人前で読めない小説
九州は大雨で避難勧告が出ましたね。被害も出ているようです。毎年この時期になると、こうしたニュースを目にします。雨が降らずに水不足になるのも困りますが、降りすぎるのも困ります。神戸も朝から雨が降ったりやんだりしています。
そんなシトシト降る雨の中、軒先で雨宿りしているニャンコを発見。ドキッとするような美人ニャンコですね。あはは、オスだったりして。どちらにしても、可愛いニャンコに出会えてラッキーでした。
今日は、最近見かけなくて心配していたノラ猫にも会えたので、雨まじりでしたが楽しい買い物でした。帰りは傘をささずに戻れたのでよかったです。
さて、先ほど読了した本の紹介です。要注意の本です。電車やバス等、人前で読むのはやめたほうがいい本です。
なぜならあまりに可笑しすぎて、何度も吹き出してしまうからです。しんと静まり返った深夜。先に眠った妻を起こさないように、必死で笑い声をこらえて読んだ小説です。
『バイバイ、ブラックバード』伊坂幸太郎 著という本です。
変わった企画で製作された小説です。「ゆうびん小説」と題して、抽選に当選した50名の方に郵送で各章の小説が届くという企画です。届けられたのが5章で、最期の6章を著者が書き下ろして単行本化されたそうです。5章なのは理由があります。
主人公の星野一彦は5人の女性と同時に交際しています。つまり五股です。でも憎めない、好人物として描かれています。そしてその5人の女性も個性的で素敵な人物ばかりです。この設定のどこか可笑しいのか?
詳しい事情は省略されていますが、星野は借金をきっかけにしてある組織を怒らせてしまったようです。二ヶ月以上軟禁状態です。そして<あのバス>というものに乗せられて、とんでもない場所に連れて行かれることが決まっています。
その場所がどのようなものかは明かされていません。とにかく恐ろしい場所です。命の保証はありません。しかし星野は子供の頃に、近所に買い物に出かけた母を交通事故で亡くしたトラウマを持っています。だから事情が分からず待つことの辛さに耐えられません。
そこで交際していた5人の女性に別れを告げることで、辛い思いを女性たちにさせたくないと訴えます。その訴えが認められて、一人ずつ別れを伝えるという設定です。だから5章あるわけです。ではどのように別れ話をもちかけるのか?
星野を監禁している繭美(まゆみ)という女性を連れて行きます。この繭美と結婚することになったから別れてくれ、と伝えるわけです。ところがこの繭美は普通の女性ではありません。二ヶ月以上も星野を監視して監禁していたのは、この女性です。身長は180㎝近くあり、全身はビア樽のような体型。そんな体型から態度までの、何もかもが規格外の怪物なのです。
当然ながら女性たちは当惑します。中には女優までいるくらいの素敵な女性たちばかりです。星野がなぜ、こんな女と結婚すると言うのか理解できません。そのあたりの繭美と星野のやり取りが、まさに抱腹絶倒なのです。思い出すだけで吹き出しそうになります。
数人の犯罪者が束になって襲いかかっても、一人で難なく片付けてしまう繭美です。ところが章の進行に伴って、なかなかいい奴だと思わせるようなところも見えてきます。そのあたりの微妙なバランスと、伊坂さんのテンポのいい文章が相乗効果を起こして、読み手を惹きつけます。
最近あまり笑ったことがない、という方。この本を読んで、久しぶりに大笑いしてくださいね。でも人前で読まないほうがいいですよ〜!
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