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高羽そらさんインタビュー

イライラ、モヤモヤ

7月に入り、京都では祇園祭の時期です。メインは17日の山鉾巡行ですが、お祭りは一ヶ月かけて行われます。

 

そのうち鉾建てが始まり、祇園囃子が京の町に鳴り響きます。想像するだけでワクワクするのは、やはり京都人の血が流れているからでしょぅね。

 

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今日の散歩中に見つけた向日葵です。私の大好きな花です。この花を見ると夏を感じます。雲の多い毎日ですが、少しずつ本格的な夏が近づいていますね。

 

7月に入って何となく気持ちがバタバタしています。でも自分がやりたい事に関するバタバタですから、ありがたいことです。これからやってくる夏の暑さに負けず、気合を入れていきたいです。

 

さて、今朝の早朝に読了した本です。二段書きで450ページ近くある長編でした。昨晩に終盤まで読んで、今日の午後から読了するつもりでした。でもエンディングが気になって、早朝に起きて最後まで読んでしまいました。

 

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『殺人の門』東野圭吾 著という本です。

 

とても不思議な小説です。東野作品の中では、評価が低いと言われています。そう言われるのも、頷ける作品かもしれません。読んでいる途中で、イライラ、モヤモヤします。一人称の「私」で書かれる物語ですから、ついつい主人公に感情移入してしまいます。するとさらにイライラ、モヤモヤします。そのまま最後まで読み終わると、言葉にできない後味の悪さが残ります。でも読み始めると、手が離せなくなる不思議な物語でした。

 

主人公は田島和幸。彼の小学生から30歳くらいまでの人生が描かれています。父親は歯科医で、裕福な家庭に育ちます。お手伝いさんがいるくらいですから、いわゆるお坊っちゃまです。ところが祖母の死をきっかけにして、田島家は没落します。父親は歯科医を廃業せざるを得なくなり、両親は離婚。父との二人暮らしが始まります。

 

そこから先、小学校の高学年、中学生、高校生、そして社会人としての和幸の人生は悲惨です。不幸の連鎖は途切れる気配を見せず、和幸の心に「殺意」が芽生えてきます。理不尽ないじめや、いわれのない中傷等、悪意のある人間たちに翻弄されます。そしてある人間を殺さなければ、まともな人生が送れないと感じます。その人間は、倉持修という小学校時代からの友人でした。和幸の不幸は、常に倉持がからんでいます。いや、実は倉持が仕組んだことばかりなのです。

 

この小説は、殺意から実際の殺人者に変わるのに何が必要か、ということが語られています。あまりにひどい仕打ちに、殺意を感じたとします。しかし実際に反抗に及ぶ者とそうでない者とには、大きな違いがあります。殺意が芽生え、殺人者になる一線を越えることで、「殺人の門」をくぐったことになるのです。

 

はっきり言って、テンションがダダ下がりになる本です。よくこれだけ人間の悪意を描けるものだと、ある意味尊敬してしまいました。伏線が分かりやすいので、展開は読めてしまいます。それだけにその倉持という人間の酷さがあからさまになるのです。読んでいる私が倉持に対して殺意を感じました。和幸の最初のチャンスは中学生の時にあるのですが、「何で殺さないんだよ〜〜!」とか、「今だ、やれ、殺すんだ!」と主人公を罵倒したり応援したりしています。自分でも笑ってしまいました〜expression/eps_coldsweats01.gif

 

和幸は何度も決意して倉持を殺そうとするのですが、面と向かうと相手に言い負かされてしまいます。そしてあらたな不幸を背負わされて、さらに悲惨な人生を送ることになるのです。もうイライラ、モヤモヤです。結局、和幸は最後の最後まで、殺人の門をくぐることができません。でも、それで終わらないのですけれどね。

 

いつもの東野さんなら、事件が解決してスッキリします。刑事や被害者の立場で書かれた小説ですからね。ところがこの作品は、加害者の心理を徹底的に描写したものです。それも1年や2年のことではなく、20年近くに及ぶ苦悩と葛藤の歴史です。とても私に書けない、と感じた作品でした。

 

『夢で会える 体外離脱入門』は在庫僅少ですので、お求めの方はハート出版さんや書店に問い合わせてください。Amazonでの注文はこちらです。

 

『ゼロの物語』3部作は電子書籍のみの販売となりますので、こちらのホームページから販売サイトに行ってくださいね。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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