大村あつしオフィシャルブログ

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　「私の本の読者の感想を聞きたい！　限られた友人だけでなく、できる限り多くのエクセルユーザーと対話したい！」

　そこで私は、インターネットに目を付けました。今でこそ、個人がホームページを持つことは珍しくありませんが、１９９７年当時は、個人はおろか企業ですらホームページの導入があまり進んでいませんでした。

　そうした中で、私は自分のホームページを作成し、そこにＱ＆Ａのフォーラムも併設しました。フォーラムを用意すれば、そこで読者の生の声が聞ける、みんながエクセルについて自由に議論ができると考えたからです。

　「本の執筆機会がないと落ち込んでいる場合ではない。こんなときこそ、インターネットを通じて多くの方々と情報交換をしながらお互いを高めあっていこう」

　今できることがなければ未来の準備をしよう。未来が見えなければ今できることをしよう。こんなことばがありますが、当時の私は、まさしくこの心境でした。

　こうして始めた『エクセル・ユーザーズ・クラブ』は、瞬く間に会員数が五千人を超え、なんと、国内最大のエクセルのフォーラムに成長したのです。当然、そこでは活発な議論が交わされ、私の元には、初級者は何に躓き、上級者は何に悩むのか、そのフォーラムの参加者でなければ知り得ない膨大な情報が集まりました。また、私の本の読者の忌憚のない意見も聞けて、ライターとしての自分の強み、弱みも認識できました。

　ちなみに、私は、そのフォーラムの投稿を私が使用することに同意した人のみがフォーラムに参加できるという規約を掲げていました。その代わりに、月に数万円のフォーラムの運営費はすべて私が負担していました。

　そして、『エクセル・ユーザーズ・クラブ』を設立して一年後に、その宝の山とも言える情報の使用権を持つ唯一の人物であった私は、いよいよ本の執筆に取り掛かります。その情報はあまりに膨大で、本は初級者向け・中級者向け・上級者向けの三部作として１９９９年の夏から２０００年の春にかけて順次発売されていきましたが、これが私の代表作となり、また、私のＩＴライターとしての成功を決定付けるものとなったのです。その売り上げ部数は六十万部。「ＩＴ書籍は一年経てば陳腐化する」と言われる中、ありがたいことに「エクセルのバイブル」との評価をいただき、今なお売れ続けています。

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第1章　真二、夜の公園でマクロとＶＢＡをはじめて知る
第2章　真二、知らない間にマクロを記録してしまう
第3章　真二、おそるおそるマクロを実行してみる
第4章　真二、メッセージを表示して感動する
第5章　真二、オブジェクトとメソッドが使えるようになる
第6章　真二、プロパティを覚えてドヤ顔になる
第7章　真二、算術演算子と関数をらくらく使いこなす
第8章　真二、意外とあっさりコレクションを理解する
第9章　真二、変数に腰を抜かす
第10章　真二、条件分岐と繰り返しでＶＢＡのすごさを知る
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