脳のクラッシュは心地いい
今日の神戸は台風一過の青空が広がる1日でした。気温は上がっているようですが、今日は引きこもりなので実感がありません。ブログを書いているか集中して仕事をしているかのどちらかなので、気がついたら夕方になっているという状態でした。1日が短い!
昨日撮影した写真です。綺麗な花を見ると突然に別世界へ来たようで、気持ちの切り替えがスムーズになるように感じます。写真を通じて花のパワーを感じるからでしょうね。
気持ちの切り替えという意味では、音楽も大きなパワーを持っていると思います。特にギターの音色に惹かれます。ギターの音色と言っても、クラシックやフラメンコではなく、私の場合はロックですけれどね。
私にとってギターの神様は、ジェフ・ベックです。昨年の4月には久しぶりにライブに行けて、とても幸せでした。そして同じくらい好きなのがジミ・ヘンドリックスであり、ジミー・ペイジです。なぜだか全員「J」なのですよね〜!
3人に共通しているのが予測できないギタープレイです。発想が普通の人と違いますから、想定外の音やフレーズが飛び出します。そんな時、私の脳はクラッシュするのです。クラッシュといえば、あまりいい意味の言葉ではないかもしれません。パソコンのソフトなどが突然停止するような状態ですからね。
でも私にとっては心地いいクラッシュなのです。常識を超えた音を耳にすることで、一旦脳がクラッシュします。そしてリカバリーした段階で、そこから別世界に飛翔していくのです。同じ曲を何度も聞くと、もちろん最初の驚きはありません。でもそのクラッシュの感覚を再現できますので、通常では味わえない恍惚感を体験できます。
そんな脳のクラッシュを体験させてもらえる小説を読みました。
『SOSの猿』伊坂幸太郎 著という本です。
予約している本を待っている間、伊坂さんと東野さんの著作を乱読しています。東野さんの文体は私の好みです。おこがましいですが、感性が似ているのだと思います。しかし伊坂さんの文章はおもしろい!思わず吹き出し笑いをしてしまいます。私には書けない文体なのですよね。それだけに憧れます。
特にこの小説はぶっ飛んでいます。漫画家の五十嵐大介さんとの競作企画でして、『エクソシスト』と『西遊記』のかけあわせを意図した作品になっています。それだけでも十分ぶっ飛びますよね〜!
二つの物語が同時進行していきます。ひとつは他人の「SOS」を見逃せない性格の遠藤二郎が主人公です。イタリア留学中にある神父と知り合い、副業でエクソシスト、つまり悪魔祓いをやっています。その遠藤が子供の頃に近所に住んでいた知人の息子について相談されます。その息子は引きこもりでした。
もうひとつは五十嵐真という、コンピュータソフト制作会社の人間です。自社で開発したシステムを使用していた証券会社が、誤発注で300億円の損害を発生させます。その原因を調査するのが五十嵐の仕事です。ところが思いも寄らない出来事に巻き込まれていきます。
途中から二つの物語は関連を感じさせますが、その一方でとんでもない方向に進んでいきます。現実と妄想が混じり合ったような世界です。その段階で脳がクラッシュします。予想ができなくなり、全くの異世界に放り込まれてしまいます。
ところが、ところが。終盤でそのカオスが無事に終着点へと誘導されます。全く想定外の終着点ですが……。あっぱれとしか言えないほど、見事な構成です。こんな物語の作り方もあるのだと、しっかり勉強させてもらいました。脳のクラッシュは心地いいですよ〜〜!
『夢で会える 体外離脱入門』は在庫僅少ですので、お求めの方はハート出版さんや書店に問い合わせてください。Amazonでの注文はこちらです。
『ゼロの物語』3部作は電子書籍のみの販売となりますので、こちらのホームページから販売サイトに行ってくださいね。