横綱 大鵬
カーボーイハットをかぶって、ウクレレを背負って、ピストルを懐にしまい、小林旭さんの『渡り鳥シリーズ』に夢中になっていた3才の頃。実家のお客さんに「良ちゃん、唄って。」と言われると、「ギャラ幾らだい」などと、小林旭さんの台詞を真似て言って、100円貰って唄っていたそうである。この光景は、私も、おぼろげながら覚えている。こんな変わった3才児だった私が、いまでも、映画のワンシーンのように、鮮明に覚えている光景がある。それは、姫路城に、相撲の巡業が来たときのことだ。3才児の私のお目当ては、当時人気絶頂だった、横綱大鵬関。その大鵬関が、相撲を取り終えて花道を戻ってきたとき、「大鵬、大鵬
」と、叫んだそうだ。その時、大鵬関が私をひょいと抱き上げて、「坊や、大きくなって、強い男になるんだよ
」と、言ってくれたのです。この時の大鵬関の顔は、今でも忘れません。それからその後、おじいちゃんと手をつないで帰った帰り道の、おじいちゃんの本当に嬉しそうな顔も忘れられません。相撲が生きがいだったおじいちゃんにとって、孫が、天下の大鵬関に抱いてもらうなんて、本当にもう大変な出来事だったんでしょうね。大鵬関は、先日、大変名誉ある勲章を頂かれました。大鵬関、いつまでもお元気で
そして、一生の思い出を、ありがとうございました
良介
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