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小保方晴子、『あの日』を読んで(すべては風向き)

 

アンチ小保方のボクは、「どうせ、酒鬼薔薇の『絶歌』のように、一時のトンデモ本で終わるだろう。相手にしないに限る」と避けてきたのですが、複数の友人の勧めもあって、小保方晴子さんの『あの日』を読んでみました。

 

 

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そして、二重の意味で想像を絶する衝撃を受けました。

 

 

ボク達がSTAP細胞(STAP現象)について知り得た、その情報源はマスコミです。

 

 

当たり前ですが、ここからしか情報は得られません。

 

 

いえ、これが別のことでしたら(AKB48で次は誰が卒業するとか(笑)、ネットからでも情報は得られますし、そもそもボクはテレビはまったく観ないのですが、STAP細胞関連のことは文系のボクにはあまりに難解な話なので、そのほとんどをテレビの報道を真に受ける形で興味を持って観ていました。

 

 

そして、今さら言うまでもありませんが、きっかけは論文発表から10日ほどで、まず、インターネットで「論文の盗用」の疑惑が浮上し、後追いするように見識者が色々と検証するたびに、「この論文、おかしくない?」という雰囲気がまずはネット上で醸成されました。

 

 

ちなみにその間は、テレビはひたすら小保方さんをヒロイン扱い。

 

 

「割烹着が似合う美しいリケジョの星」として徹底的に持ち上げていたのですが(記者会見のときにはめていた指輪も話題になりましたね)、ある瞬間から「風向き」が変わりました。

 

 

最初に、テレビ、もしくは新聞で、「STAP細胞の論文に疑義がある」と報じたのがどこかはわかりませんが、その瞬間に、小保方さんに吹いていた追い風が、前からの逆風に変わりました。

 

 

一転して、「殺人者でもここまで凶弾するのか」というほどの「小保方叩き」が始まったわけですが、恥ずかしながら、ボクもその風にさっそうと乗り、ブログで何度か批判した覚えがあります。

 

 

当時、「真の悪は若山教授です。小保方さんは、利用され、嵌められたのです」なんて言ったら、確実に知能レベルを疑われたでしょう。

 

 

 

マスコミと一緒に小保方バッシングをしているほうが、はるかに楽だったのです。

 

 

そして、その状況では、誰がどう見ても若山教授は、小保方さんから「偽のSTAP細胞」を渡された被害者に映りました。

 

 

確か、ボクは、そのこともブログに書いた記憶があります。

 

 

ただ、先に、「二重の意味で想像を絶する衝撃を受けました」と書きましたが、小保方さんの『あの日』を読むと、景色が一変します。

 

 

老婆の横顔にしか見えていなかったのに、突然、若い女性の後ろ姿に見える「だまし絵」のように、

 

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善=小保方さん

悪=若山教授

 

 

と、立場が入れ替わるのです。

 

 

もっとも、それを目的に書かれた本なので、そうならないことには出版した意味がないのですが、読み終えて数日間、若山教授に怒りすら感じている自分に気付いたときにはさすがに驚きました。

 

 

ただ、それから日が経過して冷静になって、もう一度『あの日』を思い返すと(二度読みはしてません)、「結局のところ、科学者なのだから、STAP細胞を作ればいい話では?」と思い始めました。

 

 

小保方さんの主張では、「万能性を持っていると推察される初期化されたSTAP細胞(STAP現象)は作れる」との主張は変わっていません。

 

 

ちなみに、彼女が200回以上作ったのも、このSTAP細胞です(例の、緑色に光っているものです)。

 

 

そして、「失敗に終わった」とされている、監視カメラ付きの再実験でも、「有意性のある」このSTAP細胞は作れたのは事実です。

 

 

ところが、マスコミや世間のバッシングは、その細胞が万能性を発揮して、体のあらゆる細胞になれて(ES細胞では不可能な胎盤にもなる)、例の「キメラマウス」ができてはじめて「STAP細胞はありまーす」になるわけです。

 

 

ただ、この細胞の増殖で確立しようとしていたのは「STAP肝細胞」で、小保方さんは『あの日』の中でも、「私は、STAP肝細胞は作れない。作れるのは若山先生だけで、その若山先生が手のひらを返して、論文の取り下げを主張し始めたり、『ボクが受け取った細胞は何だったのか? STAP細胞を信じ続けるのが難しくなった』と、被害者のような神妙な面持ちでインタビューに応じるほどに態度を豹変させた」、的なことが書いてあります。

 

 

ちなみに、あのインタビューは確かに決定打でしたね。

 

 

まさしく、あの日を境に、小保方さんは「嘘つき」や「妄想」を通り越して、「この人、自分はヒトラーの生まれ変わりと信じているレベルの人と同じく、重度な精神病ではないのか」と全国民にレッテルを張られ、1年間ほぼ丸々、猛烈な逆風が吹き荒れ、「小保方バッシングは正しいこと」という風潮が形成されたわけですから。

 

 

そして、『あの日』を読めば、当時、裏ではなにが起きていたのか。

 

 

小保方さんはどのような心境だったのかがわかるのですが、ボクが「二重の意味で」と言ったのは、『あの日』を読んだボクの友人すべてが、「小保方晴子は悪くない。悪いのは若山教授だ」と、風向きを真逆にしたことです。

