口蹄疫を忘れないシンポジウムin宮崎
口蹄疫を忘れないシンポジウム。
こんにちは。
〜人とお肉をつなげるサイト〜Meat UP!主宰の片平梨絵です。
今回、講演させていただいた「口蹄疫を忘れないシンポジウム」は、
2010年の口蹄疫第一例目が公表された4月20日に合わせて、
宮崎日日新聞社さんが、畜産を考える趣旨で毎年開催しているもので、今回で5回目を迎えました。
ことしは、9月に宮城全共を控えていることから、宮崎牛の今後について考える企画でご依頼をいただきました。
2010年の口蹄疫では30万頭の牛、豚が犠牲になりました。
食肉業界の記者をしていた当時のことを思うと、チクチクっとなんとも言えない気持ちでいっぱいになります。
あれから7年の時間が経ち、県外の人間はとくに風化している気がします・・・
私自身、今回の講演とパネルディスカッションにのぞむにあたり、
当時を振り返るきっかけとなりました。
当時、流通各社で応援セールが展開されていました。
東急ストアには女優の斉藤慶子さんも応援に立っていました。
移動制限解除後のイオンのセール。
イオンは宮崎県産和牛6t分を拡販していました。
セール初日は、品川シーサーイド店に東国原前知事が駆けつけていました。
2010年の食肉通信の夏季特集号。↓
記者をしていた十数年、業界ではBSE、鳥インフル、口蹄疫など、本当に様々な問題が発生しました。
生産、販売、それぞれの苦しい立場を共有する中で感じたのは、
建設的な対話がないまま消費者の不安が実態以上に膨らんでいってしまうこと。消費不振を招くこと。
それは、業界にとってだけでなく、消費者にとっても損失です。
今回のシンポジウムに関わらせていただきながら、
業界と消費者の間にいる、自分の役割、使命のようなものを改めて感じました。
さて。
基調講演では、
素牛不足と市場の国際化で 「岐路に立つ和牛マーケット」
〜赤身VS霜降り論争と牛肉の美味しさとブランディング〜
をテーマに講演しました。
消費地で生活する立場、生産・流通・販売・各段階の課題を感じる立場から、
・国際化が進む和牛マーケットの現状
・牛肉の美味しさ
・畜産物のブランディング
について、お話ししました。
講演後のパネルディスカッション
パネラーは
・新垣ミート専務、新垣幸洋さん
・ミヤチク副社長 井手勝彦さん
・和牛農家 鎌田秀利さん
宮崎牛の今後、全共3連覇に向けて各人が意見を交わしました。
県では、何がなんでも3連覇を死守しなければ!というムードが強かったです・・・・
その点については、
もちろん3連覇による波及効果はあると思いますが、
私としては、そこだけにしがみつかなくても、宮崎牛を高めるためには、もっと違ったアプローチもあると感じました。
霜降りの改良は全国的に行き着いた感があると思うので。
3時間にわたるシンポジウム。
宮崎の畜産関係者にとって聞き心地の良い話ではないことも提言しました。
嘘がつけないし、お招き頂いた以上は、宮崎牛の未来のために私なりの考えをお伝えしなきゃ…と。
すごく迷ったところもありましたが、
この日、嬉しかったことがありました。
なんと!!
黒木法晴さんが講演を聞いてくださっていました。
宮崎の和牛改良に人生を懸けてこられた黒木先生。
講演後、黒木法晴さんが「為になる話でした。メモをとりましたよ」とおっしゃってくださり、感激しました。
真面目に向き合って良かった。
学生時代の親友との再会、天狗吉本さんの熱烈歓迎。
宮崎の気候のように、ぽかぽか温かい2日間。ありがとう。
主宰:片平梨絵