そーれっ!なんの意味もない!
-部屋の掃除を始めたのだが一向に終わる気配が無い。
女は途方に暮れていた。
寧ろ始めた頃よりも物は散乱し、とても部屋と呼べるような状態ではない。
蛯原メイという女はA型だ。
故に、公共の場や共用の場でものを散らかすことをとても嫌っている。
だが 自室 という、誰も足を踏み入れることのない自分のテリトリーはどうやら別らしい。
物に溢れた部屋は足の踏み場もなく、さすがに自室とはいえ見て見ぬふりも限界がきていた。
「いやこれはさすがに笑えないッス。」
女は意を決した訳だが、冒頭の通りである。
平積みになったマンガを整理しようと手に取り、なんとなくペラペラと捲ったが最後。
時計の針は2週を過ぎ、読み終えたそれらがまた虚しくそびえ立っている。
女はしばしの沈黙の後、何かを悟ったように呟いた。
「………明日にしよう。」
余計に散らかった部屋は完全に女の気力を奪い、積み上がったマンガはボテッと間抜けな音をたてて崩れた。
完
( •́ .̫ •̀ )