[gtranslate]
世界各地から招かれる国際的セラピスト 奥田健次独占インタビュー【前編】
世界各地から招かれる国際的セラピスト 奥田健次独占インタビュー【前編】
奥田健次(行動分析学者)Xアマゾン
記事

NONFIXに出演して(長文です)

パートタイム教授、奥田健次です(^o^)

 

先日のドキュメンタリー番組(NONFIX)、たくさんのご視聴やコメント、ありがとうございました。

 

今回のドキュメンタリーに限らず、私がこうした取材に応じるメリットはほとんどありません。バラエティー番組にはギャラが出ますが、ドキュメンタリーは報道番組なのでギャラなしです。

 

もし、私が会社でもやっていてセラピスト派遣業でもやっているのであれば、宣伝効果は大きいのでメリットがあると思います。しかし、実際のところはというと。与えられた時間は平等です。1日は24時間しかありません。1週間はビートルズの曲を除いて7日間しかありません。

 

だから、放送前後で何かビジネス的に変化することはありません。あるとすれば、これは毎回のことですが書籍が売れるということです。ご覧の通り、放送後、私関係のAmazonの書籍は新書を除いて全部一時在庫無しになっています。

 

ホームページのほうでも放送前から告知しているとおり、新患のケースは空きがどこかに空かない限りは新規で入れる枠がないのです。空いたら順次、なるべく年齢の小さなお子さんから順番にお返事をしていきますが、相談申込み件数も半端なく増えていますので、埋もれてしまいます。運の善し悪しもあるでしょう。

 

そして、残念なことに年齢の大きなお子さんを持つ親御さんからの申込みも、あれだけホームページに開始年齢を明記しているにもかかわらず、たくさん来ています。

 

ただ、以前のドキュメンタリー放送後にもお伝えし、ホームページにも書いていますが、年齢が大きなお子さんであって私が直接的な支援が出来なくても、間接的な支援ができる可能性があります。それこそ、今回のNONFIXではご覧の通り「学校コンサルテーション」の様子が放送されました。ああいう支援が出来るのですから、保護者の方は地域の学校や幼稚園で「学校コンサルテーション」「外部の専門家の巡回相談」などを現場に要望して下さい。

 

私がそれに呼ばれれば、時間の許す限り助けに行きますから。今でも休暇のない生活を送っていますので、このお約束をいつまでも有効だとは言えませんが、熱心な保護者がおられ熱心に学びたいという教育現場には喜んで赴きます。

 

以下、今回のNONFIXを私もオンエアを見ての感想です。
 

というか、オンエアを見る前からの個人的な思いを申し上げます。

 

もう15年以上も前から、いわゆる「ABA」が流行ってきて「ABAなら一緒でしょ」というモノの見方があります。使用する技法の名前や概念は一緒ですが、技術までが「一緒」なわけがありません。

 

なんでも「一緒」というのなら、それは世界的なバイオリニストの演奏に対して「うちの7歳の孫も同じ楽器をやっている、一緒だ」というようなもののように聞こえます。楽器の名称は一緒ですが、そこに技術の差、表現力の差、作曲家の意図に関する知識の差などあるのが現実です。

 

芸術と科学を一緒にするな、という人もいるでしょう。「楽器の演奏=芸術」と思い込んでいるだけでしょう、それは。楽器の演奏にも物理学的な力や速度があり、それを制御するためのトレーニングがあるんですよ?

 

なので「ABAだから一緒」というのは単純すぎる見解です。

 

一緒なんだったら、特別支援学校へ行って数々の問題をそのABAで直しまくってみて下さい。ABAの知識や技術、一部のマニュアルだけで直せない問題があるから、私に声がかかってるんです。そのことは、徳島県の特別支援学校の先生方が一番よく分かっているでしょうね。

 

今回、その辺りのことはぜんぜん放送されていませんから、視聴者には分からないだろうと思います。

 

摂食障害の事例も、あのオンエアされた情報だけで論評しないほうが良いと思いますよ。私の研修会や学会で症例報告を聞いたことがある人なら、「セラピスト(私)に助けてもらったこと」と「自分が摂食障害に陥ったこと」をあの女の子に忘却させるところまでやったんですよ。どうやってやったか、そのABAので説明できますかね? 再現できますかね?

 

ちなみに、これは学会発表もしていることなので、ありのままお話しします。あの症例ですが、私に相談依頼があった際、「私ならその問題を1回で直せます」とお伝えしました。実際の所、「親御さんとの面接」「本人へのセラピー(オンエアされたシーン)」「1年後、摂食障害に陥って助けられたことを忘れるためのセッション」の3回分だけ、事前に費用をいただきました。「もし、宣言した通りに直せずに上記の3回を超えてしまうような場合は、直るまで私が全額自腹を切る、交通費も何もかも自腹を切りますよ、ってか腹を切りますよ」とお伝えして受理しました。

 

結果、その計画したとおりになった次第です。ペットボトルの蓋を開けるのと同じくらい、結果は目に見えていました。ABAのマニュアルの何ページに書いてあるんですかね?

