ガストンとの対話 Vol.33
ガストンさん、私は俳優をやっています。でも夢の中の話ですけれどね〜
「何か興味深い夢を見たのかね?」
えぇ、ここ数ヶ月連続している夢があります。以前から連続する夢を見ることは多くありました。今でもいくつか継続していますが、そのなかのひとつの夢です。ずっと大きな舞台のためにセリフを覚えて、稽古に励んでいる夢でした。
「その夢に何か進展があったのだな」
はい、前回の夢でゲネプロまで終了していまして、昨晩見た夢でついに初日を迎えました。夢を見ている私の意識からすると、セリフを覚えているかどうか不安でした。でもスラスラとセリフが出てきて共演者と会話をしています。現実世界の私が全く知らない世界の出来事なのに、自分がペラペラとセリフを話しているのに驚きました。やっぱりこうした夢は他の次元の自分だと考えていいのでしょうか?
「お前さんが見た夢だから断定はできないが、その可能性が高そうな夢だな。その芝居のストーリーは覚えているのか?」
SF系のストーリーで、共演している男優さんが親友だということは覚えています。でも、目が覚めると具体的なストーリーは忘れていました。幕間の休憩があって、後半の芝居がスタートしたところで夢が終了しました。ただ、そのとき言葉にできない強い不安を感じました。
「予想はつく。セリフが完璧に抜け落ちていたのだろう?」
よくわかりましたね!舞台の幕が開いたのに、私は全く芝居の内容もセリフも頭にありませんでした。
「夢とのリンクが切れかけていたからだな。夢の世界から戻る時、少しずつ現実世界の意識が介入してくる。お前さんが後半の舞台開始直前に感じた不安は、その夢のなかの自分でなはく、夢を客観的に見ている自分の不安なのだ。だから心配しなくても、その舞台は無事に進行しているだろう」
それを聞いてホッとしました。もしかしたら私が映画や音楽を好きなのは、それを職業にしている別次元の自分が存在しているからでしょうか?
「それが全ての理由だとは言わんが、その可能性はある。多次元に存在しているお前さんたちは、互いに影響を与えあっているのだよ。それは無意識の世界でのやり取りが多いが、夢というツールを利用することもある。お前さんが物語のヒントを夢から得ているのは、そうした影響の現れと言っていい」
ということは、今の私の生活を夢で見ている別の「私」が存在するということですか?
「その通り。お前さんが強固に信じ込んでいるこの世界も夢のひとつにしか過ぎない。だからパラレルワールドだけでなく、過去や未来の自分も夢としてこの世界を見ておるだろう。お前が夢を見ているようにな。インスピレーションや直感というものは、自分自身が発信源なのだよ」
ということは、現実世界の私自身の為だけではなく、他の次元の私にインスピレーションを与えることができるような生き方がしたいです。楽しいことだけでなく、辛いことにも目を背けないで向き合っていく。そうした経験が、「全て」の自分にとってかけがえのないものになっていくのですね。
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