催眠術と憑依
春らしい天気が続いています。やりたい事が多すぎて分刻みで活動している状態ですが、過ごしやすい気候なのではかどります。4月も残り一週間となりました。
昨日の写真ですが、5月を象徴するツツジが見頃になってきました。4月は私にとって「生命」を見つめる月です。昨晩はそんな生命の儚さを感じるニュースが飛び込んできました。俳優の萩原流行さんがバイクの事故で亡くなりました。
昨日の夜になるとこのブログにアクセスしづらい状況になりました。サーバーに負荷がかかっているような印象です。萩原さんはこのダイヤモンドブログでご自身のブログを書かれていますから、アクセスが集中していたのでしょう。その日1日を精一杯生きること。その意義を改めて考えさせていただきました。
そういえば『しくじり先生』という番組の録画を先ほど見たのですが、堀江貴文さんが同じようなことを言われていました。
「過去にとらわれず、未来に怯えないで、今を精一杯生きよう」
過ぎたことや未来の心配で自分の心をいっぱいにしていないで、「今」自分が最高のパフォーマンスを出せているかに集中するべきだと言われていました。明日自分が生きているかどうかなんて確実に断言できる人は一人もいません。そう思い込んでいるだけですね。私は今日も全力で生きています!
さて、先ほど読了した本です。
『ダイイング・アイ』東野圭吾 著という本です。
作品数が多数ありますからなかなか追いつきませんが、東野さんの追っかけを続けています。この作品はかなり異色ですが、今までで最も続きが気になった小説です。主人公と一緒に失われた記憶を取り戻していく物語ですから、自分が記憶喪失になったように感じました。しかも交通事故に関する記憶喪失ですから、私の高校生時代を思い出しました。
物語は新婚間もない女性の死で始まります。自転車で帰宅中に交通事故に遭い、車のバンパーと壁に挟まれて即死します。数年後、主人公のバーテンが閉店後に襲われます。襲ったのは死んだ妻の夫で、襲われたバーテンは事故の加害者でした。復讐ですね。
重症を負った主人公は、数日意識不明の末に目覚めます。ところが自分が過去に起こした交通事故に関する記憶だけが、すっぽりと抜けていました。主人公を襲った人物は自殺します。自分に関わった人間が二人も死んだことで、主人公はそのきっかけとなった事故の記憶を取り戻そうとします。しかし親しい人物たちは、なぜだか過去のことを忘れるように言います。事故について語ることを避けているのです。
そこから物語は全く予想外の展開が終盤まで続きます。どうやら事故は単発の事故ではなく、複合的な事故だったとわかってきます。そして謎の女性が登場します。事故の真相に近づくに従って、恐ろしい事実が浮かび上がってきます。こうなるとページをめくる手を止めることができなくなってきます。
その事故の真相は驚くべきものでした。全く想定外でした。そしてそれに関わる事件の根底にあるもの。それは死んだ女性がある女性に乗り移ったとしか考えられないものでした。著者はそれを霊的な憑依として匂わせる部分と、催眠術という観点で説明しています。
自分の人生を終結させた相手に向けられた、死ぬ瞬間の「目」。その「目」に取り憑かれた人間が、催眠術にかけられたように巻き起こす悲劇です。まさしく憑依と考えても言い過ぎではないかもしれません。最高に面白い小説でした。ドキドキしたい方にはオススメですよ〜!
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