脳の海馬が開く瞬間
3連休の最終日でして、3日とも暖かい行楽日和でしたね。そのうちの2日を自宅で引きこもっていた私が言うのもなんですが……
引きこもりでも、昨日撮影した写真を見て外出した気分になっています。この季節なのにバラが美しい姿を見せてくれていました。話しかけられているような存在感を持っていましたので、ちょっと記念撮影させてもらいました。
さて意味不明な今日のブログのタイトルですが、海馬というのは大脳縁辺系の一部でして、記憶や学習能力に関わる器官だと言われています。私が大好きで毎日欠かさずブログを読んでいる市川海老蔵さんが、時々この海馬という言葉を使われています。
歌舞伎のセリフを憶えるとき、必死で記憶するというよりは、何度も反復して読まれるそうです。最初のうちは何度読んでも記憶に残らないそうですが、海老蔵さんいわく、ある段階でパカっと海馬が開く瞬間があるそうです。そうすると、それらのセリフが完璧に入っているとのこと。
医学的に、あるいは脳生理学的に根拠があることかどうかわかりません。でも、私も同じような感覚を体験することがあります。それが音楽を聞いているときです。中学生のときにギターを手にしてバンドを始めました。楽譜をスラスラと読めて演奏できればいいのですが、それは無理です。カセットテープで録音した音源を何度も聴くことで、コード進行やギターのフレーズをコピーします。
初めて聴く曲ですと、当然ながら記憶に残りません。かといって、少しずつ聴いて憶えていくと時間がかかります。そこでその曲の全体を、何度も繰り返して聴くのです。するとある瞬間、ストンとその曲が頭に入るのがわかります。そうするとメロディの流れやコード進行、そしてギターのフレーズがスムーズにコピーできるのです。演奏できるかどうかの技量は別ですけれどね〜
先日のブログでピンク・フロイドのニューアルバムのことを書きました。それ以来ずっと聴いていたのですが、さすがピンク・フロイド!ヴォーカル曲が1曲しかないということもありますが、複雑に、そして緻密に計算され尽くして完成されていますから奥が深い。通常なら3〜4回通して聞けばストンと落ちるのですが、今日になってようやく海馬が開いた瞬間を感じることができました。手強かったです。
それと同じ手強さを感じていた本があります。
『饗宴』プラトン著 という本です。たまたまある本を読んでいたとき、ソクラテスの死について書かれていました。ある意味冤罪で死刑を宣告されたソクラテス。逃亡しょうと思えばいくらでも可能だったにも関わらず、毒を飲むことを選択します。その思いがどのようなものだったか、突発的に知りたくなりました。
ソクラテスは著作を残していません。弟子であったプラトンの著作からその思いを知ることができるのではと、図書館に何冊か予約しました。その第一弾で到着したのがこの本です。哲学書として紀元前4世紀から伝えられてきたものですから、手強いと自分勝手に想像していました。
ところがとてもすんなりと心に入ってきます。まるで自分が古代ギリシャで、ありのままを目撃していたような感覚です。読み始める前から、海馬が全開しているような状態でした。一気に読了です。そしてすっかりソクラテスとプラトンの大ファンになってしまいました。
もしかしたら、私が知る必要のあることは、無理に海馬を開ける必要がないのかもしれません。準備が整って直感が働いているときは、すでに海馬が開いているのでしょう。だからスポンジが水を吸い込むように、それらの内容が入ってくるのだと思います。これを機にして、プラトンの著者を読み漁りたいと思っています。
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