【新刊】教師と学校が変わる学校コンサルテーション
パートタイム教授、奥田健次です♪( ̄∠  ̄ )ノ
大学を超早期にサラッと退職して、西軽井沢で学校づくりをやっています。
今年4月、幼稚園を開園しました。
さて、新刊のご案内です。
金子書房から来月9月に出ます、下記の本。
教師と学校が変わる学校コンサルテーション
(柘植雅義監修 ハンディシリーズ 発達障害支援・特別支援教育ナビ)
奥田健次 編著
私、初めて編者になりました。
はじめてのへんちょ
最初は「時間もないし、とても無理です」とお断りしたのですが、「とにかく何でも良いからやってください」と依頼され「それなら学校コンサルテーションなら、かなり実践のお手伝いをしてきた実績があるので可能かも」と引き受けた次第です。
それから1年以内に完成できました。
幼稚園の開園前後で大変だったのですが、早々に書いて下さった方々に迷惑をかけたくない一心でした(確立操作)。
また金子書房編集部担当の「忘れかけた頃のプレッシャー」が天才的でお見事でした。忘れさせてくれないのよね(苦笑)。
実際、私が着手をし始めたのがゴールデンウィークからなので実質3か月のスピードで完成。
ズルズルと2、3年かけてゆっくり書いた本よりも、頭の中に描いていたものを一気に書き上げた本のほうが良いのが出来る。(一気にといっても、たった1章を書き上げるのに半日かかって身体が鶴の恩返しの鶴くらいボロボロになりますが)
この本もまた、完成してみると想像以上に良い仕上がりになったと実感しています。
目次です。
第1章 教師・支援者のための学校コンサルテーションのすすめ……奥田健次
第2章 学校コンサルテーションの意義…………………………島宗 理
第3章 学校コンサルテーションとSchool-wide Positive Behavior Support(SWPBS)……大久保賢一
第4章 基礎学力向上のための学校コンサルテーション……野田 航
第5章 通常学級における学校コンサルテーション…………大対香奈子
第6章 特別支援学校における学校コンサルテーション……田中清章
第7章 保育所や幼稚園に対するコンサルテーション……猪子秀太郎
第8章 学校コンサルテーションを成功に導くために………奥田健次
第9章 コンサルテーションの事例から
[1]強度行動障害の発達障害生徒への支援―「暴力ゼロ」への取り組み ……日野浩志
[2]強度行動障害の発達障害生徒との「距離感」を取るための支援 ……前野宏行
[3]自閉スペクトラム生徒の他者との適切な関わり方の支援…高津 梓
[4]学校コンサルテーションにおける教師と保護者の行動変容―長野県の特別支援学校の事例研究会から……上條くる美・青木高光
[5]療育センターでの事例―コンサルテーションを受けた保育士による親子支援……笹田夕美子
分担執筆者は上記の通り、実践者としても研究者としても活きのいいメンバーが揃っています。
島宗先生に分担執筆をお願いするのは恐縮しましたが、この本の趣旨をお伝えすると「ぜひ出すべき本です」とのことでご協力いただけました。
徳島の実践を知ってる方なら「ほとんど徳島本(笑)」だと気づくことでしょう。
それではちょっとということで、私が関わった長野県の学校や浜松市のセンターでの取り組みも所収することにしました。結果、バランスも良くなりました。
この教科書の良いところは序盤の解説編も、それなりに具体例をもって解説がなされている点。そして、後半にはコンサルテーションを受けた事例が5つも紹介されている点です。机上の空論ではなく、思いっきり実践向け。実践から始まって完成した教科書とも言えるでしょう。
分担執筆は何度もやっていますが、私が編集を担当するのはとにかく初めて。
でも、この5つの事例すべてのコンサルタントは私なのです。つまり「あんまり知らない人にまったく知らない事例を書いてもらった」みたいな大御所あるある編集ではなく、「すべての事例を熟知した上で編集した本」となっています。
かなり激しい強度行動障害に対して、私がどのようなコンサルテーションを行ったか。
ぜひ、読んでみて下さい。
最近、私のマンガ本『拝啓、アスペルガー先生【マンガ版】―異才の出張カウンセラー実録』と『マンガ 奥田健次の出張カウンセリング – 自閉症の家族支援物語』が印刷版も電子書籍も共に売れていますが、電子書籍のまんが王国の匿名レビューのレベルの低さには呆れています。
すべて何度も繰り返している事実なのに「そんな簡単に直るわけがない」「そんな簡単に直るのは、その子が超軽度だから」という類のコメントです。まるで直ったらアカンみたいなコメント。
ただの循環論になっているの、分かってないんでしょうね。
「直ったら軽度」←→「軽度だから直る」
「直らないから重度」←→「重度だから直らない」
こういうやつ。
自分が上手く行かずに苦しんでいる中、上手く行った人の実例を腐すようなネガティブな感情。
まあ気持ちは分かります。
しかし、感情優先で事実まで否定しますか?
