ダイエーが和牛繁殖事業に本格参入!さつま姫牛の安定供給へ
9月23日に創業60周年を迎えるダイエーが黒毛和牛の繁殖事業に本格参入します。
こんばんは。
〜人とお肉をつなげるサイト〜Meat UP!主宰の片平梨絵です。
創業60周年を前に9月19日に行われた記者懇談会に出席してきました。
近澤靖英社長がダイエーグループの現在の挑戦や今後の計画について説明。
鹿児島サンライズファームが和牛の繁殖事業に本格的に乗り出し、黒毛和牛の繁殖肥育一貫生産体制の確立を目指すことを正式発表しました。
肉牛と肉豚の生産を手掛ける鹿児島サンライズファーム(鹿児島鹿屋市)は、肉牛部門では黒毛和種の雌牛に特化しダイエーオリジナルブランド「さつま姫牛」を展開してきました。
鹿児島サンライズファームが手がける「さつま姫牛」、「さつま王豚」は食のSPA化を推し進めるダイエーの代表的な商品。
農水省の「フード・アクション・ニッポン・フードアワード」にも連続表彰されています。
そして、鹿児島サンライズファームは黒毛和種の雌牛に特化した肉牛生産企業として国内最大規模の飼養頭数を誇ります。
これまでは、肥育専業の生産グループとしてダイエー店舗に年間で約3000頭のさつま姫牛をを供給してきましたが、昨今の子牛価格の高騰や繁殖農家の離農が深刻化する中、自社で繁殖事業に乗り出すことにより、さつま姫牛の安定供給を目指すものです。
**********************************************************************
当初、預託先などからは繁殖事業の参入には反対意見があったそうです。
それもそのはず。繁殖は肥育のペースで拡大を図ることはできない、全く異なる仕事。
種付けから出産、育成… 。その後の肥育、出荷に至るまで長い長い年月を要します。生半可な決意で足を踏み込めば、肥育部門の資金繰りまでおかしなことになってしまうのです。
長年のパートナーである預託先が心配するのも無理はありません。
しかし。
1頭あたり50万以下で素牛導入することができた数年前とは市場環境が大きく変わっています。
1頭あたり80万円まで高騰した素牛を継続的に導入することは容易ではありません。30万円近い差額を店頭価格に反映することは現実的ではないでしょう。
自家産で素牛を生産することができれば、単純に言えば1頭80万円で買わなければならない子牛を、生産コスト分の50万程度で調達できることになります。
たいへんな決断、挑戦。
手探りの段階ではあると思いますが、Uターンなど、畜産県・鹿児島ならでは人材を活用しながら、無理のない規模、ペースで繁殖事業が充実していくこと、高山社長のご健闘をお祈りしています!
**********************************************************************
具体的には。。
新たな繁殖部門では、2016年12月から月3頭のペースで黒毛和種の繁殖用素牛を導入をスタート。
すでに、ことし8月から種付けが始まり、2018年1月に母牛の登録を開始する計画です。
また、併行して交雑種の繁殖用雌牛への受精卵(ET)移植による和子牛生産にも取り組んでおり、先週、初となる自家産子牛が誕生したとのこと。
ちなみに初めての自家産子牛は女の子だったそうです㊗️❗️❗️
おめでとうございます
現状で繁殖事業は黒毛和種繁殖雌牛40頭、交雑繁殖雌牛100頭。
これを2020年までに黒毛和牛と交雑牛あわせて繁殖母牛500頭体制まで拡大していく計画です。
ただし、
さつま姫牛は雌牛だけに特化していることから、生まれた子牛のうち雌牛は肥育もしくは繁殖用に保留し、雄牛は家畜市場へ出荷し、他の肥育農家に販売していくことになります。
*1年1産、事故率ゼロ、雌、雄が半々ずつ生まれたと仮定し場合、自家産のさつま姫牛の生産頭数は年250頭という試算ですね。
これにより、総肥育頭数は5500頭まで増強され、さつま姫牛の年間出荷頭数は3500頭になる見込みです。
なお、SFはことし5月に直営農場の高牧フィードロットで国際的な品質マネジメントシステム「SQF」認証を取得しました。
今後、預託農場についても認証取得を推進する方針で、輸出市場も視野にグローバルブランド化を図っていく方針です。
主宰:片平梨絵
コメント (0件)
現在、この記事へのコメント/トラックバックは受け付けていません。