（その3／全4話）多くの方が感じた目覚め。長野での出会い。
突然ですが、人の顔ってどんどん変わります。
少なくともこの時期の僕の顔と今の僕の顔、全然違います。
無論髪型が全然違うので、なおさらですが(笑)。
こんにちは。初めましての方もそうじゃない方も。
SambaダンサーのMasashi（マサシ）と申します。
僕の友達たち、その中でも僕と出会ったことによって
人生変わった人たち、昔と今、全然顔が違います。
生き方で輝きも違います。
長野で出会った人たち。
その時の僕にとっては新鮮だったし、とても衝撃的だった。
この人たちどうやって暮らしているんだろう。
こんな風に生活していて不安じゃないのだろうか？
と思う反面、なんでこんなに輝いてるんだろう。
生き生きしてるんだろうと不思議に思った。
今考えれば当たり前なのだけど、
自分の幸せに迷いのない人達。
まだ当時の僕が解けていない洗脳。
システムから外れて生きることへの抵抗感。
ヒントを探していたので、僕はその状況を自分に
置き換えて想像してみる。
例えば、古民家を自分たちで改装して民宿をやっている
方々。有機野菜の体にいい食事を出してくれる。
僕らが訪れた夏場、僕ら家族のほかに同じように
幼い子供をつれた家族がいた。
でも、それ以外にはお客さんはいなかった。
そんなに宿泊料も高くはない。
冬場になると雪が多くて閉ざされるんですよ！と
笑いながらいう。
え？大丈夫なの？こんな山奥で、お客さんいなくて
雪も降って、どうやって収入得てるの？
なんで笑って、楽しそうに暮らしてんの？
ご飯おいしいけど、肉とか食べなくて平気なの？
幼い子供を連れた家族連れとも話しをした。
僕の子供と同じくらいだったので、
子供同士遊ばせながら。
印象深いのはお父さんの顔。
僕と変わらない年齢とおもうが、
とにかく柔和で、しゃべり方にも余裕あって、
子供と一緒にいられるのが幸せそうだった。
お仕事は何しているのかを聞いた。
草木染をしていると。
そういえば、服装も僕とは全然違う。
僕はブラジルで買った原色のＴシャツ、
彼は麻の薄い茶色の服。
草木染以外は何もしてないという。
え？それで家族養えるの？
奥さんもとても穏やかで、
不安を抱えてるように見えない。
この後近くの河原にいって
草木染用の植物を取りに行くと。
逆に僕が不安になった。
正直理解できなかった。
僕とは違う人種だと思った。
僕は何となく会話の輪から離れて、
部屋の隅の小さな本棚の前に
座った。
昼時で強い日差しにもかかわらず
クーラーもついてない古民家のなかは
広々として涼やかに風が流れている。
本棚の「東条百合子著 自然療法」
というタイトルの本が目に付いた。
何となく開いて読んでいた。
あれ？俺ここに何しに来てるんだっけ？
何を守ろうとしてんだ？
何に抵抗してるんだ？
ちっぽけなプライドと目の前にいる人たちの
穏やかさに対する劣等感とのせめぎあい。
今、自分はどんな顔をしてるんだろう。
（つづく）
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