スビトリーナ、世界1位のケルバーを撃破! チャイナ・オープン(北京)8(女子テニス197)
チャイナ・オープン(北京)
エリーナ・スビトリーナ vs アンジェリック・ケルバー 3回戦
コートの妖精、スビトリーナが
世界ランク1位のケルバーを
見事に破りました!
テニスというのは、時系列で追っていないと1試合観ただけではわからないこともあるのですが、ボクはケルバー戦は、全米オープンで優勝した後、武漢オープンのペトラ・クビトバ戦しか観ていません。
(一方のスビトリーナは、東レPPOをすべて観て、1試合は生観戦しています)
ですから、ケルバーがいつから太ももに包帯を巻いているのかわかりませんが(武漢でクビトバに負けたので、北京オープン以降であることは確実ですが)
この試合を観る限り、ケルバーが太ももの不調で負けたとは思えません。
(むしろ、別のことが気になりましたが、これは後述します)
前回のブログで ボクは、「スビトリーナは相手選手によって戦術を変えることができる選手」と書きましたが、まるでそれを地で行くように、ケルバー戦ではベースラインから一歩下がって、ケルバーと同じポジショニングで臨みました。
かといって、センターセオリーでケルバーのミスを待つのではなく、あのケルバー相手に一歩も引かずに、堂々とストローク戦で挑みました。
スビトリーナの勝因は、一言で言ってしまえば、スビトリーナのほうがストロークが安定していた、ということですが
(ケルバーはスビトリーナの倍以上のUnforced Errorsを記録しました)
ボクは、この試合のスビトリーナの勝因は3つあったと思っています。
1つは、1stセット第三ゲーム、スビトリーナがブレークダウンしていたのですが、ここでケルバーが伝家の宝刀のドロップショットを放ちました。
ボクは、テレビを観ていて、思わず「上手い!」と叫んでしまいましたが、今年の全豪オープンの決勝戦の第三セット、10分に及ぶロングゲームで放った、あのセレナのメンタルを破壊したドロップショットに匹敵する、パーフェクトなそれでした。
ところが、なんとそれをスビトリーナが拾い、「決まった」と思っていたケルバーは棒立ち状態だったのでリターンできませんでした。
この1プレーで、ケルバーはメンタルを削られブレークバックを許したのですが、このドロップショットが決まっていれば、少なくとも1stセットはケルバーが取っていたでしょう。
ちなみに、そのあとケルバーはもう1本、ドロップショットを打ちましたが、これも拾われて失点し、完全にケルバーの武器は封じられました。
2つ目は、1stセット、ケルバーから見て5-6の場面で、ケルバーは5、6回ブレークポイントを握ったのですが、ブレークできずに1stセットを落とし、ここで前述のドロップショットの件で弱っていたケルバーのメンタルはさらに削られました。
一方のスビトリーナですが、彼女は「Empire Tennis Academy」というロシアの学校でテニスを学んだのですが、ダリア・カサキナもそうですが、「ミスを引きずらない技術」を持っていますね。
気持ちの切り替えが早いので、少なくとも自分のミスがきっかけでメンタルが壊れるということがない選手です。
3つ目が前述のフィジカルの問題ですが、スビトリーナがServing for the matchになったときに、ケルバーはラリーをせずにすべてリターンエースを狙いに行きました。
そして、2本立て続けにミスをしたのですが、ミスをするたびに利き手の左肩を見ていました。
この段階で初めて、ケルバーのフィジカルに異変が生じた可能性があります。
いずれにしても、ボールが50cmでも浅くなれば相手のウィナーを喰らうという壮絶なラリー戦で、この試合を勝ち切ったスビトリーナは、ボクは前回のブログで「来年はTOP10」と書きましたが、早ければ全豪オープン後の2月くらいにTOP10入りしそうですね。
スビトリーナは、完全に覚醒したと言ってもいいでしょう。
あとは、サーブだけですね。
10位台を3年ほどウロウロしていた錦織圭がサービスを改善してTOP10の常連になったのは誰もが知っていますが、これでスビトリーナにサーブ力が付けば、向こう5年はTOP10選手として戦えます。
とにかく、安定感と引き出しの多さは、すでにTOP10ですね(*^^*)
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