 

 

実際に、Amazonを見ると、☆4つ、☆5つのレビューが500個を超え、多くの人が「小保方信者」に変容しているさまが見て取れます。

 

 

恐らくですが、この本を読むまでは、「小保方は嘘つき」と思っていた人も相当数、含まれるでしょう。

 

 

さらには、コメント欄で、小保方支持者とアンチ小保方が喧嘩をしているありさまです。

 

 

そうなのです。

 

 

テレビと違って、「本」という媒体なので「突風」ではありませんが、徐々に風向きが変わりつつあるのです。

 

 

今、Amazonで「論文撤回を呼び掛けた若山教授は立派だ」なんてレビューを書いたら、もしかしたら袋叩きに合うかもしれません。

 

 

ただ、冷静に考えれば、上述のとおり、STAP細胞の第一段階を作れる小保方さんと、STAP肝細胞を作れる若山教授、2人で協力して「STAP細胞」を作ればいい話です。

 

 

こちらとしては、「ないこと」は証明のしようがありませんので、証明責任は、論文まで発表した2人にあるのは明白です。

 

 

もっとも、話がそうは簡単ではないことも(若山教授の協力が得られない。腐敗した組織の問題)、『あの日』の中で語られていますが、この本を読んで、「マスコミは恐ろしい。もう、信じない」と言っても、では、「告発本」を鵜呑みにすることは恐ろしくないのでしょうか?

 

 

ボクから見たら、結局は、「風に乗っているだけ」にしか見えないのです。

 

 

本当に、「風潮」、「風」と「潮」って、日本語は見事にできていますね。

 

 

ということで、若山教授からの反論がない以上は「告発本」の域は出ませんが、一介の研究者だった彼女が、突然全国民が敵になり、すべてのマスコミに執拗なバッシングを受ける中で何を思い、今、何を考えているのか。

 

 

これは、「読み物」としては、もろ手を挙げてお勧めできます。

 

 

こんなに面白く、また、科学の世界や組織論について深く考えさせられる本にはなかなか出会えません。

 

 

文章も、所々、自分に酔っていて、「この人、本当に自分のことが大好きなんだなー」と鼻白む箇所もありますが、とても上手で読みやすいです。

 

 

確実に、変な推理小説を読むより面白いでしょう(若山教授が特許の権利の51%を主張したのが事実だとしたら、それはなぜか、など、推測が広がります)。

 

 

ただ、繰り返しになりますが、これは小保方さんの『告発本』です。

 

 

信じる、信じないは個々の自由ですが、自分と意見が異なる人を糾弾する権利は誰にもありません。

 

 

「正義」は、自分の心の中にしかないのですから。

 

 

 

 

→ 『あの日』小保方晴子著 

 

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1-2 マクロを含むブックを保存する/開く
1-3 マクロの記録でマクロを作成する
1-4 マクロを編集・実行・登録する
1-5 マクロの構成と基本用語
1-6 Visual Basic Editorの基礎知識
1-7 エラーへの対処とイミディエイトウィンドウ

 

Chapter 2 VBAの基本構文を理解する

2-1 マクロの記録の限界
2-2 VBAの基本用語と基本構文
2-3 オブジェクトの親子関係
2-4 コレクションを操作する(すべてのブックを閉じる)

 

Chapter 3 ブックとシートをVBAで操作する

3-1 ブックを開く/閉じる
3-2 ワークシートの印刷プレビューを実行する
3-3 ワークシートを削除する
3-4 ワークシートを表示/非表示にする
3-5 シートを扱うときの注意点

 

Chapter 4 セルをVBAで操作する

 

Chapter 5 変数を理解する

 

Chapter 6 条件分岐を理解する

 

Chapter 7 繰り返し処理(ループ)を理解する

 

Chapter 8 対話型のマクロを作る

 

 

Part2 実践編

 

Chapter 9 変数の上級テクニックとユーザー定義定数

 

Chapter 10 ユーザーフォーム

 

Chapter 11 基本的な入力や表示を行うコントロール

 

Chapter 12 選択を行うコントロール

 

Chapter 13 その他の便利なコントロール

 

Chapter 14 文字列を操作する関数

 

Chapter 15 日付や時刻を操作する関数

 

Chapter 16 その他の便利な関数

 

Chapter 17 マクロの連携とユーザー定義関数

 

Chapter 18 イベントマクロ

 

Chapter 19 エラー処理

 

Chapter 20 画面表示と組み込みダイアログボックス

 

Chapter 21 グラフをVBAで操作する

 

Chapter 22 ファイルの操作

コメント (1件)

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  1. 私は小保方晴子さんのあの日を繰り返し読ませて頂きました。あまりにも衝撃的な本だと思います。


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大村あつしプロフィール

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大村あつし

1996年8月にエーアイ出版より『Excel95で作るVBAアプリケーション〜 VBAで作る販売管理システム〜』でITライターとしてデビューしたが、2007年6月にゴマブックスより出版された『エブリ リトル シング〜人生を変える6つの物語〜』で小説家に転身。まだ、IT書籍の執筆は一部、続けているが、現在の活動は小説が中心となっている。

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