お帰り、甥っ子!
午後になって久しぶりの晴れ間が見えてきました。明日にはようやく春の陽気が戻って来るとのこと。市街地の桜は散りましたが、窓から見える六甲山の頂上付近はピンク色に輝いています。明日は大勢の人たちが六甲山に登るだろうなぁ。私もどこかに行きたくなってきました。
久しぶりに見る今日の青空のような素敵なニュースが、昨晩飛び込んできました!
妹からの電話でして、ようやく正式に甥っ子の意識が戻ったとの知らせでした。先日のブログで甥っ子の意識が戻ったことを報告しましたが、実はまだ誰が誰なのかわからない状態でした。昏睡状態は脱したものの、自分や自分と関係する人物の認識ができていなかったのです。医師の説明によりますと、正式に意識が戻ったと認定されるのは、家族や友人等の顔を認識できる事が目安だそうです。
それでもHCUから一般病棟に移り、妹や友人がいつも呼びかけてくれていたそうです。その思いが通じたのか、昨晩になって突然妹のことを母親と認識したそうです。友人等の写真を見せて名前を尋ねると、完璧に指で指し示したとのこと。気管切開していますので話せませんが、自分の状況をようやく認識したそうです。突然の目覚めですから、かなりパニックになっていたとのこと。妹が帰ろうとすると、自分も帰ろうとする仕草を見せたそうです。
麻痺が心配された右半身も動かせるようになってきているそうで、車椅子でリハビリ室に移動して訓練しています。気管切開の管を外すことができて、固形物を食べたり話せるようになると、若いので一気に回復するだろうと思っています。もしかしたら年内にはダンスができるようになるかもしれませんね。食事が取れるようになったら、妹に甥っ子の好物を聞いて持っていてやろうと思っています。
これでようやく言うことができますね。「お帰り、甥っ子!」
応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
さて、とても面白くて興味深い映画を観ました。
『アレクサンドリア』という2009年に公開されたスペイン映画です。主演は『ハムナプトラ』で有名なレイチェル・ワイズです。私の好きな女優さんでして、あの007のダニエル・クレイグの奥さんですね。
映画の舞台は4世紀のエジプト第2の都市であるアレクサンドリアです。ローマ帝国が侵攻してきて、それとともにキリスト教とユダヤ教が押し寄せてきた時代です。レイチェルが演じるヒュパティアというのは実在の女性で、ギリシャのプラトンの流れをくむ哲学者であり、天文学者、数学者でもあります。
ヒュパティアはアレクサンドリア図書館で若者たちに科学を教える教師です。その図書館にはギリシャ時代からの貴重な文献が残されています。ところが古代ギリシャの神々を信仰する人々を、キリスト教は弾圧します。その結果、キリスト教とユダヤ教しかこの街で信仰してはいけないことになり、キリスト教徒によりこの図書館と貴重な文献が破壊されてしまいます。
宗教組織の持つ恐ろしさを、改めて見せつけられた映画でした。それぞれの宗教は素晴らしいものを持っているのでしょうが、人間が組織を作るとそれは迫害と暴力を生み出します。キリスト教徒は、この後ユダヤ人もアレクサンドリアから追い出しているのですからね。
キリスト教徒でないと生きていけないアレクサンドリアで、ヒュパティアは自分の哲学を捨てず、古くからの信仰も捨てませんでした。さらに科学の研究を進め、天動説が当たり前だった時代に地動説を支持していました。さらにその軌道が円ではなく、楕円であることを主張していたのです。
ケプラーが地球の軌道が楕円であることを証明したのは、17世紀のことです。しかしヒュパティアは4世紀にこのことを確信していました。そんな彼女の運命は明白ですね。修道兵士という暴徒を先導しているキュリロスという司教により「魔女」だと認定されます。
そしてヒュパティアは拷問され、肉体を切り裂かれて焼かれてしまいます。異教徒として処刑されてしまったのです。そしてそれを指示したキュリロスは教皇レオ13世により、死後は聖人に列せられたとのこと。何とも言えない気分ですね。
ヒュパティアという人物を初めて知りましたので、とても興味が出てきました。私の敬愛するプラトンの学派を継承しているのも気になるところです。ヒュパティアに関する本を図書館で探してみようと思っています。
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