子供が生まれない世界
今日も夏ですね。夜明けと共に蝉の大合唱で1日が始まります。あの元気な声を聞くと、今日も頑張ろう、という気持ちが湧いてきます。きっと生命エネルギーに満ち溢れているからでしょう。
ちょうど百日紅が花をつける時期です。この写真は私と妻の大親友の百日紅です。去年はあまり花をつけなかったのですが、今年はいい調子で咲いてくれそうな気がします。ちょっと奥手の子なので、満開までもう少し時間がかかりそうです。
今日は引きこもりですが、自宅にいると涼しく過ごせます。昨晩も肌寒いくらいの風を感じて熟睡できました。今夜は大阪の天神祭です。そしてお隣の芦屋では花火大会があります。少し遠いのですが、自宅のバルコニーから見ることができます。やっぱり夏の夜は打ち上げ花火ですね。
仕事に読書に励んでいますが、DVDレコーダーに貯まった映画も消化しています。今日の午後に観た映画です。
『トゥモロー・ワールド』(原題はChildren of Men)という2006年のイギリスとアメリカの合作映画です。
監督はアルフォンソ・キュアロンです。有名な映画では『ハリーポッターとアズカバンの囚人』、最近では『ゼロ・グラビティ』という素晴らしい映画を監督されています。その実力をしっかり感じることができる映画でした。
時代は西暦2027年。人類は絶望しています。なぜなら人類が18年前から出生能力を完全に失っています。全ての女性が子供を産めなくなったのです。通常の社会なら最も長生きしている人物が注目されます。ところがこの世界は最年少の人間が話題になります。当然ながら、最年少は18歳以上なのです。
生物というのは、生殖により種が保存されます。自分たちの後の世代が生きていけるよう、科学や文化が発達していくわけです。ところが子供が生まれないということは、人類はやがて滅亡することになります。ですから世界は恐慌状態に陥り、暴動や略奪で荒廃しています。ほとんどの国家が壊滅状態でした。
唯一イギリスだけがかろうじて国家を維持していますが、それは徹底的に難民の入国を拒否したからです。外国人は全て不法入国者とされ、収容所に連行されます。それでも国家として機能しているイギリスに難民が殺到しています。収容所は、まるで第二次世界大戦のドイツのユダヤ人収容所のような状態でした。
主人公のセオはイギリスのエネルギー省に勤めていますが、元妻であるジュリアンに接触されます。ジュリアンは不法入国者の立場を守るテロ組織の幹部でした。ジュリアンからある女性を助けてほしい、と依頼されます。黒人の若い不法入国者ですが、実は妊娠していたのです。
世界にたった一人しか存在しない赤ん坊を助けるため、セオが奮闘する物語です。ストーリー的にはもうひとひねり欲しかった映画です。しかし映像は素晴らしい。さすが『ゼロ・グラビティ』の監督です。ラスト近くのイギリス軍とテロ組織の戦闘シーンは圧巻でした。
6分以上の長いシーンが、ワンカットなのです。その迫力は映像を観ないと理解できないでしょう。さすがに唸りました。そして泣き叫ぶ赤ん坊を見たとき、イギリス軍の兵士も、テロ組織の兵士も攻撃を止めます。18年以上も赤ん坊の泣き声を聞いたことが誰もないのです。人類という種を存続させる唯一の希望でした。おそらく種の保存本能として、赤ん坊を攻撃することができないのでしょう。見ごたえのあるシーンでした。
セオ役はクライブ・オーウェン。『ボーンアイデンティティー』で殺し屋を演じた俳優さんです。元妻のジュリアを演じたのはジュリアン・ムーア。私の、大、大、大、大好きな女優さんです。音楽も最高でした。ディーブ・パープル、キング・クリムゾン、ジョン・レノン等のロックの名曲が使用されていました。
人間は種を残すことが本能である。つまり動物なのです。だから種を保存できないと、絶滅の道をたどってしまう。そうしたことを改めて思い出させてくれた映画でした。
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