよ」っていう会話になる。そしたら、「心理学の教授」っていうだけで、ディーラーもテーブルの人たちも「えっ!?」って顔をしたり、「じゃあ、思いっきりここで稼げるだろ?」みたいになるでしょ。でも、ブラックジャックは心理戦ではないよ。非常に数学的で機械的な操作ですからね。
アメリカ人も一般的な人たちは、やたらと「幸運」「心理」がブラックジャックのゲームに関係していると勘違いしているんやなあと。統計的なもんです。運の悪いとき、良いときは当然ありますが、最終的には統計上の期待値に収斂していきます。だから、テーブル客がやたらとこちらの勝敗にいちいち「ヘイ! プロフェッサー、なんちゅうビッグウィン! ツイてるな、ディーラーにチップはずめよ!」ってハイテンションで絡んできたら、そいつがボロボロに敗退するまで静かにテーブルで淡々とゲームを進めるか、静かなハイリミットのサロンに入ります。
日本ではズッコケ三枚目の関西人ですが、ベガスでは至ってクールです。
奥田健次
最近の画像つき記事