 

ABAをマニュアルでやろうとしていると、それはもう独学のバイオリンで終わりです。まあ、世の中はそれ(マニュアルで普及するABA)だけでも、十分に困っている方々がいますので、助けられる方を増やしてあげて下さい。

 

ただし、マニュアルに無いような問題を前にして無力なABAセラピストもいる、という事実も認めるのがフェアでしょう? フェアな人も少しはいて、そういう方からは「他の機関のABAでも直らないからお願いします」と私のところに依頼があるのも事実なのですから。

 

今回のドキュメンタリーも、私のリスペクトしている小児科医や精神科医、限られた同業の方々から、一般の視聴者には思いつきようもない、こちらが伝えたかったことや細かな技術的側面についてのコメントが、とても嬉しかったです。「こうなるってことは、あらかじめこうしておいたんじゃないですかね?」みたいな推論は、非常に知的にハイレベルな対話です。

 

もちろん、これは権威主義ではないですよ。むしろ、その真逆です。

 

医師や同業者の中でも、結構しょうもないレベルのコメントをされる人が多いので、そういうのには「もっと実践やれや!」と思っています。暇が無いので相手にしませんが。

 

若いお医者さんなんかは、この10年くらいの間、医学系の学会に私を講師に呼んで学ぶ姿勢を見せてくれる人もいます。うちの行動分析学道場にも学びに来てくれる医師もいます。医師が行動分析学を正しく身につけてくれると、革命的な医術になると思います。余談ですが、そんな実感があるので昨年の行動分析学会年次大会で「医師による行動分析学」という学会シンポジウム。私が企画いたしました。このシンポジウムに登壇された3名の医師は、いずれもそれぞれのご専門の分野で「一緒ではない、比類ないエキスパート医師」でしょう。

 

以上は、放送前からずっと私が言い続けていることでした。

 

さて、今回の制作も本当にフェアな扱いだったと思います。

 

放送日が3月と決まっていて、それで家庭でのセッションを引き受けたのが秋頃でした。1月くらいの取材終了までに言葉を引き出すところまで行けるか。お子さんの状態やご家族の受け止め状況は、オンエアされていたあの初診の日の通りです。初診での手応えとしては、発語まで半年以上かかるかもしれないなと思いました。これもオンエアされていましたが、間にお母様の第二子ご出産で相談の空きもありました。

 

放送日のことや取材終了の時期など、セラピストの私が気にする必要は無いのですが。当然「忖度(そんたく)」するでしょう? なんとなく3月の放送に間に合わせたいんだなというのは、なんとなくプレッシャーでした。

 

結果、発語まで至って本当に色んな意味で良かったです。これには、私の立てた計画の筋道が正しかったというのもありますが、ご覧の通り親御さんがよく頑張って下さったのです。ご両親そろって、世の中で言われていることのほとんど真逆ばかりの私の提案、よく理解して消化して下さいました。こんなにスマートなご両親は、正直、珍しいです。

 

最後に、私個人の率直な感想を。

 

普段の仕事では親御さんが私の伝えたことをどのように家で実践しておられるかを覗き見ることはできません。それをオンエアで初めて見ることになるので、それは新鮮です。ドキュメンタリーがなかったら、親御さんがご家庭で奮闘なさっているのは想像でしか浮かびませんが、テレビだとリアルに見えてしまいます。だから、感謝や感動といった情動が起こるのは、私の場合はそこです。

 

今回、私が心を動かされたシーンは、「今は我慢の電信柱」というナレーションのシーンです。お父様の頑張りが心を打ちました。身重だったお母さんも腕を固めてガッチリと動かないでくれていました。当然、あらかじめ伝えていた通りに消去バーストが起こるのでさっきよりも子どもさんは泣きます。私がアドバイスした通りとはいえ、本当は子どもさんの顔を見てなだめてあげたいのを我慢して、電信柱になりきっておられましたね。ちょっとウルっとなりましたわ(苦笑)。

 

仕事中にはそんなんならへんけど、ああいうアドバイス通りの実践をやっておられる姿を見て、自分の仕事の責任の大きさを改めて自覚しました。

 

あと、あのー・・・。少しネタばらし。

 

出だしで「僕がやれば良くなるのは当たり前と思ってるんですよ」という部分。このシーン、背景をご覧下さい。学校です。ここは「学校コンサルテーションの醍醐味は?」と聞かれた際に、「私が直接やったらうまく行くのは当たり前。でも、それがどれだけ魔法のように見えたとしても、学校の先生も言った通りに練習してもらえれば同じことができるし、同じ結果を生み出せるんですよ」というふうなことを答えているんです。

 

それなのに、続くナレーションが「たいそうな自信」です。

 

なんですとー( ̄▽ ̄;)

 

まあ、そういうふうにキャラを形作っていくのもテレビですからね。笑

 

あ、しかもこうやって言い訳みたいなことを言いましたが、どっちみち「私が直接やったらうまく行く」という前段の部分は変わりありませんね。傲慢と言われても仕方ありません。ただ、それは「必ず責任を取ります」という決意表明だと思っていただくしかありません。

