小説『1リットルの涙~難病と闘い続ける少女亜也の日記~』を読んで
みなさんこんにちは!
”歌う絵本作家”よねだ まみです(*´ω`*)
小説『1リットルの涙~難病と闘い続ける少女亜也の日記~』(作:木藤亜也)を読んで。
まず、この記事はあくまでもよねだまみの個人の主観での感想であり、全ての方の価値観とは異なることを前提とする。
(ネタバレ注意)
この本は難病の1つである「脊髄小脳変性症」という病気にかかった木藤亜也さんの日記をもとにした実話である。
母の潮香さんが生前中日記をまとめて書籍となった。
残念ながら出版後の昭和63年5月23日に亜也さんは亡くなられている。
沢尻エリカさん主演のドラマで知ってる方もいると思うが、かなり内容がドラマ用にアレンジされているので、小説を読んだことがない人はぜひ読んでみてほしい。
(ドラマより前に映画化かもされています)
まず、この話を読んで一番最初に思うことは凡人の感想だが、若くして亡くなるのは可哀そうだということ。
でもどこか「可哀そう」だけで片付けてはいけないと思うほどに、亜也さんの生き方は立派なものだと著書から感じた。
15歳まではなんの変哲もない普通の学生生活を送っていた亜也さん。
病魔は突然襲ってきて、わずか1年あまりで歩行も困難になってしまうほど病気が進行してしまう。
脊髄小脳変性症という病気は発症から5年~10年で亡くなるのが普通のようだ。
先天性の障害とは違い、健常な状態から障害を持つようになる。
元気だったころの自分が忘れられず、精神を病んでしまう方も多いと聞いた。
著書では祖父江医師の病気に対する解説ページには亜也さんが病名を知っている描写が出てきている。
しかし、本文の日記なる部分には病名やそのことに関する記載が一切ない。
病状の進行や不安は時々綴られているが、あまりにもネガティブなことは書かれておらず、「~悔しい」などの”生きたいという意思”が多かったように感じた。
「私は死ぬんだ」といった内容は一切なかった。ずっと一筋の光を求めて懸命に生きている姿がそこにはあり、彼女の強さや人間としての素晴らしさを感じた。
また、この著書からは母の偉大さや家族の支えの様子が綴られており、何度も目頭が熱くなった。
母の潮香さんは保健師だったようで、病院に初めて受診する前から娘の変化に脳(神経)の病気を疑っていたようだ。
だから迷わず祖父江医師のいる名古屋大学病院に行ったのだろうと伺える。
覚悟はしていただろうが、診断がされてからは苦悩の日々だっただろう。
潮香さんを激励したい気持ちだった。
出来ることを精一杯取り組んでいた亜也さん。
病状が悪化しても諦めることもなく、真剣に取り組んでいた。
なんだか自分の生き方が恥ずかしくなるくらい、前向きな姿勢は学ばなくてはいけないと思った。
実際、この本で考え方が変わったり励まされた人は多かったようだ。
私も感じたことを忘れず、今を精一杯生きようと思う。
ただ、1点。
これはあくまで私の価値観だが、そうは思いたくないと感じる描写があった。
それは31Pにある「母のひとこと」。
”自分を不幸とは思ってはいけない。それ以上に不幸な人がいるんだと考えれば、また我慢もできるからね”(抜粋)
こう記されていた。
私はだれかを下に見るのが好きではない。
だから、自分より不幸な人がいるからと考えるのがなんだかなあと思った。
だが、こうも重い病気にかかると”そう思わざるを得ない”のかなと思った。
すがるものがない。それこそ、心の拠り所がない。
行き場のない想いに、そう考えるしかなかったのかもしれない。
当事者ではない私には、とうてい測り知れない感情といったとこだろう。
話は変わるが、私は中高私学の学校へ通った。
ミッションスクールで、愛と奉仕を大切にしている学校だった。
年に4回、「訪問の日」と呼ばれるものがあり、老人ホームや病院、福祉施設に訪問する機会があった。
中学のときだったか、高校に入ってからだったか忘れたが、静岡市にある「静岡てんかん・神経医療センター」に訪問したことがあった。
病名まではわからなかったが、車いすで生活している方や寝たきりの方が多くいたことを覚えている。
重症な患者さんは話しかけてもほとんど反応がなかったりと会話ができない。
ただ、手を握って「こんにちは」としか言えなかったのが今でも鮮明に残っている。
実際に訪問をした時も、この著書を読んだ時もそうだが、自分にできることが無いなと無力さを感じる。
紙芝居を読んで分かるわけでもない、そんな方々にいったい何ができるのだろう。
せいぜい寄付ぐらいだろうか。
あとはこうしてブログに綴ることによって、こういう病気があるんだということを関心があまりない人たちに伝えることくらいだろう。
忘備録として。
生きているだけで儲けものなんだと、だれもが思えるようになってくれたら嬉しい。
よねだ まみ
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