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7.幸せか不幸かは主観である(2)

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 よく用いられるたとえ話があります。水が半分入ったコップを見て、「もう半分なくなってしまった」と悲しむ人もいれば、「まだ半分残っている」と喜ぶ人もいる。私がこの話を知ったのは、高校三年生になって最初に受けた倫理社会の授業でした。

 

 当時の私は、毎日が悲しく、自分は不幸だと思っていました。自分の学力が志望大学の合格レベルに達しておらず、しかも、共通一次試験まで九ヶ月しかないという現実に絶望していました。

 

 ところが、この話を聞いて、私の気持ちは大きく変わりました。今の学力では合格できない。これは確かに客観的な事実です。共通一次試験が九ヶ月後にある。これも客観的な事実です。しかし、「九ヶ月しかない」。これは主観に過ぎないと気付いたのです。

 

 高校時代の私は、俗に言う帰宅部で、部活動はしていませんでした。しかし、運動部の学生は、最後の夏に向けて勉強以上の大きな比重で部活動を頑張らなければなりません。それを考えると、自分は勉強のみに専念できるのだから、九ヶ月は準備期間としては十分過ぎるほどではないかと思えたのです。

 

「共通一次試験までまだ九ヶ月もある」

 

 私の主観がこう変わった瞬間に、悲しい、不幸、絶望などという気持ちはきれいに吹き飛んでしまいました。

 

 それからの私は、悲観する暇もないほどに勉強に没頭し、九ヶ月後の共通一次試験、そしてその後の二次試験に臨み、無事に志望大学に合格することができました。

 

 こうして、幸運にも高校生のときに「幸せか不幸かは主観である」と気付いた私ですが、それから十数年後、ITライターとしてデビューして五年が経過していた私は、度重なるストレスが原因でこの気付きに思いを馳せる余裕がなくなっていました。当時の私は、悩みが高じて、「雨が降っているだけでも憂鬱になる」という精神状態にまで追い詰められていたのです。

 

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第2章 真二、知らない間にマクロを記録してしまう
第3章 真二、おそるおそるマクロを実行してみる
第4章 真二、メッセージを表示して感動する
第5章 真二、オブジェクトとメソッドが使えるようになる
第6章 真二、プロパティを覚えてドヤ顔になる
第7章 真二、算術演算子と関数をらくらく使いこなす
第8章 真二、意外とあっさりコレクションを理解する
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大村あつしプロフィール

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大村あつし

1996年8月にエーアイ出版より『Excel95で作るVBAアプリケーション〜 VBAで作る販売管理システム〜』でITライターとしてデビューしたが、2007年6月にゴマブックスより出版された『エブリ リトル シング〜人生を変える6つの物語〜』で小説家に転身。まだ、IT書籍の執筆は一部、続けているが、現在の活動は小説が中心となっている。

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