 

ラストのほうで「子どもの変化から、自分の方法が合っていたかどうか確認し、学んで行く」という姿勢を話していると思います。その姿勢はむしろ謙虚だと思うのですけども。

 

仕事上では「自分が正しいから○○する」というスタイルは、これからも取りません。「○○が正しいかどうかは、予想通りの結果が起きれば証明される」というスタイルです。「自分が正しい」かどうかなんて、結果で証明されるまでは分からないからね。

 

言えることは「自分には経験が(山ほど)ある」というのは、これは事実として申し上げられます。なので、もともとトゥレットってのもありますが、たくさんの経験から結果が見えているということです。今回の番組でいえば、摂食障害の事例で、直すのに必要な回数「1回」と事前に宣言しておいたことなんかが、まさに象徴的です。

 

あ、ちなみにトゥレットのくだりですが、「マンガ 奥田健次の出張カウンセリング – 自閉症の家族支援物語」をご覧下さい。お医者さんの実名もあげて、どのような流れでこう言われることになったのか描かれております。

 

とある学会で、摂食障害の事例を直すのに半年や1年かけて、しかも直ったように思えない、むしろ悪化しているようにさえ見えるようなケース発表を聞くと、イラッとしてしまいます。行動論的アプローチが「一緒」でも、どうしてここまで差が出るのでしょうかねえ。あ、「半年や1年かかるのは、そっちのケースのほうが重症度が高いからや」と言うのは失格ですよ。患者のせいに、すな!

 

以上、長文でした。

 

奥田健次

 

【奥田健次研究室からのご案内】

(1)ご相談の申込みその他の条件は、ホームページをよくご覧になってからにして下さい。

(2)行動分析学道場2017の募集は、一両日中には公開されます。

(3)保護者向け合宿2017の募集も、近日公開です。

(4)講演会と無料子育て相談会は、現在、予約受付中です。無料子育て相談会には、お子様の年齢対象がございます。対象年齢以外の方の例外的参加は認めておりません。

記事
« トップへ戻る »

コメント (2件)

現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。

  1. こんにちは(*´∀`*)ノ

    やっと録画していた番組を観ることができました!
    NNNドキュメント以来の動く奥田先生だったので瞬きもせす画面にかぶりついて観ました。笑

    テレビ、新聞雑誌の取材を受けて自分の本意を伝えて貰えないのは歯がゆいですよね。でも奥田先生の信者は分かってますから。(宗教か?笑)

    番組の中の親御さん、学校の先生、子供達皆の笑顔が全てを物語っている気がしました。

    突っ込みどころ満載の農園(^-^;)サツマイモは残念なことになってましたが「むかごがおいしい」なんて発言が出てビックリ。なかなか通ですね。私も農園のお手伝いをしたいなぁ。子供達とワイワイ言いながら芋掘り楽しそう。なんて思いながら観てました。

    まだまだ暑い日が続きますがご自愛くださいませ。

    あ、Facebookも楽しみに見てますよ♪

  2. 私はABAの専門的な知識はないので恐縮ですが、子供の療育から日々学んでいる一保護者として、何かひとつのメソッドに答えを見出だすのには限界があるように思っています。たくさんの療育関係者と関わりを持ってきましたが、きっと数秒単位の切り出すタイミングや間だったり、その子に響くアイデアの発想力は、メソッドではなく、やはり個人個人の才能の差があるように思います。正に芸術だと思います。ドキュメンタリーは白黒はっきりとしたストーリーがありましたが、勿論、奥田先生が仰りたかったグレーの部分も多分にあるかと思っています。二歳のお子さんは、我が子よりも発語にステップを要しているように見受けました。(我が子は二歳半前には二語文が出ていました)私もたくさんの苦労があったと思っていましたが、こんなにも言葉を発するというのは、数々のステップを踏んでいるのだと知り、私たち当たり前のだと思っている奇跡にに感動しました。 素晴らしいセッションの一部を垣間見れて良かったです。更なる活躍を応援しております。


コメントする

Diamondo Blog イチオシ芸能ニュースもっと見る

ピックアップブロガーもっと見る


インタビュー特集もっと見る

 

奥田健次(行動分析学者)トップページへ

奥田健次(行動分析学者)プロフィール

プロフィール写真


奥田健次(おくだけんじ)
身長・体重 174cm・63㎏
生年月日 1972年1月20日
血液型 B型
出身地 兵庫県

プロフィール詳細

このブログの更新情報が届きます。

奥田健次(行動分析学者)モバイル版

ブログモバイル版

奥田健次(行動分析学者)オフィシャルブログ
http://www.diamondblog.jp/kenjiokuda/

奥田健次(行動分析学者)カレンダー

2017年4月
« 3月   5月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

奥田健次(行動分析学者)カテゴリー

奥田健次(行動分析学者)アーカイブズ

奥田健次(行動分析学者)リンク

奥田健次(行動分析学者)お仕事依頼