親子で読む絵物語・第1話「青い鳥」4
「青い鳥」
原作・メーテルリンク 文・水野英子
4・「思い出の国」
2人はいつか霧の立ち込めた小道を歩いていました。
向うの大きな柏の木に札がかかっています。
「思い出の国」
「何だかなつかしい所だなあ」
霧は少しずつ晴れてきました。
「あ、亡くなったおじいさんとおばあさんの家だ!」
「まあ、チルチルとミチルじゃないかい!
今日あたり会いに来てくれそうな気がしてたんだよ!」
「おじいさん、おばあさん、元気だったの!?」
「ああ元気だとも。おまえたちが思い出してくれるかぎり
私たちは変らないんだよ」
何もかも昔のままでした。チルチルが昇って遊んだ木も
柱につけた傷も・・・。
(つづく)