慣れから飛び出そう
土曜日の晴天。いいなぁ。過ごしやすい気候ですから、行楽地はどこも大勢の人で賑わっているでしょう。
自宅バルコーにから見える景色も、春そのものですね。こんな晴天ながらも、私は引きこもりです。午前中にブログの連載小説を書いて、午後からは大掃除と仕事と読書に集中していました。大掃除はいくつか「オオモノ」があるのですが、そのひとつの換気扇を今日は完了させました。
半年に一度の大掃除でも、そこそこ汚れています。我が家は揚げ物は絶対と言っていいほど作りません。それでもそれなりに汚れるのですから、家庭によっては油汚れを落とすのが大変でしょうね。
先ほどの写真のような景色を見ながら、午後からはバルコニーで分解した換気扇を磨き上げていました。私が子どもの頃の換気扇といえば、扇風機のような大きな羽根が数枚あるイメージです。ところが最近の新しい換気扇はドラム型になっていて、内側に小さな羽根がたくさんついています。
機能的なのでしょうが、掃除する立場で設計したものではないですよね。今日数えてみたら、小さな羽根は全部で33枚ありました。その羽根のついた円を2つ重ね合わせてありますから、全部で66枚。その裏表を歯ブラシで洗うとすると、延べにして132枚分もゴシゴシしなければなりません。
分解したらパラッと展開して、その小さな羽根が1枚の板状になるような設計ならいいのになぁ。そうしたら両面をさらっと1回ずつ洗うだけでいいですものね。大掃除をしていてよく思うのは、掃除することを想定して設計されているものは意外に少ないということですね。
そんな換気扇ですが、半年ぶりに掃除しようと思うと、そのやり方に迷います。使う道具は決まっていますが、半年前にどのような手順でやっていたかすぐに思い出せないのです。毎日やっている掃除なら慣れていますから、何も考えずに勝手に身体が動きます。でも半年ぶりだとそうはいきません。
しかし意外にも慣れていないほうがいいように思うことが多いのです。パターン化されていない分、新たな気持ちで考えます。そうすると以前よりもはるかに効率のいい掃除方法を、ふと思いつくのです。今回の春の大掃除は、そのお陰で普段より効率良く掃除が進んでいます。
昨日、小説の『火花』がベストセラーになっている又吉さんのインタビューをネットで読みました。ピースというコメディアンの一人ですね。この小説だけでなく、物語を書くときにはプロットを考えないそうです。前提だけを決めてとりあえず書き始める。そうしてインスピレーションの赴くままにストーリーを展開させるそうです。比較して又吉さんには申し訳ないですが、私の書き方と同じです。
なぜなら最初からプロットを決めてしまうということは、自分の考えの中に作品を収めてしまうということだと言われていました。自分の中にあるものを書いているだけなら、自分を超えることができない。自分が驚くものが書けなければ、読む人を驚かせることができないとのこと。とても説得力のある説明でした。
習うより慣れろ、という言葉があります。確かに慣れることはとても大切だと思います。しかし同時に慣れはパターン化を促進します。パターン化されたものは楽です。だからついついそのパターンに依存してしまいます。するとそこから抜け出すことが難しくなるのかもしれません。
慣れていることを、あえて違う方法でやってみる。私は右で使っていたお箸を、本来の左利きに戻すことで様々な発見をしました。慣れからあえて飛び出すことで、自分の新しい世界が見えてくのかもしれませんね。
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