親子で読む絵物語・第1話「青い鳥」13
「青い鳥」
原作・メーテルリンク 文・水野英子
13・あたりは一変しました。
美しい花園の中で天使のような子供たちが遊んでいます。
「こんにちはチルチルさん」
「ぼく、きみたちを知らないけど」
子供たちはどっと笑いました。
「ぼくたち、いつもあなたたちのすぐそばにいるんですよ」
「ぼく、(健康である幸福)」
「(清らかな空気の幸福)」
「(両親を愛する幸福)」
「(青空の幸福)」
「(冬の日の幸福)・・・」
「ねえ、(青い鳥)を知らない?」
チルチルは言いました。皆はまたどっと笑いました。
「なぜ笑うの?」
向うにヴェールをかぶって佇んでいる人がいます。
「あの人見たことがあるような・・・あっお母さんだ!お母さんだ!」
駆け寄ったチルチルとミチルをお母さんはしっかりと抱きしめました。
「ほんとのお母さんなの?家にいる時よりずっときれいだね」
「おまえたちの笑顔やキスのひとつひとつがお母さんを若く
きれいにしてくれるのです。
家にいてボロを着ていてもお母さんはたったひとりしかいません。
皆がいっしょにいて幸せな所はみんなここと同じ天国なのよ」
それは(母の愛の喜び)でした。
光とお母さんはしっかりと抱き合いました。
「私の子供たちに親切にしてくれてありがとう!」
皆はまた(青い鳥)を探しに行かなければなりませんでした。
(つづく)