現実って独り言の世界かも
昨日は穏やかな1日でしたが、今日は朝から雨が降り続いています。午前中の強い風は収まりましたが、バルコニーは雨雲に覆われて視界ゼロ。大阪方面が全く見えない状態ですので、船舶が互いに警告する汽笛が聞こえてきます。昨日大阪まで行っておいて、良かったなぁと思っています。
普段から外出したら9,000歩程度は歩くのですが、昨日は15,000歩以上歩きました。ショッピングモールや百貨店をウインドウショッピングしていると、思ったよりも歩いているのですね。でもお昼のランチ以外に買ったのは、私がデパ地下で飲んだコーヒーだけで〜す
大阪梅田の地下街をブラブラしているとき、面白い商品を見つけました。
「ねこのて」というお菓子です。写真は黒猫ヴァージョンですが、隣には白猫もあります。可愛いので思わず写真を撮らせてもらいました。
大阪駅周辺には大きな百貨店が乱立しているのですが、やっぱり阪神百貨店のデパ地下が最強ですね。とにかく広い！見て回るだけでかなり歩くことになります。神戸三宮のそごうや、元町の大丸が小さく感じます。結局、昨日歩いた距離は11kmを超えていました。
さて相変わらず１日１冊読書を続けています。現在は経済関係の本を読んでいますが、昨日は小説を読了しました。
『清洲会議』三谷幸喜 著という本です。
先日映画を観て面白かったので、さっそく原作を読んでみました。三谷さんの小説を読んだのは初めてなのですが、何度もブ〜っと吹き出すほど面白かったです。
一般的な時代小説を読み慣れている方は不満を感じるかもしれません。先日のブログで書いたように、歴史上の人物の人間性が極端にデフォルメして描かれていますし、完全な現代語で書かれています。それもわざわざ「現代語訳」と断り書きされていますからね〜
でもそうした掟破りの構成が、さすが三谷さんだなぁと思わせる秀作でした。こうした書き方もあるんだなぁと、とても参考になりました。
私が最も感心したのは、完璧な一人称で書かれていることです。それも登場人物それぞれの独り事が、それぞれの章を構成しています。つまり複数の人物で書かれた一人称の物語なのです。
だから同じ場面でも登場人物による違いが出てきます。一瞬、一瞬、語っている人物に自分が乗り移ったような感覚を持ちます。けれどもそれらを総括してみている、「私」という存在がいます。その「私」が登場人物の視点を集積して、物語全体を経験しているのです。脚本家である、三谷さんならではの発想だと思います。
こんなコメディを読んでいても、人生の秘密を感じるような気がしています。私たちが日々を過ごしているこの現実世界も、一人ひとりの人間が奏でている「独り言」で構成されていると思います。それぞれが見ている現実は違うのです。
でもそれらを総括している「私」という存在がいます。それは自我としての限定された私ではなく、全てであるものの「私」です。自我はひとつの物語しか経験できませんが、その大いなる「私」はそれらの物語全体を経験しています。自我を超越した時に読める、「その本」を手にするときが楽しみです！
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