いよいよ来週!『拝啓、アスペルガー先生』発売!
パートタイム教授、奥田健次です(^^)
大学を超早期退職し、西軽井沢で廃校5,000坪を買い取って、そこで学校づくりをやっています。今年6月、長野県に私立幼稚園の設置申請を行いました。審査を経て、早くて開園まで2年かかります。県内外の関係者にたくさんのご声援をいただいております。
さて、少し前からお知らせしていましたが新刊本『拝啓、アスペルガー先生 – 私の支援記録より』(飛鳥新社)が出ます! 8月22日に発売されるのですが、昨日、見本として著者分のが届きました。
こんな感じに仕上がりました\(^o^)/
帯のほうですが、こちらのコピーについてはいつも出版社に基本お願いしています。最初は「奇跡のカウンセリング」と提案されましたが、「やっている自分にとっては計画通りで当たり前のことなのでNG」とそれは固辞しました。
見ている人が「奇跡だ」と感じるのは勝手ですけども。
そこで固辞するばかりじゃいけませんので、出版社側の意図を汲んで代案を提案しました。「たとえば“ありえへん”カウンセリング、とかどうですかね? 自分としては“ありえる”からやってるんですけど、周囲のリアクションを耳にするだに“ありえへん”ようなことをやっているようですので」と、冗談半分に言ってみました。
そしたら、その“ありえへん”というのがスゴク良い、ということでこうなった次第です。その他の帯の文言はすべて出版社サイドです。
ところで、中身についてですが、これは専門誌『アスペハート』で8年くらい連載してきた原稿を抜粋して加筆修正したものです。
実際にやった支援を、読み物風に書いたものでした。
ですから、教科書風ではないです。
子育て本でもない。
ハウツー本でもない。
事実を元にしているので、小説でもないです。
帯の裏には「ドラマよりドラマチックな実話です」と書かれています。
さらに内容を掘り下げますと、実はこれをプロや当事者が読むと、教科書よりももっと具体的な指導方法が見える、見える。こういう読み物風っていうのは、実際に登場人物の姿や情景が目に浮かばないといけないでしょうから、抽象的な表現はなるべく避けました。
一般の方々が読むと、これまた登場人物の姿や情景が目に浮かぶように書いていますので、発達障害の子どもや保護者の様子も目に浮かぶでしょうし、世間一般がイメージしている『カウンセリング』なんかとは全然ちがうのも見えてくるはずです。
ある意味で『自閉症児のための明るい療育相談室−親と教師のための楽しいABA講座』(学苑社)よりも、もっとネタばらししていることになります。
ニュータイプな本になりました。笑
イラストにもちょっとした仕掛けがあります。あまり言うと推理する楽しみを奪うので、ここまでにしておきますが。あ、裏表紙の風景のイラストは実在する場所を元にしているとのことです。いくつかのディテールに注目すれば、そこがどこだか分かる人には分かるそうです。
発達障害そのものの理解のためにも役立ちそうですし、しばしば出会う学校側の問題すら実際にあったトンデモな話も入っています。
ただ、登場人物の姿や情景が目に浮かぶように書いているからって、安易に真似するのはよろしくありません。「誰がやったって同じことをしたら同じ結果が出る」というのを科学という考えは、一側面に限ったモノの見方です。ですが、細かなタイミングや力加減や入り方、出方いろいろ・・・。そういった細々したことまで、本当に「同じことをした」と言うことができるのでしょうか。
楽器の演奏に喩えることができます。
同じ1億のバイオリンでも、弾き手が違うとこうも結果が異なるかということです。「それは芸術だから」では無いです。あくまでも、どのように弓を、どのような力加減で、どんな角度で、速度で入れたか・・・。それらがすべて同じであれば同じ結果がでるでしょう? しかし、そんな細かなところまでなかなか同じにできないという現実があるわけです。「誰でも音を鳴らせる」という次元の話と、「自在に美しい音色を自由に響かせる」という次元の話をゴッチャにしてはいけません。
来週から、行動分析学道場が開催されます。
自分も含めて、ここの一流の師範方は上記のようなことを十分に承知しておられます。
で、もちろん、世の中にいる誰もがこのバイオリンを見事に弾きこなせないという現実も知っています。その上で、別な方法でこの弦楽器をリーズナブルに幅広く、そして音楽を楽しむという目的を到達する術を開発したり提供したりしているわけです。
というわけで、この“ありえへん”カウンセリングが突出しているからといって、ABA(応用行動分析学)どうこうという評論は筋違いです。幅広く普及する作業をしている人もいれば、普及するモノのクオリティーを少しでも底上げするべく、どんどん突出したものを示していくという役割もあるという
ことです。
下記のリンクから、この本の紹介を見ることができます。
拝啓、アスペルガー先生 ―私の支援記録より
奥田健次
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