気温4度。
風は無し。
満潮8時04分。
中潮。
前日のアルコールも残っていない。
年1行事の真鯛ダービー。
昇一が、データを調べこの日になった。
午後から傘マークだが、影響ない。
朝、暗いうちから港に着き支度をする。
コンビニに寄り、おにぎりと水を購入し、トイレを済まし、防寒着を着て長靴を履く一連の動作に淀みはない。
デカいクーラーを船に積み、釣り竿とタックルボックスを抱えて乗船。
キーパーを設置し、リールを装着、PE4号のラインをガイドに通す。
天秤とビシとクッションゴムを装着。
出船10分前に準備完了。
いつもモタモタしている私は、初めて余裕のある準備が出来た。
見送りの船宿のおばちゃんとも船縁越しに世間話し、昇一とも記念撮影までする余裕。
それを見ていた同乗者に『釣れたら撮ってやるよー。』などとちゃちゃ入れられるが、『下船した時にいい表情かどうか保証は出来ないので…』
釣りは出発前が楽しい。
前日の道具のチェックから作戦会議、出船1時間前、船長の説明を聞くまでが楽しい。
頭の中ではもう釣れているイメージでいっぱいだからだ。
今年こそ60cmの真鯛を揚げるぞ……。
6時58分、船が港から離れる。
周りの釣り船も一斉に出船。
まるで競うかのように船団が一斉にポイントを目指す。
エンジン音が弱くなり、いよいよ釣りがスタートする。
港から15分程行った沖合。
『どうぞ、やってみて下さい。水深80メーター。ハリス分から1、2メートルの範囲で。』
この久里浜は“下から”なのでやりやすい。
約7時間の釣りで、この朝一番が最もチャンスタイム。魚達の朝食タイムだ。
コマセを詰めて、仕掛けを降ろす。
いつもモタモタしているが、今回はポイントに着いたらさっと出来た。
数分待って当たりが無ければすぐ回収。
付け餌がそのまま返ってくる。
先ずはコマセを撒いて、魚を集めなければならない。
手返し良く、作業していく。
3投目、7時30分。竿が“コツコツ”と反応。
リールを手で巻く。ドラグを緩めて慎重にやり取り。
下へ潜る。
この引きは真鯛だ。
右舷ミヨシの私に左舷ミヨシの昇一がタモ入れしてくれ、開始15分で本命真鯛が釣れた。
30cm弱の700g位。
塩焼きにはちょうどいいサイズ。
さあ、次はモンスターサイズをと、意気込むが一向に連れない。
上がってくるのは鯖。
タナまで仕掛けが降りず付け餌が取られてしまう。
その間、常連さんは順調に釣れていれる。
9時過ぎには、潮が速くなり仕掛けが横に近いくらい流される。
海底のイメージをしてマイナス2mくらいにタナを取るが、当たりなし。
その内に道糸が、すーっと30mくらい出て行く。
潮が速いなぁと思っていたら、突然“ガガガ……”と竿が持っていかれた。
魚であれば、超大物。
しかし、違った。
船のスクリューに糸が絡まり取れなくなったのだ。
仕方なく道糸を切り、仕掛けとサヨナラをした。
道糸100m程失ったが、まだリールには100m残っていたので続行出来た。
予備の天秤とビシも用意していて良かった。
一度沖に出れば7時間は港に帰れない。
色々想定して準備をしなくてはならない。
持って来ておいて良かった。
相変わらずの速潮。
二度目のチャンスタイムの13時。
また道糸がスルスルと出て行く。
ん?と思った瞬間、竿が“グングングン!”
またやってしまった………。
あと1時間残っていたが、観念し諦め糸にハサミを入れた。
残りの時間は1人帰り支度。
完璧に綺麗に片付け、汚した場所も拭き取り、ゴミも纏めて、後は昇一の応援。
彼はすでに真鯛3、花鯛2、ウマヅラ1の釣果。
14時30分前にタイムアウト。
万全に帰り支度をしていたのですぐに船から降りる。
2人共、目標の4キロサイズは来年に持ち越しとなった。
船宿で温かいお茶と菓子を頂きながら反省会。
冷えた体がほっとしている。
小さい頃、稚内のスキー場のピジョンハウスのストーブの周りであんまんとカップラーメン食べた時をを思い出す。
この時間も良い時間。
行きも帰りも早めに準備完了。
スムーズに事が運ぶ。
大事だ。
私の釣果、真鯛1枚、鯖6匹、船2回(バラし)
こうして、2012年は納竿になった。
また元気な姿で再会する事を約束し、帰路に着いた。
釣りは難しい……
でも楽しい。