ただ、ただ、脱帽!
天気図を見ると、日本列島の真上にどっかりと高気圧が居座っています。晴天が続くので買い物はしやすいですし、大掃除も仕事もはかどります。
午前中に自宅を出た時は、こんな素晴らしい天気でした。しかし2時間歩いて往復しますと、気温が高いせいか少しは疲れます。それでもランチのあとはせっせと大掃除。今日予定していた箇所は、無事にやり終えました。身体が疲れると甘いものを補給したくなります。ということで、
じゃ〜〜ん!今日のおやつです。
『パン・デ・ロー』というポルトガルの伝統菓子です。カステラのルーツといわれているお菓子だそうで、ポルトガルの地方によっては中が半熟状態のものもあるとのこと。この写真のお菓子はしっかり焼き上げられていて、オレンジの香りが素敵なお菓子でした。こうしたおやつがあると思うと、大掃除もテンションが上がりますね!
さてさて、とんでもない小説を読んでしまいました。あまりに予想外の展開に、この記事のタイトル通り、ただ、ただ、脱帽です!
『パラドックス13』東野圭吾 著という本です。
いつも通り何も考えずに著者名だけで図書館から借りてきました。ところが始まりからいつもと違います。推理小説がメインの東野さんですが、いきなり総理大臣が登場します。科学者等が集まって「P-13」という現象について議論するためです。3月13日13時13分13秒に原因不明の現象が起きることが説明されます。それはその瞬間から13秒間だけ時間が消失するという現象です。
13秒の次が14秒ではなく、いきなり26秒になるのです。しかし全ての存在が同時に移行するので誰も気づきません。だから総理は国民がパニックになることを恐れて、何も伝えないことに決めます。ただし絶対守るべきことがありました。それはその13秒間に死んではいけないということです……。官庁の幹部だけに通達が出されて、その時間に危険な仕事はしないようにと指示が出ます。その13秒間は存在しないことになりますから、もし命を落とすとその「死」が無効化されてしまいます。死んだという事実が存在しなくなってしまうのです。
通常ならこの世にいないはずの人間の死が無効となることは、当然ながら矛盾が生じます。パラドックスですね。そこでその矛盾を解消するために、宇宙は別世界を創造します。その13秒間に死んだ者だけが存在する世界です。そう、この小説はパラレルワールドがテーマになっています。
主人公は久我誠哉と久我冬樹という兄弟の刑事です。弟の冬樹の暴走で、強盗犯の確保がその13秒間に行われてしまいます。末端の刑事には「P-13」などという現象の説明がないからです。二人は犯人に狙撃されて命を落とします。死んだはずの冬樹が意識を取り戻すと、そこは同じ東京でした。ところが何かが違います。人間も動物も含めて、生きているものが一瞬で消えてしまった世界なのです。
乗り手が消えた自動車はあちらこちらで事故を起こしています。たった一人になった冬樹は想定外の災害が起きたと思い、生存者を探します。そこで13人の人間と出会うのです。そこには兄の誠哉もいました。
メンバーがユニークです。刑事の二人、看護師、建設の技術者、普通の親子、赤ん坊、女子高生、老夫婦、大食漢の男性、そしてヤクザです。力を合わせて生きることを模索しますが、大地震やそれに伴う火災、そしていつまでも続く台風のような暴風雨が襲いかかります。東京の街はあっという間に廃墟になってしまうのです。怪我人が出たり、インフルエンザが蔓延したり、食糧問題等が発生します。
やがて総理官邸に避難した彼らは「P-13」について知ることになります。実は自分たちは死ぬはずの人間だったのだと。そして宇宙はパラドックスを抱えた彼らを消滅させようと襲いかかってきます。さてその結末は……。
もうめちゃくちゃ面白い小説です!この物語は映画化して欲しいと熱望します。善悪とは何か。常識とは何か。生きるとは何か。そういうことを問いかけてくる小説です。おすすめです。めちゃくちゃ面白いです!
『夢で会える 体外離脱入門』は在庫僅少ですので、お求めの方はハート出版さんや書店に問い合わせてください。Amazonでの注文はこちらです。
『ゼロの物語』3部作は電子書籍のみの販売となりますので、こちらのホームページから販売サイトに行ってくださいね。