残念ですが、怒りやヘイトなどのネガティブな感情を優先したって何の解決にもなりませんよ。誰も得をしません。てか、みんなが損をします。
行動は変えることができる。
たったこの1つの事実に直視できない人は、、、まあ残念ですね。
私ほど困難事例を担当してきた人はいません。この20年間、徳島県から欠かさずにコンサル依頼を受けていますが、ご覧の通り「奥田先生には、特に行動障害など困難事例の対応を」と言われており、他で相談を受けたのにスッキリ解決しなかった場合にそのケースが回されてきます。
上記は分担執筆者の一人、徳島県の田中先生のインタビュー記事です。最初から、お読み下さい。
この「徳島モデル」を私は私費を投じて全国に飛び火させるようにアクションを起こしてきました。
徳島の先生方に、無理をお願いして出前で信州まで来ていただいてサマースクールを開催してもらったり、私自身が長野県でも心ある先生方の依頼を受けて学校コンサルを開始したり・・・。
ずっと全国発信をしていたのに長年の間「徳島だけ」だったモデルが、ようやく着実に各地に拡がりつつあります。
その「とくしま発」の良き震源地とその拡がりの一端が、この本『教師と学校が変わる学校コンサルテーション』に現れています。さらにこの教科書を通して、各地に拡がっていくことでしょう。
マンガしか読まない人は読まない(読めない)でしょうが、こういう教科書を読んで、知らなかった世界を知ってもらいたいものです。
私の直接指導を受ける機会は時間的にも経済的にも許さない場合でも、こうした学校コンサルテーションを保護者として学校に導入するよう努力していただければ。実現すれば、間接的にでもお困りのことを解決に導くことができるでしょう。
第8章ですが、過激かもしれません。
学校側のコンサルテーションを受けない理由(外部の専門家との協働を阻む理由)について、生々しい事例を取り上げながら解説しました。
書き上げた後、「こんな教科書は他にはないなあ、自分にしか書けないなあ」と思いました。私の書いた第1章は誰でも書けると思いますが、第8章はさすがに『嫌われる勇気』がないと書けんよ。
監修者の柘植先生には「削除しろと言われたら、編者を降りますので」と出版社編集部を通して伝えておきましたら、「このままで大丈夫です」と受け入れていただけました。柘植先生も肝が据わっているなぁ。でも、事実ですから隠すことはできませんから当然。
当事者や保護者が賢くならないと何も良くならないので、この本は支援者や学生だけでなく保護者がしっかりと読んでおくべきでしょう。なぜなら、当然に受けられる権利のことも書かれてあるためです。
企画段階のタイトルは『学校コンサルテーション』でした。そこに私が副題に『教師と学校が変わる』と付けました。この副題の通りのことが起こるならば、保護者にとっては願ってもない話でしょう?
今から予約が可能のようです。下記のリンクからどうぞ。
ぜひ、ご一読下さいませ。
そして、こういうことを実現している学校や幼稚園、保育所等が事実あるのですから、学校にご不満をお持ちの方々はこの教科書に書かれてあることをご自身の学校で実現できるよう取り組んで下さい。
そういう取り組みには敬意を持って応援したいと思います。
奥田健次
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